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2013年6月28日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0342112 2013年6月28日更新公聴広報課
会見写真

今議会を終えて

 今議会では、職員の給与等の特例に関する条例につきまして議決いただきますとともに、教育の再生をはじめ、産業振興や福祉などさまざまな課題について、幅広いご質問や貴重なご意見をいただきました。
 私が最も力を注ぐ教育の再生につきましては、今議会におきましても、体罰問題や教育委員会のあり方などについて、多くのご意見やご提案をいただいたところであります。
 本県の教育が置かれている厳しい状況に真正面から向き合い、知事としてのリーダーシップを発揮しながら、次代を担う児童・生徒の学力の向上や規範意識の育成に、引き続き全力で取り組んでまいります。
 本県の特色を生かした産業振興につきましては、これなくして県財政の安定も県民生活の向上もあり得ないと意を強くしたところであり、国の成長戦略や骨太の方針も踏まえながら、新たな企業の誘致や県内企業の活動支援などに積極的に取り組み、県内経済の活性化と雇用の拡大につなげてまいりたいと考えております。
 今年度改訂を行う夢づくりプランにつきましては、私が目指す「生き活き岡山」の実現に向けて、具体的な成果につながる計画となるよう、今後とも県議会をはじめ、県民の皆様のご意見をお伺いしながら、改訂作業を進めてまいります。
 また、厳しい財政状況の中、本県の行財政経営の依るべき指針となる、「岡山県行財政経営指針(仮称)」につきましても、今議会でのご議論を踏まえるとともに、今後さらなるご意見をいただきながら、取りまとめを行ってまいります。
 今後とも、こうした取組を通じ、「生き活き岡山」の実現を目指して全力を尽くしてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます

質疑応答

記者)
 給与カット条例と関連の予算が議決されましたが、改めて、このたびの一連の国の要請と、それを受けての対応に対するご所見をお願いします。

知事)
 そうですね。このたびの国からの事実上の給与カットの強制につきましては、私、地方自治の本来のあるべき姿と照らし合わせて、これはおかしいと思っています。そういったことがまかり通ってしまう現状に対して、非常に残念に思うとともに、もう少し自立的な県の運営ができるような仕組みが必要だと思っております。
 ただ、実際に送っていただくお金を減らされてしまったわけですので、それに対応しなければ、県の仕事を減らすということになってしまいます。県民の生活に直結してしまいますので、今回の措置は苦渋の決断でありました。
 また、そういうことでお願いをいたしましたところ、いろいろな交渉の末、妥結をいただいた職員組合の皆様には感謝申し上げるとともに、モチベーションの低下につながらないように一緒に頑張っていきたいと、このように考えております。

記者)
 関連で。県内の市町村では、倉敷市のように職員団体との交渉が妥結しない状態で決断した自治体もあります。そういう状況が発生したということについてはどのようにお考えでしょうか。

知事)
 そうですね。自分のところでつくった問題でない、外から押しつけられた問題に対処をしているわけですから、いろいろなことがあると思います。
 本当に大変な問題の中で、執行部、それから職員組合、それぞれ苦悩しながら対応策を考えているわけですので、そういったことも起きても不思議ではないということですけれども、県民の皆さん、市民の皆さんにとってどうあるべきなのかということを考えて、是非、適切に対処をしていただければと思っています。
 繰り返しになりますけれども、本来もう少し自立的な県政運営、市政運営ができる仕組みが必要なのではないかと思っております。

記者)
 先ほどお伺いした、自立できる県政運営、市政運営とは具体的にはどういった形なのか教えてください。

知事)
 そうですね。昔から言われていることなんですけれども、地方で必要な仕事をするのに十分な財源がないわけですよね。非常に大ざっぱに言ってしまうと、国と地方で、仕事は国が4、地方が6ぐらいの割合なのに、税金、税収はその逆、国が6、地方が4になっています。その重なりしろを使って、税収が集中するところと税収がなかなか集まらない、けれどもそういった仕事は発生しているところの調整が行われている、これはもう十分理解をしているわけなんですけれども、でもこの普通の自治体できちんとした運営をしようと思ったら、どうしても国からの資金に頼らざるを得ない。この現状が正しいやり方だとは思えないものですから、これからいろいろな場面で知恵を出していきたいと考えております。

