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2012年2月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0299026 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故について

 おはようございます。それでは、私のほうからお話をさせていただきます。
 まず、JX水島製油所の海底トンネル事故についてでございます。
 JX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故につきまして、お亡くなりになられましたお二人の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様方に対しまして謹んでお悔やみを申し上げる次第でございます。
 同時に、警察、消防等関係機関におかれましては、引き続き行方不明となっておられます3名の方々の捜索活動に全力で取り組んでいただき、一刻も早い救出を心から強く願っているところであります。
 県におきましては、関係機関からの情報収集等に努めているところでありますが、今回の事故がありました海底トンネルは、JXのA工場とB工場、この2つの工場の製油所をパイプラインで結んで、そして一体的な運営を図るものであると、このように聞いておりまして、水島コンビナートの今後の国際競争力の強化を図る上で必要な事業であるということから、引き続き事故原因の究明や再発防止策の検討など、その動向を注視をしてまいりたいと存じます。

平成24年度当初予算概要について

 続きまして、お手元のこの資料に基づきまして、平成24年度当初予算につきまして、その概要を御説明を申し上げたいと思います。
 24年度の当初予算につきましては、先月13日に説明をさせていただきました各部局からの要求を私自身が査定をいたしまして、今回最終的な当初予算案といたしまして取りまとめを行いましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、お手元の資料の1ページをご覧をいただきたいと思います。
 【予算編成の基本的な考え方】にあります方針に沿って予算編成をしたところでありまして、その規模は、国の経済対策により措置されました基金事業の終了や行財政構造改革の着実な取り組み等によりまして、一般会計で対前年度比1.7%、約115億円減の6,487億円となっているところであります。
 また、先月の要求発表の段階から2.6億円程度予算規模が増額されておりますが、その内容は、私立高等学校納付金減免制度を拡充いたしまして、家庭の経済的事情にかかわらず自由な学校選択ができるようにしたほか、中山間地域等に対する24時間定期巡回サービス等の介護報酬に対しまして、全国に先駆けて県独自に上乗せをする事業などを追加をしたということであります。
 次に、5ページをご覧をいただきたいと存じます。
 「第3次おかやま夢づくりプラン」につきましては、県民の皆様からの多くの御意見をいただきまして、昨年末議決をいただいたところでありますが、24年度は、「県民の命を守る防災緊急対策」など初年度にふさわしい施策を重点的に推進をすることといたしまして、4つの基本戦略と2つのプロジェクトにつきまして、一番右下でありますが、65事業、約95億円の重点事業を含め、総額1,353億円の予算を計上しております。個別の事業につきましては後ほど御説明を申し上げます。
 6ページをご覧をいただきたいと存じます。
 昨年末決定されました国の地方財政対策の本県への影響についてでありますが、法人関係税の増により県税等が63億円の増となる一方で、地方交付税等は20億円の減となり、地方一般財源総額では43億円の増となったところであります。上の欄にその旨記述をしております。
 しかしながら、税源移譲等による影響を除きますと、交付税ショック前の15年度の水準には回復をしていないところであります。
 次に、7ページをご覧をいただきたいと思います。
 社会保障関係費の推移でありますが、15年度からの10年間に一般財源ベースで400億円以上の増加、24年度を見てみましても、前年度から52億円の大幅な増となっておりまして、先ほどのページで一般財源総額を43億円増と申し上げたんですけれども、社会保障関係費は52億円の増と、このようになっておりまして、地方一般財源総額の増額幅を上回るなど、本県財政を大きく圧迫している要因となっております。
