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2016年1月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0456525 2016年1月18日更新公聴広報課
会見写真

平成28年度当初予算要求額の概要について

 私からは、3項目お話をさせていただきます。
 まず、平成28年度当初予算について、本日、各部局からの予算要求をとりまとめましたので、その概要をご説明いたします。
 資料1ページをご覧下さい。平成28年度の予算要求に当たっては、おかやま創生の実現に向けた確実な道筋を示すとともに、晴れの国おかやま生き活きプランの総仕上げにより、県民の皆様に確かな実感ある成果を届けるための予算編成とするよう各部局に指示していたところでございます。
 まず、「1 要求額」をご覧下さい。一般会計の総額は7,196億6,300万円で、前年度当初予算に比べ2.0%、約141億円の増と前年度予算を上回る要求となっておりますが、これは、義務的経費が社会保障関係費や地方消費税清算金・市町村交付金などの増により、全体で約104億円の増となっていることが主な要因であります。また、特別会計は2,539億7,200万円で、造林事業等特別会計において、おかやまの森整備公社に対する経営改善貸付金に要する経費が減となることなどにより、前年度比6.2%の減、企業会計は129億9,600万円で、電気事業会計において、建設改良に要する経費が増となることなどにより、前年度比5.2%の増となっております。
 資料2ページ「4 要求額の内訳」をご覧下さい。まず、義務的経費については、対前年度比1.9%、約104億円の増となっております。このうち、人件費については、対前年度比0.8%、約18億円の減となっております。公債費については、昨今の金利の動向を踏まえ、想定利率を引き下げたことなどにより対前年度比0.4%、約4億円の減となっております。
 また、社会保障関係費については、自然増に加え、社会保障・税一体改革による社会保障の充実分も増加することから、子ども・子育て支援新制度給付費が23.3%、約9億円、国民健康保険費が3.4%、約6億円の増となるなど、全体で対前年度比3.5%、約33億円の増となっております。
 次に、その他については、地方消費税収の2分の1を市町村へ交付する地方消費税市町村交付金が増加することなどにより、対前年度比8.3%、約93億円の増となっております。また、一般行政経費については、地域医療介護総合確保事業費や高等学校就学支援金が増となったことなどから、対前年度比4.3%、約43億円の増となっております。
 次に、投資的経費については、国直轄事業負担金が増となるものの、県立学校の耐震化が終了したことや、補助公共の減額を見込んでいることなどから、公共事業等費は減となり、対前年度比0.9%、約7億円の減となっているところであります。
 次に、資料3ページをご覧下さい。「5 晴れの国おかやま生き活きプランに基づく主な重点事業」についてでありますが、3つの重点戦略に基づき、重点的に推進する施策・事業の主なものを記載しております。まず、教育県岡山の復活についてでありますが、(2)番の学校の荒れに対する早期支援のため、問題行動が見え始めた学校への集中的・継続的支援を行う指導員などの派遣や、未然防止のため、心理検査を活用した学級づくりの支援などを行う「子どもたちが落ち着いて学習できる環境の整備」、(3)番の不登校、長期欠席対策として、登校支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の拡充などを行う「不登校問題への対応」、(4)番の教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教師業務アシスタントの配置の拡充や、中学校において運動部活動の指導を行う支援員の新たな配置などを行う「教師の教える技術の向上、子どもたちの学力が伸びる仕組みづくり」など、教育の再生に向けた事業が挙がっているところであります。
 次に、地域を支える産業の振興についてでありますが、(1)番の県内企業の操業継続などにつながる設備投資を支援する補助金の創設や、空港南産業団地の開発などを行う「戦略的企業誘致の推進」、(2)番の中小企業などの生産性向上のため、若手社員から経営者までの階層別の研修や、円滑な事業継承につなげるための支援などを行う「中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の向上」、(3)番の精密ものづくり産業の販路開拓支援や、食品産業のサプライチェーンの構築、新商品の販路開拓支援などを行う「販路開拓・付加価値額増大支援事業」、(5)番のJRと連携し、積極的な情報発信、観光素材の磨き上げなどにより、認知度向上と誘客促進を図る「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」、(8)番の桃、ブドウの生産拡大サイクルを創出するため、メガ生産団地の整備の支援などを行う「未来へつなぐ!岡山果樹生産パワーアッププロジェクト」など、産業の振興に向けた事業が挙がっております。
 次に、安心で豊かさが実感できる地域の創造についてでありますが、(1)番の企業トップセミナーやイクボスの発掘など企業におけるワーク・ライフ・バランスの推進を促し、子育てしやすい職場環境づくりを推進する「ワーク・ライフ・バランス推進事業」、(2)番、(3)番の結婚希望者への支援や、妊娠・出産に関する正しい知識の普及啓発、多子世帯の経済的負担を軽減する第3子以降の保育料無償化などを行う「少子化危機突破プログラム」、(7)番の日常生活サービス機能を集約し、周辺集落や中心都市と公共交通ネットワークで結ぶことで、安心して暮らし続けていくことができる小さな拠点の形成を促進する「生き活き拠点形成支援事業」、(8)番の移住希望者のニーズにきめ細かく対応し、県外からの移住者1万人の目標達成を目指す「岡山移住1万人プロジェクト推進事業」、(9)番の地域資源を活用したアートイベントで地域の活性化につなげる「アートプロジェクトおかやま推進事業」などが挙がっております。
 次に、資料4ページをご覧下さい。国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を勘案しつつ、人口減少問題を克服し、本県が持続的に発展するための道筋を示すものとして昨年策定した、「おかやま創生総合戦略」の区分による主な重点事業を、参考までに掲載しております。なお、おかやま創生に関しては、現在、国の平成27年度補正予算で新たに創設された地方創生加速化交付金の対象事業を、各部局において検討しているところであり、来月中旬に予算案を発表する際に、おかやま創生に関連する事業の全体像を改めてお示ししたいと考えております。
 以上、これらの内容を見てみますと、私の指示を踏まえ、最重要課題である教育の再生と産業の振興をはじめとする諸課題に対応するための事業が挙がっておりますが、内容を精査の上、「生き活き岡山」の実現に向け、私がより一層力を入れたい部分でさらに必要と感じるところへの事業の追加などを行いたいと考えております。
 来月中旬には、現在検討中の国の補正予算に呼応した2月補正予算案と当初予算案とを一体的にとりまとめたいと存じます。