記者)
 来月参議院選挙を控えているんですけれども、今の安倍政権に対しての評価と、今回の選挙の争点をどのように見ていらっしゃるのかというのをお願いします。

知事)
 まず、安倍政権に対する評価でありますけれども、皆さんご案内のとおり、3本の矢、財政政策、金融政策、それから成長戦略、このすぐできることと、これから時間をかけてしなければいけないことがあると思うんですけれども、明らかに安倍政権になって世の中の雰囲気が変わってきました。前向きに何か頑張ろうっていう感じが出てきたことに対しては大変すばらしいことだと思っています。是非この前向きな気持ちを生かして、必要な改革も進めながら、長期的な成長につなげていくことができればと考えています。県もこの勢いを利用したいと思っています。
 参議院議員の選挙につきましては、いろいろな争点があろうかと思います。これからの日本をどうしていくのか、その財政問題をどうしていくのかなど、是非議論をしていただいて、大切な選挙ですので、私が思うのは、できるだけたくさんの方に投票に行っていただきたいと思っています。投票率が低いことが最近の選挙の一番の問題だと思っていますので、是非いろいろ考えて、自分の考えに一番近い人に1票を投じていただきたいと思っています。

記者)
 関連してなのですが、全国の知事の中では特定の候補を支援する人もいらっしゃるのですが、岡山選挙区においてそういったことをされるお考えはありますでしょうか。

知事)
 私自身は、こういう立場に立ってみると、本当に県民を代表している立場であって、私自身の考えはあるんですけれども、そういったものを強く出すのがこの県庁のトップとしてあまり適当でないというふうに思うようになりました。ですから、特定の選挙、特に1人しか当選しない選挙においては、特定の候補を応援することは極力控えたいと思っております。

記者)
 先ほどの話と関連するのですが、自民党の参議院選挙の公約にあたって、投資減税だとか法人税減税を打ち出されていますが、そのことについてご所見をお願いします。

知事)
 そうですね。私はこれは正しいことだと思っています。投資減税、もしくは法人税の減税をすると、よくそれは金持ち優遇なんじゃないかとか、企業ばっかりっていうことを言われるわけですけれども、実際、日本の富を創造している、日本の生活を支えているのは数々の中小企業を含めた企業でありますので、そういった会社を元気にすることは、結局この日本の生活水準を上げることにつながると私は信じています。
 あともう一つ、日本の法人税は世界でもかなり高いほうに入ります。これはもうデータではっきり出ているわけなんですけれども、それぞれの住民というのはなかなか外国に引っ越すっていうのはハードルが高いわけですけれども、海外になると日本語通じませんし。ただ会社は、この本社なり、工場なりを外に移すことは比較的簡単であります。実際に移っているわけですので、これ以上その会社が高い法人税負担に耐えられないっていうことで、生産を縮小するですとか、海外に移転することになったら、結局困るのは日本国民だと思っています。是非、企業の力をうまく利用できるようにしたいと思います。

記者)
 広島県の湯崎知事が出馬表明をされましたが、知事として支援はお考えですか。

知事)
 先ほど申し上げましたように、極力、特に岡山県内で特定の候補を支援しないということが私の今の方針ではあるんですけれども、湯崎知事は私の先輩知事であります。またご案内のとおり、スタンフォードビジネススクールの同級生であります。大変、私、湯崎知事のこれまでの生き方、考え方、実際の仕事ぶりを尊敬しておりまして、是非、広島県の皆さんが賛同してくれるのであれば、湯崎知事にあと4年県政を担当してもらえれば大変ありがたいと思っています。

