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2017年4月6日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0511398 2017年4月7日更新公聴広報課
会見写真

新年度にあたって

 おはようございます。
 私からは、2項目、お話をさせていただきます。
 まず、新年度にあたり、この1年に懸ける私の思いについてお話しさせていただきます。
 新たな県政推進の羅針盤である「新晴れの国おかやま生き活きプラン」がスタートいたしました。
 前プランの下で、蒔いてきた種が芽吹き、本県発展に向けた好循環の流れは加速しはじめており、新プランは、この流れをさらに大きく確かなものとするための羅針盤となるものです。
 県政の基本目標である、すべての県民が明るい笑顔で暮らす「生き活き岡山」の実現に向け、新プランに掲げる施策や新たなチャレンジに、県民の皆様をはじめ、市町村、企業など多様な主体と連携し、県民力を結集して全力で取り組みます。県民の皆様に「岡山はよくなった、岡山に住んでいてよかった」と成果を実感していただける県政を力強く推し進めてまいりたいと存じます。
 県民の皆様におかれましては、プランの推進にご協力をいただきますようお願いいたします。

おかやまマラソンについて

 次に、おかやまマラソンについてであります。本年11月12日に第3回大会となる「おかやまマラソン2017」を開催しますが、開催の7か月前にあたる来週12日から、いよいよランナー募集が開始となります。
 今回は、スタジアムフィニッシュの醍醐味をより多くのランナーに味わっていただけるよう、ファンランのコースを変更するほか、子育て中のランナーにも参加いただきやすいよう、新たに託児サービスを計画するなど、大会のさらなる魅力向上を図ることとしております。
 先般、専門誌が主催する「全国ランニング大会100撰」に2年連続で選ばれるなど、全国のランナーから大変高い評価をいただいており、あらためまして、県民の皆様、関係の皆様のご理解、ご協力に深く感謝いたします。
 皆様に一層愛される大会となるよう、実行委員会を中心に着実に準備を進めてまいりますので、ぜひ幅広い皆様のご参加をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 ふるさと納税の返礼品の調達額の占める割合は3割以下にする、総務省のこの対策についての受けとめを教えてください。

知事)
 大変妥当な判断を示していただいたと考えております。私自身、ふるさと納税ができたとき、いやこれはいい考えだと思った人間の一人であります。ただこのふるさと納税、特に高額所得者にとっては、合法的な、これは節税といっていいのかなというような節税の手段を提供するとか、もしくはそれぞれの自治体がどんどんエスカレート合戦を引き起こすような構造になっています。それで、ほかの自治体に負けないようにどんどん、返礼品の中身を充実し、割合を増やしていく、もしくは換金性の高いものにしていくと、最終的には当初の思いと随分かけ離れた結果になってしまうということが、当初も予想されたわけですし、現にその方向で進んできてしまって、多くの人が心配をしていたわけであります。私自身、この素晴らしい制度を永続的に、ずっと安定的に存続してもらうためにも、ある程度の目安は必要であろうと考えておりましたので、それが3割なのか2割なのか4割なのか、これはいろいろお考えはあろうかと思います。
 とにかくもともとの趣旨というのは、返礼品目当てで寄附をしてもらうことではありませんよと、ほかの自治体よりもたくさん寄附をとってどうこうということではありませんよという、まず思いの確認、それからその目安としての3割ということが出たと。大変意義深いことであり、当然、岡山県とすれば守っていきたいと思います。
 また、県内市町村の皆さんには、是非この趣旨をきちんと理解して、このガイドラインに沿うように、我々のほうから働きかけてまいりたいと存じます。

記者)
 県も是非守っていく、市町村も徹底していくということなんですが、今の県と県内市町村、品目について、現況の御認識とそれを踏まえた対応と、具体的にあれば教えてください。

知事)
 昨年は、制度の趣旨を踏まえて換金性の高いものなどやめてくださいねという通知がありました。それについては県内市町村に通達をしたところであります。また、働きかけを行ってまいりました。今回の総務省からの通知についても、県内市町村に伝達をしたところでありまして、これからも適切に働きかけをしてまいりたいと思います。

記事)
 返礼割合について3割と、国が線引きすることに対してちょっといかがなものかという首長さんの御意見もあるようです。知事はどのようにお考えでしょうか。

知事)
 ボトムアップでやったほうがいいこと、トップダウンでやったことがいいこと、そもそもそういうガイドラインを決めずに自由に任せればいいことということがあるんですが、私はそのシステムの振る舞いについて調べるということがもう大好きなほうで、微分積分の流れですが。
 今回のシステムの特徴というのは、どんどんどんどんエスカレート、それぞれのパーティーというかそれぞれの自治体が、自分の利益になるように最適化をしていくと、結局のところ、ものすごい返礼品の率の高いところで張りついてしまうということでありますので、エクセルでそのシステムの最適化を何百回かぐるぐる回すとどこで落ちつくかという話です。そういうシステムになっている場合には、どこかでルール、線を引かないとみんなが困ってしまうと。これはジェム理論でよく研究されることであります。ですから、これは非常に合理的な数値だと私は感じております。そのシステムに参加するそれぞれのパーティー、一人ひとりの努力では全体の最適化ができないことは時々あります。それについては、みんなで合意する、もしくは何かルールーメーカーが指示をするということが、非常にうまく働く例の一つかなと思っています。