岡山県文化特別顕彰について

 続きまして、岡山県文化特別顕彰についてであります。
 この度、県では、作家の原田マハ氏と京都大学大学院理学研究科教授の森和俊氏に岡山県文化特別顕賞を贈呈することといたしました。
 原田マハ氏については、岡山を舞台とした優れた作品を発表されており、昨年には、オール岡山ロケで制作された映画「でーれーガールズ」が公開されるなど、岡山の魅力を県内外に発信した功績を顕彰するものであります。森和俊氏については、細胞内に不良品タンパク質がたまることを防ぐ仕組みである「小胞体ストレス応答」の解明による平成26年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞や、昨年のトムソン・ロイター引用栄誉賞など数々の受賞の功績を顕彰するものであります。
 原田、森両氏におかれましては、今後とも本県のみならず、世界を舞台に活躍していただきたいと存じます。

美作岡山道路(勝央IC~勝央JCT)の供用開始について

 最後に、美作岡山道路の供用開始についてであります。
 勝央ICから勝央JCTまでの工事が、今年度末に完了し、平成28年3月27日、日曜日でありますが、供用開始することとなりました。
 このたびの供用により、美作岡山道路が中国縦貫自動車道と結ばれ、高速道路ネットワークに接続することで、沿線地域の活性化や、周辺道路の渋滞緩和なども期待されるところであります。現在事業中の区間につきましても、早期の供用を目指して、引き続き工事を推進してまいります。なお、供用に先立ちまして、同日に開通式典を開催することとしております。
 私からは以上であります。

質疑応答

記者)
 冒頭から予算の関係でいくつかまとめて質問させていただきたいと思います。まず、今回の予算を見られた感想といいますか、実感といいますか、まずお伺いしたいんですが。

知事)
 全体が増えてるのは、先ほど申し上げた主に外的な要因なわけなんですけれども、私が力を入れているそれぞれの施策に目配りができた予算になったのではないかと思っております。これは、私がつくったというよりも、それぞれの部局とのこれまでの対話を通じてできた予算でありますので、なかなか実際には自主財源が少ない中で皆さん工夫してくれたなという印象でございます。