 次に、8ページからは財政構造改革プランの策定状況等をお示しをいたしております。
 9ページ、そしてこれに関連し10ページもご覧をいただきたいと思います。
 改革プランに掲げられました取り組みの状況であります。
 効果額目標、これは左側、396億円でありましたが、これに対し最終的には、右側、378億円、達成率は95.5%と、ほぼ改革プランに掲げた取り組みの目標を達成できる見通しとなっているところであります。
 なお、定数削減等一部の取り組みにつきましては、効果があらわれる年限が25年度以降となったところでありまして、このほか「+α」といたしまして、引き続き県税収入率の向上や歳出の適正化に努めてまいる所存であります。
 10ページでございますけれども、年度ごとの効果額の推移をお示しをしているところでありますが、24年度当初予算までの効果額の実績は337億円、達成率は85.1%となったところでありまして、引き続き取り組みを続けてまいりますが、全体といたしましては、その右にありますとおり95.5%と、先ほど御説明申し上げましたが、行政経費の削減など歳出面で目標を達成できておりますものの、歳入面では効果額は目標に達しないという状況でありまして、全体としては、ほぼ改革プランに掲げられました取り組みの目標を達成できる見通しと、このようなことと相なっております。
 次に、11ページから14ページまででありますが、それぞれの項目ごとの取り組みの、個別の取り組みの内容と実績とをお示しをしているものであります。
 まず最初に、「人件費・内部管理経費の縮減」でありますが、「定数削減」につきましては、退職者数の減少や定年延長の動向等によりまして目標達成年度が25年度から27年度となっておりますけれども、最終的な3,600人体制の構築に向けまして引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
 定数削減以外の取り組みにつきましては、24年度までに目標を達成をいたしまして、特に「公債費の縮減」では、一層の資金調達の多様化等によりまして利払い負担の軽減に努めました結果、目標を5億円上回ったところであります。
 次に、12ページ、13ページの「歳入の確保」につきましてでありますが、自動販売機に対する納付金制度の導入等の「県有財産の有効活用等」、職員公舎使用料の引き上げや県有施設駐車場の有料化等の「使用料の適正化」を初めといたしまして、あらゆる歳入確保に全力で取り組んでまいったところでありますが、効果額目標140億円に対しまして、最終的な効果見込みは110億円にとどまる、右上でございますが、そのような見通しであります。
 特に、13ページをご覧いただきたいんですが、「県税の収入率の向上」につきましては、改革プラン策定後の世界的な景気後退や歴史的な円高などの社会経済情勢の変化によりまして、全国的な収入率の低下や税収の大幅な減少などの要因が重なりまして、収入率を98.0%以上に引き上げる目標は達成できていない状況となっているところであります。
 一方で、滞納整理推進機構の設置など徴収体制の強化に取り組み、効果も上がってきているところでありまして、引き続き税収確保等の歳入確保対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
 14ページの「行政経費の削減」につきましては、すべての項目で目標を達成をしたところでありまして、特に「一般施策等の削減」につきましては、歳入確保等の達成状況も踏まえまして、さらなる選択と集中を徹底をすることによりまして、削減効果額見込みを7億円上積みをしたところであります。
 15ページには臨時的な財源を確保するための取り組みを上げておりまして、この間に特定目的基金の統廃合や特別会計の見直し等に取り組みました結果、総額約90億円の財源を捻出いたしまして、財政調整基金への積み立てなど安定的な財政基盤の確立のために活用をしたところであります。
 16ページをご覧をいただきますと、厳しい財政運営の中で臨時的歳入対策として実施せざるを得なかった特定目的基金や企業会計からの借り入れについての状況をお示しをしております。
 23年度末には、20年度のところにありますように、最大288億円ありました特定目的基金からの借り入れ、これは解消する見通しでありまして、全体の残高もピーク時から330億円以上、約81%減と大幅に縮減をし、健全な財務体質の構築に向けて大きく前進をしたところでありまして、これも改革の大きな成果であると考えております。
