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2013年8月12日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0346978 2013年8月12日更新公聴広報課
会見写真

美作国建国1300年記念事業への参加について

 私のほうから、1項目お話をさせていただきます。
 美作国(みまさかのくに)建国1300年記念事業につきましては、ご承知のとおり、4月から美作地域を中心に様々な事業を実施しています。
 現在も、人気アニメ-ナルト-の世界を堪能できる「ナルトフェスタ」や「ナルト展」など、ご家族そろってお楽しみいただけるイベントが開催されています。
 夏休みも、まだ半分ありますので、暑い夏を1300年で燃える熱い美作国で楽しんでいただければと思います。
 また、9月には、先日、完成発表のありました「あさのあつこ」さん書き下ろしの推理小説「美作は謎に満ちて」を読み、読者が美作国を訪れ、謎解きに挑戦する「美作国theミステリー」や、県民総参加の文化の祭典「岡山県民文化祭」など、引き続き、多彩なイベントが実施される予定です。
 来年3月末までの期間中に、多くの方に美作国を訪れていただきたいと考えています。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 先般発表された学校基本調査の関係で不登校等の実態が明らかになったが、結果についての知事の受け止めと、これまでの教育再生への取組が何らかの影響を与えているのか、そのあたりの所見をお願いします。

知事)
 不登校につきましては、岡山県は残念ながら成績が悪かったわけでありますが、最新の発表でその状態よりは少し改善がなされています。私の考えとしましては、数年前からスクールソーシャルワーカーが地域に入り込んで、家庭の問題も含めて活動してくださっている、その成果が少し出てきたのではないかと考えています。実際これまでスクールソーシャルワーカーは6人の方が活動をしてくださっていました。今年度から大幅に増員して25人になりましたので、この動きが加速するのではないかと期待をしています。あと、小学校の不登校の率が依然として高いことが岡山県の特徴になっています。もともと小学校と中学校でどちらの率が高いのかということになりますと、岡山県も含めてほぼ全ての都道府県で中学校の方が6倍くらい高いわけでありますが、岡山県の場合その率に注目をしてやはり中学校が大変だということで、特に中1ギャップの対応をしていたわけであります。それが間違っていたというわけではないのですが、中学と比べて少ないとはいえ、小学校で一年生から六年生まで毎年不登校の子どもたちが岡山県で出ていた、その率も他県と比べて高かったということは、きちんと認識をして対策を打っていかなければと思っています。

記者)
 美作国1300年も盛り上がっていますが、瀬戸内芸術祭も3年前に比べてだいぶん入場者、来場者とも好調です。また次3年後に行われる予定なんですけれども、瀬戸内芸術祭と名前が付いている割には岡山が絡んでいるスペースは少ないし役割も少ないんですけれども、次の3年後に向けてもう少し展開的に岡山も参加したいとかそういうお考えがございましたら教えていただきたいのですが。

知事)
 具体的には何か特に今こうしようああしようということを考えているわけではございません。まずは今年の瀬戸内国際芸術祭、特に玉野市の宇野港の会場がうまくいくことを願っているわけですけれども、当然ながらトリエンナーレ、3年に1回あるわけですから、3年後により大きな役割を果たしたいという思いは当然ございます。この芸術祭のある種きっかけをつくられた方が福武会長、岡山県出身の方ですので、私も小さい頃から目をかけてくださった方ですが、近々またお会いできそうですので、その時に3年前と比べて今年はどのようにお考えなのか、3年後どういうふうにまた新しい工夫をしていこうと思われているのか、岡山県で何かできることはないのか、ということについてお話しできればと考えています。

記者)
 その話次第ではもうワンステップ上げて協力をしようというお考えですか。

知事)
 はい。要請がありましたら岡山県とすればできる限りのことはしたいと思っていますし、要請がなくてもこちらのほうからちょっと図々しく提案をしていきたいと思っています。