記者)
 今の工夫の点なんですけれども、これでおそらく2年連続で7,000億円突破ということになります。この後、知事が考えられる施策がのっていったりすると、やっぱり予算規模としてはどんどん大きくなっていく。その辺りの受けとめと財政規律との考え方について、併せてお伺いします。

知事)
 これについては、私が大きく増やしたということよりも、国の地方税財源どれぐらいの規模になるか、それから岡山県の税収がどれぐらいになるかということを判断して見積もったものでありまして、私としては、常に財政規律ということは、岡山県の過去の経験からしてかなり厳しく見ているつもりでございます。

記者)
 その中でも、今回、先ほど教育と産業のことに触れられたんですけれども、特にこの部分については、思い入れがあるというところを聞かせてください。

知事)
 そもそも予算をつけたぐらいですから、全てに思い入れがあるわけですけれども、その中で特にということで言いますと、例えば教師の教える技術の向上、子どもたちの学力が伸びる仕組みづくりということで、今、1億800万円の要求がなされておりますけども、これは先ほど御説明申し上げましたように、教師業務アシスタント、それから部活の支援員というものが含まれています。私自身、学校をこれまで大体40校ぐらい見て回りまして、教員免許を持っている先生が、教員免許が必要ない業務も幅広く担当することになっていまして、これは仕事の進め方としてちょっと不思議だなと思っているところであります。何度も言いますけども、病院でお医者さんが会計の仕事だとかアポどりとかまでしていたら、これはもう回らないわけでありまして、先生だからこそできる、しなければいけない仕事にできるだけ時間を使ってもらえるように、教員免許がなくても、経験が浅くてもできる仕事についてはお手伝いしていこうという私の強い思いが詰まったものであります。
 あと、強い思いということでいいますと、とにかく少子化の問題、今取り組まなければいけないと思っておりまして、第3子以降の保育料の無償化の拡大ということについても、これは市町村からの要望を受けたものでありますし、また、国の動きに呼応したものでありますけれども、私自身の強い思いも詰まった事業でございます。

記者)
 今回、少子化危機突破プログラムとして、ひとつのまとめた形で体系的にしていかれるということなんですが、そのあたりの狙いをお伺いします。

知事)
 少子化の問題、1つだけではありません。いろんな要因が絡んでいるわけなんですけれども、当然それを全てアタックしていくということであります。少子化、第1子が生まれない原因、第2子が生まれない原因、第3子以降が生まれない原因、それぞれ、かぶってるんですけれども特徴がございます。
 皆さん御案内のとおり、第1子の場合は、結局きっかけがない、結婚に踏み切れる自信がないということですから、仕事づくり、より質の高い安定した仕事づくりと、あとはきっかけづくりということが大事になってきますし、第2子が生まれない理由でよく挙げられるのは、夫の協力が得られない、会社の理解が得られないということでありますので、イクメン、イクボスの取組が非常に大事になってきます。第3子以降ということでは、アンケートでも経済的な負担を非常に実感しているということですので、ここはできるだけその負担を軽減して差し上げようということで、今回踏み込んだわけでございます。
 いろんな手段を総動員して、役所だけではなく、社会の皆さん、会社、いろんな人を巻き込んで大きな流れ、動きをつくっていきたいと思っています。

記者)
 まさに今おっしゃったようにいろんな要因があって、結婚だとか、子どもだとか、育児も含めて難しい面があると思うんですけれども、今回の計画の実効性ですね、例えば結婚でいうと経済的な部分、子育ても経済的な部分がある。子育てであったらイクボスをかなり進めてこられてますけども、やっぱり企業では長時間労働などの実態があったりするので、実効性についてはどう受け止めていますか。

知事)
 とにかくやってみなければ分からないので、我々としてもできる限りのことをやって、それがどれぐらい効果があるかを見て修正をしていく、まさにPDCAサイクルを回すということでありますけれども、効果があるかどうか分からないからちょっと様子を見ているというのは、これまで20年、30年少子化を放置してきたところに、また数年様子見の時間をつくることになりますので、要因分析は随分できてますので、要因分析から当然出てくる対応策をできるだけしっかり取り組んでいくというのは、妥当なことだと思っています。その中に、思ったよりも効く施策もあれば、残念ながら思ったより効かない施策もあるということですので、修正をしていきたいと思います。