 以上が24年度当初予算までの財政構造改革の達成状況及び最終的な取り組みの効果額見込みでありますが、一部の取り組みは今後も続きますものの、全体といたしまして目標をおおむね達成できる見通しでありまして、大きな成果を上げることができたものと、このように認識をいたしております。今後ともこの改革の成果を維持していかなければならないと、このような思いを強くしているところであります。
 次に、17ページをご覧をいただきまして、24年度当初予算における収支の状況等について御説明を申し上げます。
 24年度収支は、歳入歳出が均衡いたしまして、23年度に引き続き2年連続で収支不足は生じない見通しとなったところであります。
 一方で、昨年8月に公表いたしました収支見通しでは、24年度の収支は35億円のプラスになるものと、このように見込んでいたところでありますが、先ほどから御説明申し上げましたように、財政構造改革プランの効果額目標と達成効果額との差額や社会保障関係費の増の影響などから、追加の歳出削減等に努めましたものの、収支は悪化しているところであります。また、独自の給与カットなどの緊急避難的な対策は継続しているところでありまして、本県財政は依然として厳しい状況にあるものと認識をしております。
 18ページ、19ページをご覧をいただきたいと思います。
 今後の収支見通しと向こう10年間の粗い長期試算をお示ししております。
 19ページの前提条件に書いてありますとおり、今回の試算では、財政構造改革プランの達成状況等を反映をしたものとなっておりまして、社会保障関係費につきましては、年末に決着をいたしました子どものための手当等の制度改正を盛り込んだほか、歳入につきましては、県税収入を24年度当初予算をベースにいたしまして、国が公表している名目経済成長率を用いて計算をしているところであります。
 18ページのグラフをご覧をいただきますと、改革前と比べまして、改革前は下の青い折れ線でありますが、改革前と比べまして収支は大幅に改善をしておりまして、25年度から28年度の間の収支不足額は60億円から80億円台となる見通しでありますが、この間は、右の枠で囲っておりますところに記述しておりますとおり、活用可能な基金の取り崩し等で対応できるものと考えております。改革プラン策定時の平均400億円の収支不足という危機的な財政状況からは脱却できる見通しが立ちつつあるものと認識をしているものであります。
 29年度以降をご覧をいただきますと、それにつきまして比較的安定的に推移するということが見込まれているところでありますが、現在国において検討されております消費税の制度設計等によりましては今後の収支見込みにも一定の影響が考えられますことから、議論の動向を注視してまいりたいと思います。
 20ページ以降には、参考としてお示しをしておりますが、まず県債残高につきましては、臨時財政対策債を除くと減少を続ける見込みとなっております。
 21ページに移りますと、実質公債費率につきましても、起債の許可が必要となる基準を下回って安定的に推移する見込みとなっておりますことに加えまして、全国的な順位も、そこに記述しておりますとおり、19年度に43位でありましたものが23年度には23位と、大幅に改善をいたしております。
 23ページをご覧をいただきますと、社会保障関係費の将来推計をお示しをしているところでありますが、今後も20億円から30億円程度の伸びが見込まれておりまして、国において歳入歳出の一体改革が必要不可欠なものと認識をしているところであります。
 次に、32ページをご覧いただきたいと思います。
 ここからは夢づくりプランの基本戦略等に沿いまして、来年度の主な事業を記載しておりますけれども、時間の都合上、新規事業を中心に主な事業をピックアップをして御説明申し上げます。
 まず、「安全・安心な地域づくり」でありますが、32ページの「地震・津波緊急対策事業」、これは東海・東南海・南海の3連動地震への各種対策を実施し、県全体の防災力の強化を図ろうとするものであります。
 34ページの「県立学校の耐震化の推進」につきましては、私が完了期限を29年度からこれを27年度末までに前倒しを指示いたしましたことを踏まえまして、今年度の補正予算に前倒しをしたものを含めますと、約34億円の予算計上と、このようになっております。
 37ページでございますが、「新生児マス・スクリーニング強化事業」、これは新生児の先天性疾患の早期発見、治療につなげるものであります。
 39ページには、先ほど御説明申し上げました私自身の査定の項目であります「中山間地域等における在宅医療・介護の推進」が記載されております。