記者)
 ご自身で向こうに行って何か応援とかは考えてらっしゃらないでしょうか。

知事)
 はい。それは、湯崎知事のほうから何か依頼があれば検討させていただきたいと思ってます。対抗馬と比べてどちらがいいっていうような判断はできないんですけれども、湯崎知事が非常に真剣に日本のこと、広島のことを考えていることについては自信があるものですから、そういう点での応援は可能だと考えています。これは、依頼があればということで。

記者)
 先ほどの安倍政権の評価に関連するのですが、アベノミクスに関して、岡山県内の産業・経済にどのような影響があったのかということと、また今後の期待についてお伺いします。

知事)
 そうですね。これはもう非常にわかりやすい話でありまして、円安になったわけですので、輸出をしている企業にとってはこれはもう大変ありがたいことであります。逆に、輸入をしている会社からすれば、原材料が上がる、もしくは直接輸入をしていなくても、輸入製品を使っている食品関係の産業だと、やはりコストアップの要因になるわけですけれども、全般的に言えば、日本がこれまで円高で苦しんできたことを考えれば、日本経済にとっては非常に元気の出る展開になっているのではないかと思っています。どんなことをしてもメリット、デメリット、作用、副作用はあるわけですけれども、是非、このメリットを生かすようにしていきたいと考えております。

記者)
 先ほどおっしゃられた法人税についてもう少し詳しくお聞きしたいのですが、行政の長としては法人二税が減ってしまうというジレンマもあると思うのですが、どのような制度が知事として望ましいとお考えでしょうか。

知事)
 そうですね。税金については、皆さんのことを考えると、下げてさしあげたい、でも実際に必要な仕事があることを考えると、むやみに税率を下げることはなかなか難しいですよね。ただ、ラッファー・カーブとまでは言いませんけれども、特に企業にかける税率については、例えばその逆を考えて、今の実効税率がもう大体4割ぐらいだというときに、もっと税金を増やしたいということで、6割にすれば税収が5割増しになるかなと思うと、そんなことにはならないわけですね。どうしてかっていうと、その企業が苦しくなって投資を控え、もしくは日本から出ていったり、倒産をしたりするからでありまして、ですからその税率と税収は比例をしないわけであります。是非、私、レーガン大統領が税率を下げることによって税収を上げるんだという非常に大胆な実験をしました。レーガノミクスと呼ばれました。実際には、そのラッファー・カーブと当時言われたその仮想的なカーブの、我々は右側に、ラッファー・カーブの頂点の右側にいるので、税率を下げることによって税収を増やすことができるという説明がなされていました。実際にはその右側にはなかったわけです。つまり税率を下げることで税収も落ちてしまったわけですけれども、ただ、それによってアメリカ経済が復活を遂げた。時間はかかりましたけれども、その後、レーガン大統領の後を引き継いだブッシュ大統領が政治生命をかけて税率を上げる決断をしました。その後を継いだクリントン大統領の8年間で、アメリカ連邦政府の赤字が随分減ったわけですので、私は、いろんなことがありますけれども、この税率を下げることがそのご心配のことに直結するとは思っておりません。いろんな経路があって、いろいろ複雑な動きがありますので。

記者)
 併せて先ほど法人税減税の話ですとか地方財政の話をされましたが、今回の参議院選挙で知事が期待される論点、争点とはどういったところでしょうか。

知事)
 そうですね、とにかくいろいろな、4年前になりますか、政権交代が起きて、これまでと全然違う考えに基づいた政権運営がなされたわけであります。その3年間に対して、いろいろな立場の方がいろんなお考えがあって、昨年末にまた政権交代があって、自民党政権、自公政権に戻ったということですけれども、具体的にどの政策がよくなかったというか、ちょっと現実的でなかったのか、どの政策についてはむしろ残すべき政策だったのかということについては、もう一度考えるいい機会になるかもしれません。是非その財政政策ですとか、エネルギー政策などについて議論を交わしていただいて、国民の審判を仰ぐということが、非常に大切だと思います。