記者)
 重点戦略に産業の振興を挙げられていますけれども、産業労働部系の額面で見ると10%ぐらい下がっているような感じですが、これはどのようなことなんでしょうか。

知事)
 これはいろいろな外部要因のことでございまして、例えば、国の経済対策により措置された緊急雇用創出事業臨時特例基金による事業が終了したということが1つでございます。これが、昨年は7億7,000万円計上されたものがゼロになっている。もう一つは、土地を売り払いまして、特別会計、内陸工業団地及び流通業務団地造成事業特別会計という特別会計があるんですけれども、そのお金でここへの繰出金を減らすことができた。去年9億6,500万円繰り出していたものが、今回は1億3,900万円で済んだということが主な要因でありまして、内容は実質的には減っておりません。

記者)
 じゃあ、実質的には逆に増えてるような、この2つを除けば。

知事)
 私とすれば、これまでと同じぐらい出してるっていうことで、計算をしたとき細かくどっちになってるかは、問い合わせていただければ。私としては加速してるつもりであります。

記者)
 第3子の保育料の話でお伺いいたします。制度的には、市町村が、ここは踏み込んで無償化に取り組まないと完全な無償化にはならない制度になると思うんですけども、やり方によっては市町村で大分ばらつきが出てくるんだと。今のところの手応えとして、県内全域で無償化になれるかどうか、第3子以降、この辺の手応えはどのように感じてらっしゃいますか。

知事)
 これはまだ流動的なところでありまして、私どもも予算に計上している額は、全ての市町村がフルに参加している額ではなくて、大体9掛けぐらいで算定をしていると聞いておりますので、そういう算定をしてるということは、それぐらいの想定の感覚を担当者は受け取っていると認識しております。当然、できるだけ多くの市町村に御賛同、御参加いただきたいと考えています。

記者)
 一方で、都市部では待機児童の問題なんかがあってですね、保育所で十分にキャパが無いのに第3子以降無償化ということになっても、ちょっとちぐはぐなことになってしまいます。そこら辺はどのようなお考えですか。

知事)
 これは、私が旧子育て同盟でほかの数名の知事と一緒に主張していたことでありまして、国会というのは東京にありますので、国会での議論を聞いていますと、待機児童の問題が非常に大きく取り上げられる、これはマスコミの本社が大半東京にあるっていうことも関連してるんだと思うんですけども、実際、地方に行けば行くほど、少子化の問題の原因として待機児童の問題は、東京近辺、首都圏ほどには大きくないということがあります。ですから、それぞれの地域に合った少子化対策をさせて欲しいというのが私どもの主張であります。少しその思いを聞いてもらえてるのかなと思っているんですけれども。
 これは、県内でも同じことでありまして、例えば県北の方では、そういう待機児童の問題よりも、もっと別の問題があるよっていう声が聞こえてきますし、岡山市、倉敷市の特に中心部では、待機児童の問題、これは定義によるわけですけども、「定義上はこれぐらいしかいないことになってるけど、実際にはうちも待機児童みたいなもんよ。」みたいな話も聞くわけであります。ですから、それぞれの市町村がその置かれてる状況に従ってきちんと優先順位をつけていただくっていうの、これは当然でありまして、是非、それぞれの地域に合わせて対応していただければと思います。

記者)
 関連で、第3子の保育料の関係で。改めて、狙いとか、そういったところを教えていただきたい。

知事)
 先ほど申し上げましたように、第1子が生まれない理由、第2子が生まれない理由、第3子が生まれない理由、かぶっているもののそれぞれ特徴がありまして、そもそも第3子が生まれないと、今の少子化の問題、結婚されない方、もしくは妊娠できない方はある一定数いらっしゃいますので、何割かのカップルが3人、4人と産んでいただかないと、希望出生率、国全体でいえば1.8、岡山県でいえば現在1.72ですけれども、若しくは再生産のための必要な2.07、2.08が達成できないわけであります。
 何とか第3子の壁を突破する意思のあるカップルについては突破をしてもらいたい、そのための御支援をしたいと。1人目、2人目までは夫婦の子どもなんだけれども、3人目からは、社会のための子どもでもあるんだっていうことはよく言われるわけですけれども、社会のための子どもであれば、第1子、第2子と比べて、より踏み込んで社会の方で御支援をするっていうことも御理解いただけるんじゃないかと、このように考えています。
 国に支援を求めてきたわけですけれども、別に国のお金をずっと待ってるっていうことではなくて、市町村にも呼びかけて、我々自身も努力をしていこうという思いで今回考えさせていただきました。国の制度とはちょっと違う、当然、それぞれの市町村、それぞれの県の思いがありますので、そういう制度になります。