 42ページの「将来を担う人づくり」でありますけれども、「特別支援学校施設の整備」におきましては、県北部の特別支援教育の充実のために、私の査定によりまして誕生寺支援学校弓削校舎を整備する予算を追加で計上しております。
 44ページは、「学校におけるグローバル人材の育成」、英語教育の充実や生徒の留学促進などを図るものであります。また、「岡山発!グローバル人材育成事業」では外国人と英語を実際に使う異文化体験ができるイベントを開催しようとするものであります。世界に羽ばたくグローバル人材の育成等を推進をいたします。
 45ページでございます。「落ちついた学習環境の実現」につきましては、喫緊の課題となっております教育現場における荒れ対策といたしまして、スクールソーシャルワーカーの配置につきまして、私の査定によって増額をいたしております。
 47ページであります。「発展につながる産業づくり」の分野でありますが、まず「東アジア総合プロモーション推進事業」はアジアや世界に向けた産業グローバル戦略を推進しようとするものであります。
 48ページでございますが、「国際バルク戦略港湾推進事業」、こういったことにも取り組むこととしております。
 49ページ、「おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクト」といたしまして、昨年度に引き続きまして岡山モデルEVの製作等に取り組みますほか、「ライフイノベーション推進プロジェクト」によりましてロボットスーツHALの改良や周辺機器を開発しようとするものであります。ものづくり産業の技術革新を推進してまいります。
 52ページをご覧をいただきまして、「儲かる次世代フルーツ等果樹産地育成対策」、これは「岡山モデル」事業といたしまして次世代フルーツの生産拡大等に取り組むものであります。
 53ページは、「有害獣捕獲強化緊急対策事業」によりまして農林水産被害の軽減を図ることとしております。
 55ページからは、4番目の戦略であります「豊かで潤いのある暮らしづくり」の分野でありますが、まず「岡山芸術回廊」につきましては、街をめぐる人々が芸術文化を感じ親しむことができる芸術回廊の事業を実施するものであります。
 56ページは、「スポーツ岡山情報発信!スポーツ合宿による交流の郷推進事業」では、昨年大活躍をしました、なでしこジャパンのロンドンオリンピック事前合宿を誘致いたしますとともに、美作ラグビー・サッカー場の機能強化を図ろうとするものであります。
 「チーム岡山次世代指導者養成事業」では、「アスリート雇用研究プロジェクト」を私の査定によって追加をし、将来を見据えた指導者の養成等を推進をしてまいります。
 60ページからは、「基本戦略横断プロジェクト」でありますが、「中山間地域等活力創出支援事業」を引き続き実施いたしまして、ソフト・ハード両面から中山間地域等の活性化に総合的に取り組みます。
 61ページの「太陽光・小水力発電の地産拡大促進事業」によりまして新エネルギーの普及拡大を図ってまいります。
 62、63ページは、経済・雇用対策の推進のための予算を計上し、総額698億円の予算を計上しておりますが、今後とも切れ目のない経済・雇用対策に取り組むことによって、地域における経済の下支えと雇用創出が図られますよう、引き続き全力を尽くしてまいります。
 24年度当初予算案の概要は以上であります。
 全体といたしましてでありますが、2年連続で収支不足が生じない予算が編成できたところでありますが、今後消費税の議論や社会保障関係費の増など不透明な点もありまして、国に対し社会保障関係費の増大に対応した一般財源総額の確保や社会保障と税の一体改革の推進を強く求めながら、県といたしましても歳入確保を初めとした財政健全化のためのあらゆる方策に取り組んでまいりたいと存じます。
 また、「第3次おかやま夢づくりプラン」につきましては、64ページに「岡山モデル」に関する事業、それを取りまとめてお示しをしておりますが、選択と集中による政策の大胆な重点化を図ることで、初年度にふさわしい、岡山らしさあふれる先進的な政策を数多く盛り込むことができたものと、このように考えております。今後は、これらの政策を強力に推進することによりまして、本県の将来の成長、発展につなげまして、「暮らしやすさ日本一」の岡山の実現に向けて邁進をしてまいりたいと、このように考えております。
 以上のことから、来年度の予算のネーミングにつきましては、この表紙にございますとおり、「『暮らしやすさ日本一』の岡山への邁進予算」、このように名づけさせていただきたいと思います。

