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2023年12月8日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0891125 2023年12月8日更新公聴広報課
会見写真

令和5年度11月補正予算案(経済対策分)の概要について

 本日は、国の経済対策に呼応した、令和5年度11月補正予算案・経済対策分を取りまとめましたので、その概要について、ご説明いたします。
 「1 予算編成のねらい」であります。
 先月閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に呼応いたしまして、LPガスを使用する家庭等の負担軽減、物価高騰の影響を受ける医療機関等への支援などの重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策ですとか、防災・減災、国土強靱化をさらに進めるための補助公共事業などについて、補正予算案をとりまとめたところでございます。
 「2 補正予算額」でございますが、301億9,864万円となっております。
 「3 事業概要」についてでありますが、国の経済対策の柱に沿って御説明をいたします。
 まず、「物価高から生活を守る」であります。
 料金が引き続き高止まりしているLPガスについて、家庭等の負担軽減を再び実施いたします。また、医療機関や介護施設等においても光熱費等の負担が増大しており、高騰分の一部をさらに支援するとともに、医療機関に対し食材料費の高騰分も支援することにいたします。さらに、回復が遅れている団体旅行の需要を喚起するため、貸切バスを利用した県内宿泊旅行の助成等を実施し、物価高騰の影響を受けている観光産業を支援いたします。
 次に、「持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する」でございます。
 医療機関で働く看護補助者の方々ですとか、介護・障害福祉の現場で働く職員の方々の収入を引き上げるための国の施策に呼応した支援等を実施いたします。
 次に、「成長力の強化・高度化に資する投資を促進する」でございます。
 物価高騰の影響を受けている中小企業等に対しまして、デジタル技術の活用ですとか、エネルギー効率の向上、また新事業展開など生産性の向上に向けた取組を支援いたします。
 次に、「人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する」でございます。
 県立高校等におきまして、デジタル分野等の成長分野を支える人材育成のために必要となる環境を整備いたしますとともに、GIGAスクール構想の推進のため、県立学校の安定したネットワーク環境確保のための調査を実施いたします。
 そして最後に、「国土強靱化、防災・減災など安全・安心を確保する」であります。 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」による流域治水の推進等の補助公共事業に取り組んでまいります。
 補正予算案の概要は以上でございますが、今回取りまとめた対策を着実に実施し、県民生活や県内経済をしっかりと支えてまいります。
私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 あらためて物価高騰対策などを打ち出されたわけですけれども、県民生活の実感がどういうふうなところなのかというのを含めて、補正予算に込めた思いをお聞かせください。

知事)
 物価高騰、県民の生活を直撃いたしております。せっかくコロナが落ち着いて、回り始めている県内経済の成長を鈍らせているというのが実態でございます。経済対策については、永遠に続けるわけにはいかないわけですけれども、とにかくショックを和らげる。時間を買って、その間に我々自身が生活の中で、よりエネルギーを使わない生活をする。生産現場では、今高騰している資源、これが電力であったり、ガスであったり、そういったものを節約しながら、同じような製品を作っていく、そういう工夫をするための時間を差し上げるためのものだと私は理解をしています。国の方で、大型の補正予算を組んでいただきまして、それを活用しまして、ぜひ県民の皆さんに、この厳しい冬を乗り越えるための支援をしたいと思っています。

記者)
 先ほど言われたように、コロナ禍から明けたところに物価高が直撃しているということです。今回の予算にも含まれていますけども、物価高対策、支援をしつつ、その中でいかに県内の経済ですとか産業を発展させるためには、知事は今どのようにお考えでしょうか。

知事)
 とにかく、経済学を学んでいるときに、最初の頃に習うのが、「ショック」というのはどうやっても良いことにはならないと。これは、我々の生活を考えても当たり前なのですけれども、ある一定の暮らしに慣れていて、例えば北海道は、雪がどんと降るということで、それに対応した家づくりとか、生活様式を持っています。沖縄だと台風を想定した家づくりとか、いろんなことをしている。対応したもの、対応した脅威が来るのは何とかなるのです。でも、そうではないものが来ると、本当にいろいろ大変だと。我々、物価高騰に対してあまり準備ができている状態ではなかったところに、このようなことが来ている。我々はそれに適応しなければいけないわけですけれども、そういったものはすぐにできるわけではありません。準備ができないままに、どんどん家計で言えば赤字が積み上がっていったり、企業であっても損失が積み上がる。これはなかなか対応が厳しいところでありまして、いろいろな価格、電気ですとか、ガソリンですとか、そういったものが急上昇する幅を、上がり方を緩やかにするとか、ある一定期間水準を緩和する、その期間をうまく使って、いかに新たな現実に、自分たちの生活や会社のいろいろな仕組みを整えていくか、これが大事だと思っています。価格が安くなったから、これまでと同じ暮らし、同じ生活パターン、生産パターンを続けていると、いつかこういった国からの支援がなくなったときに、1年遅れで、もしくは2年遅れで大慌てですることになりますので、ぜひこの時間を有効に使って、例えば断熱を工夫するとか、暖房冷房のやり方を工夫するとか、レジャーのやり方を見直すとか、私がお勧めしたいのは、これまで当たり前のように車を使っていたけれども、実は公共交通、意外と便利なのだなと。事故の心配とか、お酒を飲む、飲まないみたいな心配をしなくて済むのだよなとか、ちょっと歩くだとか、自転車ですとか、いろいろな形でエネルギーを使わないで、自分たちの健康にも資することができる、いろいろなちょっとした工夫というものを、いろいろな場面で考えていただければなと思っています。

