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2012年8月27日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0299036 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

今後の収支見通し(粗い長期試算)について

 おはようございます。
 それでは、私のほうから、資料に基づきまして2つの項目、お話をさせていただきたいと思いますが、まず最初は「今後の収支見通し-粗い長期試算について-」であります。お手元の資料は、このカラーで印刷したものがございますからご覧いただきたいと思います。
 本日、本年度の税収見込みや普通交付税の算定結果のほか、10日に公表いたしました23年度決算見込みを踏まえました社会保障関係費の伸び率の見直し等を反映させました、今後10年間の長期財政試算を行いましたので、ご説明を申し上げたいと存じます。
 まず、1ページ目をご覧いただきたいと存じます。
 本年度の収支見通しは、歳入につきまして、税収が地方消費税等の増によりまして当初予算編成時と比較し約11億円の増、また、地方交付税及び臨時財政対策債について、算定結果等を踏まえますと約18億円の増になると見込みました一方、歳出につきましては、瀬戸大橋出資金や9月補正予算案等の影響によりまして約7億円の増となったことから、収支は前回試算から22億円改善する見込みであります。
 一方で、当初予算において財政調整基金の取り崩し20億円を計上いたしておりますほか、企業局からの借り換え39億円、あるいは独自の給与カット115億円を実施しているところでありまして、本県財政は改善傾向にありますものの、依然として厳しい状況には変わりはないと認識をいたしております。
 次に、2ページをご覧いただきたいと存じます。
 向こう10年間の収支の推移について記載をいたしております。
 前回と同様、県税収入につきまして、国が公表しております名目経済成長率を用いて試算をしておりますが、税収や地方交付税の増等の影響によりまして、前回の試算と比較して改善しております。中期的には社会保障関係費の増加によりまして改善幅は小さくなりますものの、全体といたしましては前回とほぼ変わらない傾向となっているところであります。
 なお、消費税率引き上げ法案が先般成立をいたしましたが、社会保障・税一体改革の影響につきましては、制度の内容の多くが決まっていないために、今回の試算には織り込んでいないところであります。
 今後とも、制度設計の議論を注視してまいりたいと存じます。
 4ページ以降は、参考資料となります。
 4ページの県債残高の推移と将来推計をご覧いただきますと、今後、臨時財政対策債を除いた県債残高は低下傾向にあることは変わりはなく、ストックベースの改善は続いていく見通しであります。5ページの実質公債費比率をごらんいただきましても、起債の許可が必要となります基準18%を下回って安定的に推移する見込みとなっているところであります。
 今回の試算では、「改革プラン策定時の危機的な財政状況からは脱却できる見込みが立ちつつある」といたしました前回の試算よりも改善しているところでありますが、25年度以降も収支不足が見込まれるなど財政状況は厳しく、また世界経済の動向も不透明な中、景気の動向によっては収支が悪化することも懸念されるところであります。
 県といたしましては、今後とも、財政構造改革プランの成果を維持しながら、財政規律を守った持続可能な財政運営を行う必要があるものと考えております。
 また、改革プランの推進期間終了後も引き続き、不断の改革に取り組む姿勢が必要でありますが、あわせまして、国の行革に関する取組状況を見極めつつ、県におきましても関連する取組を検討する必要があると考えております。
 県といたしましても、できる限りの取組を進めながら、国に対しましても地方交付税等所要の地方一般財源総額を確保するように強く働きかけを行っていく必要があると考えております。

メガソーラーの推進について

 続きまして、次の項目であります。
 お手元に配付資料がございます。ご覧いただきたいと思いますが「メガソーラーの推進」についてご報告をいたしたいと思います。
 本県では、おかやま夢づくりプランやおかやま新エネルギービジョンにおきまして、地域の特性を活かした太陽光発電を重点分野として推進することとしておりまして、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が施行されまして、より一層の普及拡大を図ることが必要であると考えているところであります。
 そうした中で、これまでの民間によります導入計画をより一層加速させるために、県営電気事業におきましても、岡山空港南側法面を利用いたしました出力3.5メガワット、年間発電電力量約370万キロワットアワー、一般家庭で約1千世帯分の使用量に相当するメガソーラーを建設することとし、平成25年度中の運転開始を目指したいと思います。
 空港施設の本来の用途を妨げず、土地や法面を有効に活用するメガソーラーの設置は全国初であると、このように考えております。
 また、県が公表しておりますメガソーラー候補地のうち、県有地の「笠岡港寺間地区」につきまして、広島県尾道市が本社の三和鉄構建設株式会社をメガソーラー設置事業者に決定いたしました。
 「笠岡港寺間地区」は、笠岡市鋼管町の国道2号バイパス沿いの県が所有をしております約5ヘクタールの用地でありまして、計画では、ここに出力約2メガワット、年間発電電力量約273万キロワットアワー、一般家庭で約760世帯分の電力量に相当するメガソーラーを設置いたしまして、来年7月に稼働する予定であります。
 なお、これによりまして、県が公表しております候補地への立地は3件目となるところであります。
 以上、私からのご報告とさせていただきます。