記者)
 香川県の浜田知事が、地元の西の方の島も入れて欲しいという話があって、だんだんスペースが広がっていますが、知事のお考えとしては、例えば岡山も島をもっと入れて欲しいとか、そういう方向性みたいなものは。

知事)
 島を入れるとか、どういう具体的な話を提案をするかはまだ決まっていないのですが、せっかくの素晴らしいお祭りですから、参加者の方がもっと喜んでいただけるように、もっと便利がよくなるように岡山県としてできることはないかなと思っています。場所を増やすだけでなく、いろんな可能性があると思います。単に岡山県の都合を考えてこうしてくれ、というつもりはないんです。いかにお祭り全体が今よりも盛り上がるか、いいものになる可能性があるのならば、その中で岡山県がもっと大きな役割を果たすことができないのか、当然ウィンウィンの提案をしたいと考えています。

記者)
 先週、政府の方で示された中期財政計画についてですが、国と地方のプライマリーバランスなんですけれども、2015年度に半減することになっているのですけれども、これについての受け止めと、今後の県の歳出削減に向けてのお考えをお願いします。

知事)
 国の借金、ひとことで言えば現在のプライマリーバランスは大変悪い状態であります。EU諸国ではありえない赤字を毎年積み上げているわけですし、累積でのGDP対比もびっくりするくらい、ほぼ2倍ですよね、先日1,000兆円を超えたという報道がありました。このような財政運営は持続可能なものではありませんので、財政を再建していくという方針をきちんと発表された、若しくはその方針を堅持されたことは評価していきたいと考えています。ただ、国家レベルでの財政再建努力が地方にしわ寄せされることで達成されることになれば、それはあまりトータルとして解決になっていませんので、国・地方できちんと議論をしながら、財政を再建するというのはなかなか厳しいことですので、連携を取りながら進めていきたいと考えています。地方としても言わなければいけないことはしっかり言わなければいけないと考えています。

記者)
 県のほうでも有識者会議などを通じて行財政改革を進めていこうとされていますが、そういったところに歳出削減に向けた数値目標みたいなものをいれるお考えはありますでしょうか。

知事)
 はい、有識者会議の場面で数値目標が出ることはたぶんなさそうだと思います。私どものほうで、有識者会議にこれはしないでくれ、これは言って欲しいということはもともとお願いするようなものではないのですが、今の議論の流れでいえば、観点を指示していただいて、それについて今個別の事業を抽出するところでありますので、その事業について意見をおっしゃっていただく、その意見をもとにそこに出なかった事業についても、我々こういう視点があるんだということで判断をしていくわけですけれども、その大枠の数字から入られるかどうか、そういう意見が実際に出るかどうかはわかりませんし、もともとその大枠をはめて欲しいということを我々の方でお願いしているものではございません。

記者)
 それを受けた県の行財政経営指針については、これについても数値目標が入ることはないのでしょうか。

知事)
 そちらの方は私どもでつくる計画ですので、今後どういう展開になるのか我々でコントロールしてくことになります。ただ、そこに数値目標を入れるかどうかについてはまだ決めておりません。

記者)
 昨日まで台湾のSOGOで果物の販売をされていたと思うのですが、それの手応えと、今回桃太郎を前面に出してPRをされていますけれども、今後の桃太郎を絡めた台湾へのPR戦略はどのようにしていきたいとお考えですか。

知事)
 台湾には今回、木幡副知事が私の代わりに行ってくれていまして、まだ木幡副知事から成果報告を聞いておりません。うまくいっているものと確信しております。あと桃太郎については、その前からも聞いていたそうなのですが、私が先日台湾に行っていろんな方と話をする度に「桃太郎って有名だよ。」「岡山って桃太郎だよね。」ということを言われまして、これを使わないのは本当にもったいないということで、今回、桃太郎をこれまでよりも前面に出したものでございます。日本だけでも47都道府県あって、それぞれイメージの強い県、そこまで強くない県があるわけですけれども、岡山県は一般的には北海道や沖縄に比べるとイメージがあまり強くない県と言われがちなんですけれども、この桃太郎というのは台湾においてはものすごく有名だというのは本当に有り難いことですので、これは絶対に使わなければと思っています。