記者)
 その中で、今回の要求では、3歳児未満児、未就学全体じゃなくて3歳未満だけで、幼稚園は対象になってないんですかね。

知事)
 幼稚園は対象になりません。3歳未満ということにしましたので、定義上、幼稚園に入る年齢ではありませんので。

記者)
 その辺り、ある程度絞り込まれたことになっているんでしょうか。

知事)
 これは、子育て支援に限らないんですけれども、支援したいっていう思いと、限られた財源の中でどうするかっていうせめぎ合いということになります。
 いろいろお話を聞いてみる中で、私が個人で聞いたわけではなくて、これまで蓄積した知見で、とにかく0歳から2歳までの保育料、これはお子さんをお持ちの方は皆さん御案内のとおり、3歳、4歳になっておむつが外れてくるといろんな面で楽になってくる。この0歳、1歳、2歳が自分で育てていても大変、預けるときも値段が高くて大変という、一番負担のきついところに支援を集中するということが大事なんじゃないかということで、今回、限られた財源を3歳未満というところに集中することにいたしました。

記者)
 要求の関係で、全体像を含めた御説明をされましたけれども、今回、生き活きプランの総仕上げに当たる予算ということですが、要求段階ではあるんですが、総仕上げに当たって、この部分がふさわしい事業だというふうに知事が認識されてるところを教えていただけますか。

知事)
 仕事ということでは総仕上げなんですけれど、予算ということでいいますと、これまで掲げてきたものをさらに進めていくということでありまして、例えば先ほども申し上げたところですが、学校の先生の時間をより有効に使ってもらうですとか、荒れに対応する学校警察連絡室、私自身は非常に上手くいってると認識してるんですけれども、それにさらに追加をして、この荒れに対応する非行防止教室を拡充する事業ですとか、そういった、今、上手くいっているもの、若しくは上手くいってるんだけれど、もっと追加支援をしたいもの、そういったところにさらに予算を付けることができたと思っています。これまでの流れをさらに加速させるための予算だと思っています。

記者)
 知事は、「蒔いていく種の方を伸ばし、そして花を咲かせる。」ということを、これまでよくおっしゃっていましたが、そういうような趣旨の事業を打っていくということですね。

知事)
 特に教育に関しては、方向性は間違っていないけれども、基礎の基礎からやっているということもありまして、目に見える成果という点でいえばスピードが十分じゃないなと思っておりまして、そこをさらに加速させるということであります。

記者)
 現時点で必要と思われる事業については追加もしていくということですが、現時点で想定されてるようなものが何かありますでしょうか。

知事)
 今、出来上がったばかりですので、今から精査をさせていただきたいと思います。
 よく、知事査定のところに私の思いがぎゅっと詰まってるっていうふうに思われるんですけれども、実際は、今日お示ししたものの中に、これまでのいろんなやりとりが詰まっておりますので、知事査定分はそんなに額も多分多くないでしょうし、そこだけではございません。

記者)
 ある程度具体的な分野なり、事業なり、何か現時点で見えておられるものはありますか。

知事)
 これからですね。

記者)
 予算に関して、知事の任期の総仕上げにもなると思うんですが、そちらについてのメッセージをお願いします。

知事)
 予算というものは、何をしようとしているかっていうことのメッセージでもありますし、動くときのエンジン、ガソリンであります。私自身は、「予算を使わなくてもできることはあるだろう。」っていうことでこれまでやってきましたし、いくつかそういう良い例が出てきてうれしく思ってるんですけども、ただそうはいっても、予算なしで動くのと、予算がついてくる、これは、全然動き方が違ってきますので、当然、予算がついたから動き出すっていうんじゃなくて、こういうことをしたいから予算をつけて欲しいっていういろんな折衝の中でこういうふうにまとまっているわけでありまして、是非、岡山県、もっと元気でもっと住みやすい県にするため、岡山県の未来のために、この予算を使って頑張っていきたい。当然、議会の承認があって初めて予算として動くわけです。