質疑応答

記者)
 岡山空港へのメガソーラー設置についてですが、これまで民間での導入について推進してこられて、今現在も全国で民間の導入計画が進んでいる中で、改めて自治体、公として導入することの意義と、今、どんどんと県内に設置計画が明らかになっておりますが、改めて今後の見通しについてお伺いします。

知事)
 今回の岡山空港の南側法面でございます。もちろん、民間事業者が事業を進めていただくということが原則、基本でありますから、そのことも念頭に置きながら検討を進めてまいりました。この南側法面につきましては、これは南側に開けた広大な、しかも安定した法面であります。太陽光発電に適した、いわゆる傾きもありまして、建設にも有利な地点となっております。
 ただ、民間ということになりますと課題がありまして、と申しますのも、空港の中でありますから保安管理上の問題、すなわち立ち入り制限があります。こういったことから、民間の参入というものが困難でありまして、開発ノウハウがあり、電気事業を行っております企業局において取り組ませることといたしました。
 なお、こういったことで、基本は民間だと考えておりますが、こういった適地があってこういう県としての事業が可能なところがあるということでありますから、県といたしましても、そういう姿勢で、これからも民間を基本としながらも、県として取り組んだほうがいいという適地がありますれば、それは検討するということになろうかと思いますけれども、こういったことで、県がメガソーラーの事業を進めることによって民間事業者の開発意欲を促していくと、こういう波及効果が生まれることを大いに期待をしているものでございます。
 次に、ご質問としてメガソーラーの今後ということでありますけれども、今回3件目ということを先ほど申し上げたところであります。県が公表している候補地では3件目であります。
 それから、県の候補地以外では今回申し上げた企業局の計画があり、先般、浅口市の民有地、それから矢掛町の町有地及び民有地、こういったところでメガソーラーの計画が発表されているところであります。
 メガには満たないところでありますが、赤磐市あるいは久米南町におきましても事業が発表になっておりますし、勝央町の民有地も今計画が発表されていると承知をしているところでございます。
 さらに、一番期待をされておりますのは、何と申しましても錦海塩田跡地でのメガソーラーについてであります。今現在、瀬戸内市におかれまして、メガソーラーによります発電事業を軸とした活用計画の公募が行われておりまして、8件の提案があって、現在書類審査が行われていると聞いておりますが、私はこういった広大な土地を有効活用いたしました世界有数のメガソーラーにしていただきたい、その場合は、県といたしましてもできる限りの支援をさせていただきたい、このように考え、市長さんにもそういった考えをお伝えしているところでございます。
 こういったことで、全体としてはメガソーラー先進県としての具体的な取り組みが着々、また具体化してきていると、このように受けとめているところであります。

記者)
 岡山空港は年間100万人以上の利用者がございます。こちらへの立地ですと利用者へのPRも可能なのでしょうか。

知事)
 そうですね。ここは事業がこれから進んでいく中で、玄関口のほうにこういう事業を行っていきますということを説明するパネルなどを設置して、岡山県としての「晴れの国」を生かした先進的な取り組みということを、全国初の取組でありますから、空港におきましては是非情報発信をしてアピールしていきたいと思っております。

記者)
 宇高航路の件について、1社が運航休止という形になったのですが、それについて改めて知事の所感をお伺いしたいのと、今後、航路存続に向けて具体的にどのような働きかけをしていくのか、お伺いしたいのですが。

知事)
 先週、国道フェリーさんからの廃止ということの、運航休止ということの発表がありました。非常に経営が厳しくて、今後の高速道路の料金が本四高速で全国共通料金の導入が予定されていると、こういったことも一つの背景にあったというふうに聞いているところであります。
 県といたしましては、国道フェリーの運航休止に伴って、四国フェリーのみの運航となるところでありますので、まずはこの運航便数の減少というものがフェリー利用にどういった影響があるのかといったようなことを状況を注視していきたいというふうに思っております。
 そしてその上で、以前から、先般も2県2市で国土交通大臣に要請をさせていただきましたけれども、さらに関係自治体連携をして、この航路の維持ということにつきまして強く働きかけをしていきたいと思っております。
 やはり、その場合は、まずは国のほうにおいて国の高速道路料金体系を大きく見直したことがその背景にありますから、まずは国のほうにおいて制度の創設を是非考えていただき、その場合は、当然地元といたしましても一緒に連携して航路の維持に向けて取り組んでいくと、こういったようなスキームを是非実現していただくべく、さらに強く要請活動を行っていきたいと思っております。