記者)
 先ほどの教育の件ですが、知事が就任されて以来、県をあげて学校教育の再建を図っていくというふうに言われていますが、先日、岡山市の教員で不祥事が発生したのですが、それに関しては県を挙げて取り組んでいくという中で、どのように捉えられていますか。

知事)
 不祥事の報道が教員、県の職員、市町村の職員といろいろあるんですが、ちょっと数が多いなというのが正直な感想です。冷静に考えれば職員の数も教員の数も数千でなく数万人いるわけですから、冷静な確率計算をするとそれ位の頻度になるのかも知れないのですけれども、県民の皆さん、市民の皆さんの期待、それからそういった皆さんからの税金で動いている組織で働いているということを考えれば、本来もう少し自覚をもって日々生活をしていればこんな頻度で不祥事が起きることはないんじゃないかというのが私の率直な感想であります。それぞれの各市町村からも市の教育委員会からも、私からも、当然県の教育委員会からも何か起きる度に、若しくは起きていないときでも節目節目の時に綱紀粛正のお願いを出しているわけでありまして、これからも常に注意喚起をする、お願いをする、指導をしていかなければいけないと思っています。大変残念に思っています。

記者)
 消費税の引き上げについてお尋ねします。先ほど内閣府が国内総生産の速報値を発表しまして、3-四半期連続のプラス成長となっています。高い成長で総理の増税決断の後押しの材料となりますが、知事の今回の速報値への評価はいかがでしょうか。

知事)
 速報値については私が操作できるような数値ではありませんので、出てきたなということですが、いい数字が出るというのは消費税のこととは関係なく嬉しいことですから、大変心強く思っています。とにかく9月に行われる政府の消費税を上げるのかどうなのかという決定なんですけれども、県がする決定ではなくて政府がする決定ですので、政府の責任できちんと判断をしていただきたいと思っています。私とすれば先ほどご質問がありましたように、日本の政府の財政状態は大変厳しいわけですので、きちんと決めたことは粛々と執行していただきたい。当然、突発的なことが起きれば別ですけれども、経済の調子がいいのであれば粛々と勇気をもって責任ある対応をしていただければと考えています。

記者)
 理解としては、来年4月に8%に引き上げをすることに知事は前向きに進めていただきたいということですか。

知事)
 今、日本がおかれている状況を考えればそちらの方が日本の将来のためになると考えています。当然私も払う立場ですので税金は安ければ安い方がいいとは思っています。

記者)
 社会保障制度改革国民会議の件でお尋ねしますが、一連の社会保障の国民会議の報告書の中で、知事としてのお立場で歓迎している点、あるいは異議を申したい点があればお願いします。

知事)
 そうですね、今回の社会保障制度改革国民会議の報告書については、総論ではほとんどの方が賛成をされると思います。各論になればほとんどの方がここについてはちょっと困るなということがあると思います。県の立場でも似たような状況なわけでありますけれども、ただ、非常に大事なことは、大切な社会保障制度、国民の福祉にとって、国民の健康や安全にとって本当に大事な社会保障制度を持続可能なものにしなければいけないということであります。旧ソ連ですとか他のいくつかの国のように、途中で約束が守れないような状態になったあとどんな悲惨なことが起きるかということを考えれば、常に手直しをしていって、きちんと十年後、二十年後もその制度を持続できるようにする努力が必要だということを考えれば、それぞれの細かい一つひとつのことを考えればつらいこと厳しいこともあるんですけれども、小異を捨てて大同に就く気持ちというか行動が大切だろうと思っています。一つひとつは厳しい話も多く含んでいますので、無理矢理ではなくて丁寧に説明をしていただいたり、我々の方からの意見も是非聞いていただきたいと考えています。