記者)
 総額は7,000億円台になるんですが、中身としては、義務的経費がまた伸びてしまっている。やはり予算編成されるに当たって、そういった点の難しさっていうのは年々感じてらっしゃるところでしょうか。

知事)
 実際、義務的経費は増えてるんですけれども、消費税を増やして、入るのも多いし、あと市町村に回したり、いろんなものが発生して大きく見えてるというところが、実は大半であります。特に前年度の予算はまさにそうでありまして、随分、外部環境に影響を受けるものだとこの3年間で感じております。
 ただ、今はそういう中でも環境がよくって、県税が2桁で伸びていると、そういう状況での予算組みですので、これが景気っていうのは良いときもあれば悪いときもあるわけですから、税収が伸びないときにどうやって予算を組んでいくかっていうと、今よりももっと厳しい組み方をすることになるんだろうなと思っています。今もそれぞれきつい感じはしてるんですけど。

記者)
 これまで好循環ていうキーワードで県政推進っていうのをおっしゃってこられたんですが、部局の要求段階では、各部局工夫してくださってるということなんですが、最終的には、その好循環を生み出すという点では、どういった予算が仕上がっていけばいいかなというふうに期待しているんでしょうか。

知事)
 これは、お金の面でも、それぞれの動きの面でもそうだと思うんですけれども、私自身が一番最初に申し上げた一番大きな好循環ということでいえば、産業の振興、もう少し時間がかかって教育もそうなんですけれども、税収が上がってくる、その税収を使っていろいろな県民生活の向上に役立てていく、これは三木知事が任期10年ちょっとでなされた好循環であります。
 それぞれの分野の中でも好循環っていうのはあるでしょう。例えば学校でも、荒れの問題の後追い、後処理、ガラス割られた、それに対応しなきゃ、報告をしなきゃ、親御さんを呼び出してどうのこうのっていう、そういうことで忙殺をされてる状態から、とりあえず窓ガラスを割られたり、トイレを壊されることがなくなったっていうことで、別のところに時間を使えるようになりましたっていうのは、これまさに好循環だと思いますし、それによって学力が上がって、また、別の時間の使い方ができるようになりましたとかっていうのは、本当にその次の好循環であります。
 いろんなレベルで、今、犯罪が下がってるですとか、ここにとられている時間をここを改善することで減らすことによって、別の、もっと本来したかったところに時間、お金を使って、そこから生み出してきたものをまた別に使うっていうのが私の想定している好循環。これをいろんな分野で、いろんなレベルで起こしていきたいと思っています。

記者)
 地方創生の総合戦略に関連した施策が反映される最初の予算になるんだとは思うんですが、知事は総合戦略ができた際に、予算で具体化していくんだというふうに言われてらっしゃいましたけども、その辺り反映は多分されていらっしゃると思うのですが。

知事)
 もともと、この生き活きプランというのは、少子化への対応を組み込んだものでありまして、とにかく現実を見て対処しなきゃいけないっていうことは、常日頃から言っているわけでありまして、現実っていうのは、まず、今人口が減っているっていうこと、それから、このままではこの先も減っていくっていうこと、その減っていく人口に対応しなきゃいけないし、そのためには人口を増やす努力をしなきゃいけないということは、もともと生き活きプランにも組み込まれています。
 ただ、今回ほど明示的に出してきたわけではありませんでした。今回、国を挙げてこの少子化問題に取り組むっていうことになりまして、我々も総合戦略を立てたということもありまして、少子化危機突破プログラムというものを大きく一つのくくりとして出させていただいたということもありますし、あと、この人口減少の中でも、それぞれの地域の生活を維持していくということで、生き活き拠点形成支援事業というものも今回つくらせていただきました。随分、我々の予算の考え方に、これまでもあったんですけれども、少し出てきたなというふうに思っています。

記者)
 予算を例年発表されてるわけですが、なかなか県民の方に分かってもらえてないっていう部分があると思うんですが、その辺りはどういうふうに理解してもらおうというお考えでしょうか。