質疑応答

記者)
 財政構造改革プランの成果とそれを踏まえて平成24年度当初予算編成でどういった点を重視したのか、知事の所見をお願いします。

知事)
 本県におきましては、4年前、財政再生団体転落の危機がある中で、これを回避していこうということで財政構造改革プラン、4カ年の計画をつくって、今日まで血のにじむような努力を行ってきたところでございます。この間、協力いただきました皆様方に改めて感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、財政構造改革プランの来年度予算までの達成状況と、これから若干取り組みが伸びますものも加えまして、全体としてこのプランに掲げられました取り組み、この状況の達成見込みにつきましては、95.5%という数値となる見込みでありまして、おおむね目標を達成することができたと言えるかと思います。これにつきましては、大きな成果をもたらすことができたと思います。
 そして、その上で、来年度の予算につきましては、新しい第3次夢づくりプランもスタートいたしますので、このプランに掲げました初年度にふさわしい岡山モデルといったようなものも選択と集中の観点から、めり張りをつけて数多く盛り込むことができたと考えておりますので、最終年度であります構造改革プランの最終的な取り組み、新しい夢づくりプランの初年度と、その両方を両立させていくという観点からは、まずまず、目標としておりましたいい形の予算ができ上がったものと受けとめております。

記者)
 新年度予算編成において、力を入れた分野を改めてお示しいただき、予算編成に点数をつけるとしたら何点だとお考えでしょうか。

知事)
 そうですね。来年度の予算の中で私が力を入れたものという御質問でございますが、実は先ほど私がページをめくりながら紹介をさせていただきました項目ということに尽きるんですけれども、先ほど申し上げました岡山モデルですね、岡山らしさあふれる先進的な政策というものを数多く盛り込んでいきたいという思いが今回の予算の中にあらわれていると思っておりまして、防災関係でも、津波対策とか避難の対策とか、そういう面におきまして、学校耐震化、さらには福祉避難所の整備の推進、そして人づくりの面では、やはり今の学校が非常に荒れておりますから、その対策を県民運動として推進していきたいという関連の対策ですよね。そして、グローバル人材の育成、これは知事部局と教育委員会部局両方であります。こういったものとかですね、産業面では、いろいろ新しいものということで、ロボットスーツHALもあればですね、新エネルギービジョンに基づいた対策であるとか、こういったところに力を入れたわけでございます。また、美作サッカー・ラグビー場の改修を通じましてスポーツの合宿の郷を目指していきたいといったような、こういったところに特に力を注いできたという感じでございます。
 全体の点数はどうかという御質問でございます。先ほど御質問がありましたので申し上げたとおりでありまして、構造改革最終年度ですから、しっかりと改革をしていかなきゃいけないという中で、95%を超える目標達成と、一方で2年連続の収支不足は生じないというプラス面、それから初年度にふさわしい、その第3次プランにつきましては数多く政策を盛り込んで、選択と集中という方向性を打ち出すことができたという、こういうプラス面はあるんですけれども、一方で大変厳しい、職員の皆さんに給与カットをお願いして、これを最終年度ということで継続をしておりますということと、それから社会保障関係費の増といった点が楽観できる状況ではまだないといったようなことから、全体として評価をいたしますれば、私自身の自己採点は90点ぐらいかなと考えております。
 昨年度は、ちなみに85点程度かなと申し上げたんですが、それよりはやや財政状況の見通しが立ちつつあるといったことからこういった点になるのかなと思います。

記者)
 財政構造改革プランの達成状況について、最終年度の24年度までの状況について、知事の見解をお聞かせください。

知事)
 行革大綱で定められております推進期間は、これはあくまでも定数削減が25年度なんですね、その他が24年度となっております。定数削減はそもそも1年先ということになります。この期間を変更するものではございません。
 この効果額をどのように算定するかということでございますけども、例えば今議会に提案させていただく予定でございますが、個人県民税の均等割の超過課税、これは東日本大震災関連の復興関係ということで、各地域の防災対策関連事業を推進するということで条例をお願いしようと思いますが、こういったものは、今回議会で成立をして、今年度成立をしても、この効果があらわれるのは26年度になるんですね。ですから、取り組みは今年度やるんですけれども、効果がこの2年先から出てくるといったもの、こういったようなこともありますので、もろもろ考えて、そして先ほど申し上げたようなこともございますので、達成率、効果額378億円、達成率は95.5%と、このように見込んだところであります。
 なお、定数削減は2年ほど取り組みが延びるところでございますが、先ほど申し上げましたとおり、退職者数が減少し、あるいは定年延長の動きが国があって、これは地方公務員にも出てまいりますから、1年間定年退職者が出ないという年が含まれることになったといったようなこともございまして、歳入確保の取り組みは社会経済情勢、景気の動向にも左右されます。そういったことから、推進期間終了後も引き続き取り組むということを明確にしなければならないと考えまして、先ほど開催いたしました政策推進会議におきましてその旨を確認をしたということでございまして、これに沿って全力で引き続き取り組んで、目標達成に向けて全力を挙げて対応していきたいと思っております。

記者)
 第3次おかやま夢づくりプランにおいて、岡山らしさあふれる先進的な政策を「岡山モデル」として展開し、この度、予算化されておられますが、「岡山モデル」への知事の思いをお聞かせください。 