記者)
 関連でなんですが、特に国保の都道府県への移管についてどのようにお考えでしょうか。

知事)
 現在の国保の制度は恒常的な赤字、かつまた、その赤字は毎年膨らむような構造になっていまして、これが県に移管されるにしても、どこか別のところに移管されるにしても、まず抜本的な制度の改善がなければ県としてもなかなか引き受けづらいと考えています。ただその負担になるものを全て県で弾こう、そういうことではありませんので、国民、県民、それぞれの市民というのは重なっているわけですから、皆さん方の幸せのためにはどういう仕組みがいいのかという検討に関しては、我々もきちんとその検討の中に入っていかなければいけないと思っています。ただ、このまま単に市町村から県に移すだけでは何の解決にもなっていないと考えています。

記者)
 関連で、市町村から都道府県へ広域で受けようという考え方自体は賛成だけれども、中身に問題がありすぎるということでしょうか。

知事)
 これは大変難しい問題で、小さくした方が目配りがきくと思うんです。大きくなればなるほど無責任になりやすいものですから、私自身は本当は小さい方が自己責任の観点からも、管理の面からもむしろ都合がいいのではないか、だからこそ小さい単位でもともとつくったのではないかと思っていますけれども、今うまくいっていないことも事実ですので、改善の選択肢として県への移管ということがあることは理解するのですけれども、それ自体あまり解決になっているような気がしないものですから、これからいろいろ考えていかなければいけないと思っています。歓迎もしませんし拒否もしません。いろいろ考えていかなければいけないと思っています。

記者)
 冒頭の不登校の話ですが、小学生の率が高かったということできちんと認識した対応をしていかないとということでしたけれども、具体的に今回の結果を受けて新しい何か方向性というか、具体策というのは。

知事)
 今回の結果を受けて、ということもありますし、実はこの1,2か月ほど前からいろいろ検討、分析をして、今考えていることなんですけれども、不登校に関してはこれまでは不登校が始まった子どもたちにあまり接触をするとかえって症状を悪くするという考えがあったそうです。当然、子どもは一人ひとり違うわけですから、そういう子どもも何割かいると思うんですけれども、不登校が始まったときにあまり積極的に接触しない方がいいということで、結果的に放置するようなことになると機会損失があるわけなんです。ですから不登校が始まったときにどういう形の接触であれば効果的なのか、接触していい子どもとしない方がいい子どもはどのように見分ければいいのか、そういったことも我々考えていきたいと思っています。あともう一つ、不登校というのは突然おきて、誰が不登校になるかなかなかわからないというのが、それまでの常識ということだったようなんですけれども、いくつかの指標によってそこそこ予測ができるということがおぼろげながらわかってきました。例えば、それまでの年に10日以上休んだことがあるという子どもは、そうでない子どもと比べてかなりの倍率で岡山県では不登校になっています。そういった前兆となるようなデータをきちんと持っていると、このクラスの中で不登校になる可能性が高い子どもたちをあらかじめ数名わかっていると、先生方もちょっと注意することができるのではないか、そういうことで不登校がおきることを減らせるのではないかと思っています。これはここ2~3か月の話なんですけれども、不登校についても我々の方からできることがあるのではないかと思っています。是非いろいろ調べていいやり方を考えていきたい、若しくは他の県、文科省から教えていただきたいと思っています。

記者)
 具体的に外部の人を入れて何か検討するとかということではないのでしょうか。

知事)
 はい、今私ども、いろんなところで専門家の方にご意見をいただいていますので、そういったご意見を参考にすることもありますし、我々自身のデータで分析することもありますし、外からの意見を聞かないということは全くありません。今でも継続的に聞いていますので、その中でこれだというものについては当然採用させていただきたいと思います。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見