記者)
 今後の収支見通しですが、若干の改善がみられたということですが、引き続き来年度からやはり収支不足が発生する見込みだということについてご所見を伺いたいということと、もう一つ、今、独自の給与カット等の取組を続けておられますが、来年度以降も続けられる必要があるのかということについてお伺いします。

知事)
 今回発表させていただきましたように22億円の収支の改善がみられたということで、これは今まで取り組んでまいりました財政健全化に向けての財政構造改革の血のにじむような取組の成果が現れてきているものと、このように受けとめているところであります。
 ただ、それはそれとして、私もほっとしている、一息ついたという感じでしょうかね。ではあるんですけれども、冷静にこの先を考えてみますと、先ほども少し申しましたように、世界経済が今のような混乱している状況でありますから、この動向、そしてそれがひいては本県あるいは国内へ、その税収でどのように影響がでてくるのか、また、国も行革をさらにやっていく、当然これは社会保障と税の一体改革での約束事であります。その内容あるいはまたそれを受けた地方財政対策、社会保障制度改革国民会議でどのような制度になるのか、いろんな不確定要因がありますので、こういったことを注視をしながら慎重な財政運営に努めるということが基本だろうと思います。
 それは即ち財政構造改革プランでやってまいりました取組、この成果を基本的には維持をしていく、不断の改革をしていくという姿勢、そしてやはり安定した財政運営、持続可能な財政のスキーム、こういったことを是非実現していくという方向性を守っていかないと、せっかくここまで財政がですね、先ほどの資料を見ていただきますと、全国中位並みの借金の比率にはなっているのですが、そういったところを十分考えていくべきではないかというふうに、私はそう思っております。
 ご質問の給与カット等のお話しですが、県独自のこのような大きな給与カットによって財政構造改革を進めてきた、これ自体はですね、今年度で一区切りつくんだと思っております。今後は、またこれから皆様方関係の方がいろいろご議論されて方向性を出されると思いますけれども、しかしながら依然として来年度から4年間ほどは収支不足が数十億円規模で見込まれます。これは今あります財政調整基金とか特定目的基金によって数字上はまかなえる規模ではあるんですけれども、しかしそういった臨時的、緊急避難的な対策ではなくて、やはり持続可能な財政運営ということを考えますと、そういった点もしっかりどう対処していくのかということも考えていかなければならないと考えております。
 いずれにいたしましても、これは国の年末の地方財政対策がどうなってくるのかですね、決まるのは年内、年末ですが、その辺りを注視しながら判断をしていくことになるのかなと、こう思っております。

記者)
 宇高のフェリー航路の維持について、本四の特措法によりフェリー会社等の航路の整理や業種転換が行われるなど、あの時点では航路の確保、整理がされたと思うのですが、今この時点で残存した航路がなくなるということについて、県としてこの航路維持の観点から、この航路にどういう意義があり航路存続の必要性があるとお考えなのでしょうか。

知事)
 やはり、この航路が地域においてどういう意義があるのかということを改めて考えますと生活交通ですよね、通勤、通学、医療といったようなこともあろうと思います。あるいは、物流といった面でも大変大きな役割を現実的に果たしているわけでありますし、いざ台風等、強風があった場合においては、悪天候時における瀬戸大橋の代替輸送、これを担っているなど、現実にはそういう重要な航路として今日まで至っているということでございます。
 確かに、ご質問のとおり、以前瀬戸大橋ができたときのいろんな仕組みというものもあって、今日が来ているわけではありますけれども、そういった現時点における非常に重要な航路となっているということ、これはもう地域にとりまして必要不可欠であるという立場から、しかもこれは高速道路の料金体系がこのように大きく国の政策によって変わることがなければ、こういったことになったのかどうかといった点もありますので、まずは国のほうにおいての政策変更による影響が一番大きな要素としてあるということを十分国におかれては認識をしていただき、是非、国のほうにおいての新たな制度創設、地方も一緒になって維持をしていくと。そういうことを強く願っているところであります。

記者)
 航路の維持ということで、フェリーボートとか高速船とかいろいろな形態があると思いますが、現時点で県として最低限こういう形で維持したいというイメージはありますでしょうか。

知事)
 具体的な航路、船の大きさとか便数とか、いろいろ議論はあろうかと思いますが、これはまずは一社体制になって、その後どういう状況になっていくのかといったところを見極めた上で、地域のニーズとの関連において、必要な輸送の規模とか、あるいは回数とかといったようなことも方向性を打ち出していく際に、関係者が集まった協議会がありますので、そういったところでじっくりと検討をし、地方としての、地域としての国に対する要望を固めていきたいと思います。