知事)
 これは、岡山モデルについての御質問は、第3次プランをつくり上げたときに、議会でも大いに議論しながらプランという計画をつくり上げたという経緯がございます。そして、それに基づいたものを64ページに掲示をさせていただいているところでありますが、地震・津波対策でも、例えば人的被害をゼロにするということを明確に打ち出しているということ、こういったところが他とは違い先進的な取り組みということが言えようかと思いますし、理数系科目の授業を全部英語で実施をしていくといったようなことは一つの他にない取り組みということも言えようかと思っております。電気自動車の次世代自動車の技術研究も、県が先導して、関係の企業に集まってもらって、試作車を来年度は完成させて、そして実際これを走行して、課題があればその次の年に改良して、これを部品メーカーとして、技術として蓄積をしてもらうといったようなこと。岡山の儲かる次世代フルーツも、他にはないと思います。これだけのすばらしい技術を持って、「おかやま夢白桃」「オーロラブラック」「シャインマスカット」「紫苑」、こういったものが目標より、ほぼ170ヘクタールから300ヘクタール、倍増近く増やしていくというようなことなど、全国から飛び抜けたというんではないんですが、それなりの、岡山というこういう地域性、そしてその中における優位性、特性というものを踏まえた岡山らしい、それを伸ばしていくという対策に力を入れたということで御理解をいただきますればと思います。

記者)
 社会保障関係費が、地方への負担増もあり大幅に増加しているが、知事として今後どの様に対応していくお考えでしょうか。 

知事)
 先ほど御説明申し上げましたとおり、長期的な推移ということを計算してお示しいたしましたが、社会保障関係費は毎年20億とか30億レベルで増加をしていくんですね。これは高齢化が進展していく中で、また一方少子化対策もしっかりやっていかなきゃいけないといったもろもろの社会保障が入ってるということなんですけれども。これは、例えば今始まっております議論、社会保障と税の一体改革、それで私ども岡山県で、仮に10%上がった場合、岡山県の税収増が、地方消費税、どれだけあるかということを試算すると、あくまでも大ざっぱですが、約50億円程度の増要因でありまして、だとするともう本当に数年で、10%に消費税が上がったとしても、当然増の社会保障関係費の増によって取られてしまうぐらいの、国と地方通じまして、国もそうですけれども、構造的な問題を抱えているということだろうと思います。
 したがって、もちろん我々も必死の思いで引き続きこういう改革をしてまいりましたが、この改革の成果を、引き続き維持していくという基本的な改革マインドを持ち続けるということが大事だと思います。
 そして、その上で、やはりこういう大きな数字は地方の行政改革だけでは到底賄い切れません。ですから、社会保障と税の一体改革、地方の財政を預かる立場から、もう待ったなしの課題になっております、こう思っておりますと同時に、もっと社会保障自体も、これだけの増要因になっておりますから、制度そのものにしっかりと、今のままでいいのかと、もっと節減の余地はないのかといったことを、制度改正も含めた思い切った抜本的な改革というものもあわせて国民的な議論を展開をしていただきたいと考えております。

記者)
 今後の収支見通しについて、前回8月の見通しから下方修正されている点と25年度以降も収支不足が生じる見通しとなっている点について、知事の所見をお聞かせください。 

知事)
 当初見込んでおりました長期的なその収支の見通しと比べましても、また直近お示ししました長期見通しと比べましても、今回、今後の収支見通しが、粗い長期試算ではございますけれども、かなり悪化してしまったということ、これは先ほどから御説明しておりますとおり、国のほうの社会保障に関係する、例えば、子どものための手当等の制度改正や地方財政対策が行われた後の制度改正といったことで追加の地方負担ということになった、あるいは社会保障の当然増、あるいは世界の景気低迷が、あるいは我が国の円高という、超円高という事態における経済的な厳しい局面、いろんな諸要因が重なっているかと思うんです。こういう面におきまして、私どもも大変な努力をしてまいりまして、持続可能な財政運営を目指すという観点からは、そういったある程度の外的要因があっても、持続的な財政運営を目指したいということで取り組んでまいりましたのが今回の財政構造改革プランの取り組みであります。
 そういう面では、今後数年間、60億円から80億円台での不足が毎年生じることがありますが、これらはしかし、今現在基金のほうが、特定目的基金、全部これを返済しまして余裕が出てまいりまして、これがそこにございますとおり150億円あり、財調基金も50億積んでおりますから200億円の基金もあり、それから毎年毎年、決算で数十億円、予算の効率的な執行といったこともあって出てまいります。この活用といったことも含めまして対応していけばこの危機的な状況をしのぐことができると思いますのと、それから消費税が、そういったことで議論がどうなるかでありますが、仮に消費税あるいは地方消費税の引き上げということになりますれば、それによってこの数字もいい方向に改善していくだろうと。あるいは、国のほうでは成長戦略に基づいてしっかりと日本経済を浮揚させるという政権の方針がありますから、それがなし遂げられれば、さらにこのマイナスになっとる数値が上方のほうにずれてきますといったようなこともあります。
 しかし、いずれにいたしましても、不確定、不透明な要因がありますので、あらゆる財政健全化に向けた対策は引き続きやっていかなければいけないと思います。