知事)
 私自身も、民間人であるときに、県の予算ていうのは余りぴんときておりませんでした。業種にもよると思うんです。流通業っていうのは、ほとんど規制も関係なければ、予算がどう出ようが自分たちのところに直接関係なかったもんですから。よく1人当たりに直すと何万円をここに使ってますとか、図表にしてお知らせするんですが、その努力っていうのは必要ですし、これからも続けていかなきゃいけないとは思うんですけれども、なかなかぴんとこないところがあるんだろうと思います。
 ただ、ぴんときてないっていうのは、随分レベルの低い答弁かもしれませんけれども、本当に困ってたら、すごく気にせざるを得ないわけでありまして、安心して生活していただいているからこそ、「まあ、こういうことで回ってるんだな。」というふうに御理解いただいているのかなとは思います。当然ながら、前向きな意味で、関心を持っていただくようにできればいいなと思っています。どういう工夫ができるのか、これからも工夫をしていかなきゃいけないと思っています。

記者)
 一方で、もちろん県議会に対する説明っていうのもあるんですけど、県民の皆さんにどういう思いでこの予算を見てもらいたいとか、そういう思いはありますか。

知事)
 まさに県民の皆さんに、より能動的、活動的、前向きなアクションを起こしてもらうための予算だと思っています。
 私自身、そもそも岡山県庁、役所の仕事として、楽して座ってて、県民の皆さんが一生食っていくために仕事するっていうふうには思っていません、これは不可能でありますので。いかにそれぞれの県民の皆さんのポテンシャルを生かしていくか。もっと勉強したい、もっといろんなことを知りたいっていうポテンシャルを生かすっていうのは教育ですし、もっといろんな自分の知識、技能を生かした仕事がしたい、もっと高い給料、もっと安定した給料をとりたいっていう人たちを応援するっていうのが産業の振興だと思いますし、それぞれの皆さんがより健康的でより活動的な、自分の描いている、今の自分よりもちょっといい生活、活動、時間の使い方、食生活、ほかの人との関わり合い、そういうものができるようにお手伝いをしたり、支援をしたり、きっかけをつくったりするっていうのが我々の仕事だと思っていますので、そのための予算です。こんなことを手伝ってもらえるのか、これができるのかっていう前向きなところについては、是非、お知らせした情報を入手して、それに呼応してもらいたいと思います。

記者)
 いわゆる運動部活動の指導推進員ですが、先ほどの説明をちょっと伺うと、要は免許がなくてもできるところは免許がない方にサポートしてもらうと。そのロジックでいくと、運動部活動の指導っていうのは免許がなくてもできるようなお受けとめでいらっしゃるのか、なぜこれ、文化系の部活動じゃなくて運動部活動なのか、その辺りについて、教育委員会の関係なんですけれども、知事の御認識をお願いします。

知事)
 私自身、それぞれのものについて詳しく知っているわけではないんですけれども、もともと私自身もこれについては思い入れがありますので。
 御案内のとおり、部活っていうのは日本では広く行われていまして、先生が、自分が卓球が上手いわけじゃなくっても、卓球の顧問の先生が1人要るから誰かやってよ、じゃあ君、みたいな形で割り振られる。それはしょうがないですよね。別に卓球とかバスケットボールで採用されてるわけじゃないわけですから。顧問になると、土曜日に練習だとか、日曜日に試合だとかっていうことで、引率をしたり、指導をしなきゃいけない。ただでさえ多忙な先生が、それでもうへとへとになってしまうっていうことは、よく聞く話であります。
 そもそも、そのスポーツに詳しいわけでもない人が、土日、休みの日の指導でへとへとになってしまうっていうのは、ちょっと残念だなと。そもそも、その先生は、数学だったり、国語だったりで採用されてるわけでありまして、是非、その専門のその人ならではのところで、しっかり力を発揮してもらいたいと、そういうところがございます。
 いろんなやり方、部活の支援員を考えてくれてるそうでありますけれども、少しずついいやり方を見つけていってもらいたいと思います。

記者)
 要するに、現場の専門じゃない方が顧問になって疲弊しているような状況を踏まえて、そこを解消していこうというような狙いですね。

知事)
 これは小さなステップであります。一斉に何かすごいことが起きるというよりも、何かできるはずだと。どういうやり方がいいのか、これは今、日本全国で少しずつ始まっていまして、例えばバスケットだったらバスケットの専門家を呼んでくるっていうやり方もありますし、顧問の先生と同じぐらい素人なんだけれども、引率を代わりにやってあげますよっていう形の御支援だったり、何かいろいろあるそうであります。それがボランティアであったり、多少のお金をお支払いするやり方だったり、いろいろあるそうです。

司会)
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見