記者)
 今回の補正予算にかける知事の覚悟や意気込み、知事のお気持ちを一言でまとめていただけると嬉しいです。

知事)
 一生懸命取り組みたいと思っています。せっかく国が、岡山県でこれだけのことをやっていいよ、頑張れというふうに補正予算を決めていただきました。それをしっかり使って、県民の皆さんの生活と県内の産業を守っていきたいと思っています。

記者)
 どの施策もものすごく大事だとは思うのですけれども、その上であえて挙げるとするならば、これは重視したいというものはありますか。

知事)
 国の方で大体メニューを決めて補正予算を組んでいるわけですので、各県で大幅にメニューが違うということではありません。それは、実は全国知事会で、我々自身が要請した内容でもありまして、例えばこの県は予算の8割をガスの方に入れました、別の県は予算の7割を全然違う油の方に入れました、みたいなことになると、競争条件を非常に歪めてしまうということがあるので、極力、限られた予算であれば、全国一律になるような形で国自身が実施をするのか、それともある種のガイドラインを決めて、地方に配分してほしい。その上で、北海道と沖縄でずいぶん対応が違うでしょうから、そういった裁量の余地も残してほしいというお願いをしたことに沿っていると、私は理解しています。その中で、私自身非常に気掛かり、気を付けているのが、県の独自事業の中で、中小企業等が生産性向上に向けて取り組むエネルギー効率化、新事業展開の支援ということであります。先ほども言いましたけれども、今いろいろな価格の急上昇に対して、その悪影響を抑えるための給付ですとか、工夫をしていますけれども、これを永遠に続けるというのは、ほぼ不可能です。どこかで財政面で不可能になってきますので、ぜひ、この時間を使ってエネルギーを、これまでのように使わずに過ごせるようなやり方ですとか、家で言えば断熱だったり、エアコンの使い方の工夫ですとか。最近、エアコンを買い換える、結構10年経っても使えはするのですけれども、10年経ったエアコンというのは、この10年でものすごく技術進歩をしていますので、買い換えることによってずいぶん節電になって、その節電分で、結構早く新しいエアコンの代金がまかなえるということをよく言われるようになりましたけれども、節電ですとか、ガスの節約ですとか、そういったことを後押しできるようにしたいと思っています。

記者)
 ちょっと細かいかもしれないのですけれど、貸切バスを利用した県内宿泊旅行の助成で、団体旅行を喚起したいということだったのですが、想定として、どういった方に使ってほしいでしょうか。海外の方とか県外の方とか、いろいろあると思うのですが、お聞かせください。

知事)
 本当に限られた独自予算分を使って選んだ事業なのですけれども、個人旅行、それから団体旅行等々いろいろあるわけですけども、団体旅行の戻りが遅いというのは、ちょっと気になっているところでありまして、貸切バスというのは、旅行の形態とすれば、私というか、我々、もしくは観光関係の皆さんとしても悪くない形態なんだよなと。というのが、私もやりますけれども、家族で車で行くのも全然悪くないのですよ、すごく楽だし。ただ、行き帰りの運転に責任を持つわけですから、行きのときならまだしも、帰りも運転しようと思ったら、そこでは絶対お酒なんて飲んではいけないし、あまり疲れて帰ってくると、これは本当に、事故になると人の命が関わってくるわけですから、ある程度の緊張感は最後まで保つというのは当たり前ですけれども、貸切バスというのは、移動についてはプロの運転手さんがしっかり頑張ってくれるわけですから、その間も参加者は、そういうことを気にせずにワイワイ、行き帰りも含めて、気兼ねなく楽しむことができるわけであります。こういったことをちょっと見直してもらうのも悪くないよ、というきっかけになればとのことです。コロナで一旦旅行者が低調になったときに、もう一回旅行形態を見直し、それでも、これは我々の今の旅行形態ではないよと言われれば、そうなのかもしれませんけれども、そういうことでちょっとやってみようということです。観光というのが、本当にいろいろ良い波及効果をもたらすと思っているんですけれども、いろいろなきっかけづくり、起爆剤というのは、定期的にいろいろな形で投げていきたいなと思っています。

記者)
 どこに対してとかではなくて、全部ということでしょうか。

知事)
 我々、そこが県外の方だろうが県内の方だろうが、外国の方だろうがです。外国の方の貸切バスというのがどれぐらいあるのかわかりませんけれども、そこは我々、特に固執していなくて、県内に素晴らしい観光地がいっぱいあるから、ちょっと試してねという、その思いの方がずっと強いです。

司会)
 それではこれをもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見