記者)
 水島での海底トンネル事故について、現時点での県の対応方針をお聞かせください。

知事)
 県として今取り組んでおりますのが水島総合特区構想の推進ということでありまして、もちろんその中でJXさんは非常に重要な連携の取り組みを進めておられる企業の一つでございます。
 この特区構想では、コンビナート全体をバーチャル・ワン・カンパニーとしての構想のもと高度に連携をする、そして高効率な生産体制を構築していくと、こういうことを目的としているわけであります。したがって、こういう見地からいたしますと、この海底トンネル工事も水島コンビナートの今後の国際競争力の強化に向けて必要な事業であると、こう認識をしておりますので、そういった立場から、安全には十分配慮しながら引き続き取り組んでいかなければならない構想であると、こう考えております。
 ただ、今のような状況でございますから、まずは徹底的な事故原因の究明あるいは再発防止策の検討、こういったことをしっかりやっていただきたいと、こう考えております。

記者)
 財政構造改革プランにおける「歳入の確保」について、「県税の収入率の向上」目標達成できないとのお話しでしたが、この点について知事の所見をお願いします。

知事)
 この点、13ページの資料で若干御説明をさせていただいたところでありますが、歳入確保について、特に大きな要素を占めておりますのは県税の収入率の向上を全国トップクラスの98.0%以上に持っていくという目標でありました。これについては、その表にございますとおり、全国平均の収入率が全国的に低下しているといったこともございまして、97.2%、平成20年当時であったものが、現在は96.0%、1.2ポイント低下してきているという全国的な状況でございます。
 その中で本県は、下にございますとおり、97.3%であったものが平成23年の見込では97.1%、0.2ポイントの低下ということになっているところでございますが、これは個人県民税を除くところの数値、ただし岡山県として取り組むことが可能な分野につきましては全力で力を注いでまいりましたので相当数値が上がってきたということは言えますが、一方で個人県民税の割合が非常に増えてきておりますが、これは市町村が徴収主体ということであります。市町村に御尽力を賜らないとこの数値が上がらない。私も市町村長の皆さんが集まられる会議ではたびたびこのことを強く要請をしてきたところであります。御尽力、御努力をいただいてまいりましたものの、やはり社会経済情勢の変化、すなわち景気の動向が悪いと、どうしてもこの数値は上がりにくいといったようなことも背景にあるようでございます。
 こういったことになったということは我々にとっても残念に思っているとこでございますが、しかし今後の景気の動向といったことも踏まえながらも、全力で、例えば滞納整理推進機構、これを活用していただきますれば相当程度数値が上がりますので、市町村長の皆さんにさらにそういったことも含めて徴収率の向上についての御尽力方、引き続き強く要請をして、この数値を少しでも上げるように努力をしてまいりたいと思います。

記者)
 新たな財源として実施することとした「超過課税」については、現在、どうなっているのでしょうか。

知事)
 超過課税につきましての御質問であります。これ、事務的に研究は、他県の例等続けてきているところでありますけれども、国において、先ほど申し上げました復興増税を実施するということになりましたし、また消費税引き上げについての議論が本格化してきております。長期化する円高の影響、これが景気に悪影響を及ぼす、こういったようなことなど、社会経済情勢、こういったことを総合的に勘案いたしました結果、現時点におきまして県独自の超過課税を実施するという環境にはないものと、このように判断をしたところであります。
 先ほど申し上げました復興増税にあわせて、防災対策費用の財源とするための個人県民税均等割にかかわる標準税率、これ500円引き上げということになりますれば、26年度から10年間、その効果額は年間4.3億円見込まれるということでございまして、この点は歳入確保対策の効果額にも計上をいたしております。

記者)
 昨日、知事選への立候補表明がありましたが、現時点での知事選に向けてのお考えと、2月議会で何らかの表明をするお考えがあるのか、2点お聞かせください。

知事)
 昨日表明されました一井さんは、県議会時代の質問者等を通じて、あるいは民主党の役員というお立場もございました、その関係からもよく存じ上げている方でございます。
 私自身のこれからの方針、これらの態度表明につきましては、しかるべきときに適切な時期を見てお話をさせていただきたいと、この方針に何ら変わるものではありません。