記者)
 苫田ダムの利水容量を保有する県広域水道企業団が、国から求められた治水転用を現時点では対応困難という決定をしましたが、これに対する受けとめをお伺いします。一方で苫田ダムの利水容量の4分の1は買い手がつかず、県が調整水量として引き受けている、これに対する考えはどうでしょうか。

知事)
 今回、転用困難と判断し、国に返答を申し上げた理由は、企業団の総意がとれなかったということでございます。
 もう一つは、河川整備計画。これは、中国地方で河川整備計画ができていないのが吉井川のみということでありまして、国からも是非計画をきちんと作るべきだと言われて、我々自身もそうだなと思っていました。企業団の合意を作るためにあと半年、1年かけてもなかなか、それぞれの皆さんの言い分がごもっともなところがありますので、これ以上時間をかけるのは結果的にいいことにならないということで、今、こういうお答えしかできませんとお返しさせていただきました。
 苫田ダム、その時点で、本当に水が足りなくなったら、特に県南、これはもう人が住むにあたって大変なことになる、せっかくポテンシャルのあるこの岡山県が、水を確保できない、水を確保するという決断ができなかったために、発展もしくは県民生活に支障が起きるのはよくないだろうと、長野知事以降、皆さんのその当時の御判断で強力に進めてきました。地元、今で言う鏡野町の皆様にも大変な御負担をおかけしながら、いろんな方に協力していただいて造ったものであります。
 残念ですが、その当時思っていたこととは随分違う状況になりまして、今、正直言って水は余っております。ただ、そこにはかなりすごい金額をかけました。いろいろな取り決め、回るようなプロジェクトだったら、普通に応益負担、得られるメリットに応じて負担をするということでかなりすっきりするわけですが、私自身が説明を聞いても、利益と負担がかなり面倒なことになっています。 その結果を受けて、今回せっかく国が5億円で買い取りますよとおっしゃっていただいたわけなんですが、それをすると多くの市町村にとって得にならないわけなんです。追加の負担とか、もしくは鏡野町の皆さんからすると、これだけ苦労をして実現したこの容量を、貴重な財産を、払った犠牲からすると本当に小さいもので手放すということは本当に忍びないと、いろんな御意見、御事情を教えていただきました。現時点では皆様方の御理解、納得を得るのは難しい、と判断をしたということでございます。

記者)
 今回、国土交通省の平成29年度予算で、水島港国際物流ターミナル整備事業が新規採択され、19億円超が盛られているかと思います。ずっと重点事業として要望を上げられていたかと思いますが、受けとめを教えていただけますでしょうか。

知事)
 率直に大変うれしく思っております。また、ほっといたしております。うれしく思っているということについては、水島港というのは本当に岡山県にとっても大変大事なアクセスポイントでありますし、日本全体の中でも非常に有力な港であります。これをきちんと整備をしていく、船舶の大型化に対応した機能を持たせておくということは、水島のみならず、岡山県、もしくはこの周辺地域の発展のためにも非常に大事なことでありまして、今回、国が認めていただいたということは、本当にありがたく感じております。これまで随分しつこいぐらいお願いもし説明もさせていただきましたので、本当に思いが通じたということです。
 もう一つは、現に玉島ハーバーアイランドにJA系3社の皆さんが進出を決定していただき、今いろいろな工場、倉庫を建設をされています。そのときに、「岡山県はこういう計画でこういう浚渫を思っています。我々でやることは我々でやるんですが、国にお願いすることもあります。我々とすれば、これぐらいのスケジュールで国に認めていただけると考えていますが確証はできません。我々の権限の外なので、お約束はできませんが、最大限努力をします。」というお話をした立場でもあり、結果的に嘘をついたことになると、本当に申しわけないということもございました。そういう点で、今回、国で新規事業採択していただいたということで、新規に進出をされた3社の皆さんも胸をなでおろしていらっしゃるんじゃないかと、このように思っています。

記者)
 政府のほうで教育勅語を教材に容認するかどうかということで話題になっています。親兄弟を大事にするということはいいという解釈がある一方で、戦前の軍国主義につながるんじゃないかという批判もあったりとか、いろいろ議論が交わされているようなんですが、知事御自身の受けとめとか御所見をお伺いします。

知事)
 私、教育勅語を眺めたことはあります。現代語訳を読んだことはあります。確かにいいことも書いてあるなということも思いますし、やっぱり今の時代の我々の普通の感覚とは随分違うことが書いてあるなということも率直に思います。それがいいと思われる方の気持ちもちょっとはわかるんです。ここがいいじゃないかという部分までも全否定されると困るという方の気持ちもわかるんですが、その中にあるいいこと、みんなに親切にしましょうとか、親孝行は大事だよねということは、わざわざ教育勅語を持ってこなくても、絵本を使ったりとか、ほかでいろいろできるので、私自身はわざわざ教育勅語を持ってこなくても、そういった方々が大事に思ってる、しかもほかの人の共感も得られやすい大事なことは教えられるのかなと思っております。

 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 どうもありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。

2012年の記者会見