記者)
 特に重視するのはどういったところでしょうか。

知事)
 そうですね。それぞれありますので、私自身がこれをっていうのは適当ではないように思います。

記者)
 岡山市長選についてお伺いしますが、昨日3人目の方が立候補を表明されましたが、県と市の昨今のいろんな関係をかんがみて、こんな方になって欲しいという思いがありましたらお願いします。

知事)
 そうですね。岡山県にとりまして、この県庁所在地であります岡山市は本当に大切な存在であります。また、政令市になったわけですから、パートナーということですので、是非岡山市のことを、地元のことを一生懸命考える優秀で熱心な方になっていただきたいと思っています。どなたが選ばれるにしても、その選ばれた方と緊密に連携をとって一緒にお仕事をさせていただきたいと考えております。

記者)
 関連で、こういう方面に力を入れる方になって欲しいという思い入れはありますか。

知事)
 それについても、岡山市民の皆様の思う優先度合いに従って選択していただければありがたいと思います。

記者)
 地方分権に関してなのですが、今回の議会の中でも知事は道州制だけではないというふうな言い方をされていたと思うのですが、道州制の問題点というのは、今時点で知事はどのように認識されていますでしょうか。

知事)
 道州制の問題点で一番わかりやすいのは、全然違うものに対して同じ名前がついていることだと思っています。道州制でいわれているもので、単に県境を消しただけの道州制っていうこともありますし、この中国州、もしくは中四国州がほとんど独立国のような、連邦制のような道州制を唱えられている方もいらっしゃいます。その2つは全く違う仕組みですので、哺乳類と言いながら、もう猫とライオンぐらい違うわけですから、ペットとして哺乳類を飼いたいですかって言われたときに、ライオンが来るのか猫が来るのかわからないのに意見を述べるというのは、私はちょっと不思議な気がしています。どういう類いの、どれぐらいの自治権を持ったものを必要としているのか、どういうステップを踏んでそこに持っていきたいのか、そういった議論が私は本当の意味での議論であって、全然違うものに1つの名前をつけて、それについてどうかというのは、むしろ議論を混乱させることになるのではないかと心配ですね。

記者)
 今国会で道州制基本法案が流れましたが、知事としては、この法案が流れたことについてはどのようにお考えでしょうか。

知事)
 そうですね、この道州制ありきでこの法案が進められることについてはちょっと危惧をしていたものですので、是非さらに議論をしていただければと思っています。
 私自身、道州制に反対しているわけではありません。いい形でステップを踏んでいった先に、今この言われている道州制のうちの一つの形が自然な形で見えてくれば、それはそれですばらしいことだと思っています。
 あともう一つ、今の都道府県の仕組みが今の日本にとって最適だと思っているわけではありません。ですから、是非どういうステップを踏んで、どこら辺を目指すのか、そういうことについて、是非この国レベルでも地方でも議論をしていきたいと思いますし、できることから私は進めていきたいと思っています。私が広域連携ということを何度も言うのは、『道州制ではなくて広域連携』ということではなくて、『広域連携を進めていく先にもう少しわかりやすい景色が見えてくるのではないか』と、そういうふうに思っています。

記者)
 今回法案が可決しなかったことで、議論の時間ができてかえって良かったとお考えですか。

知事)
 少なくとも、流れたことについてがっかりはしていません。

記者)
 安倍首相が秋に成長戦略の第二弾をやりたいとおっしゃっていますが、知事として、ここは特に盛り込んで欲しいとか、第一弾ではここはちょっと甘かったんじゃないかとか、そういう点があればお願いします。

知事)
 何か特定のことについて言及するつもりはないんですけれども、規制を緩和していく、民間企業の活力をきちんと生かしていく、そういった改革は必ず必要だと思っていますし、不景気のときにそういった改革をすると痛みに耐えられないことが多いですけれども、景気がいいときにはそのような改革がしやすいわけです。つまり、例えば何か改革をして、今成長が期待できない分野から成長が期待できる分野に人を動かさなきゃいけないというときには、一時的に失業が出るわけですけれども、景気のいいときにはそういった人たちを受け入れやすい状態ですので、是非、今のように岡山県も有効求人倍率がこの半年ほど少しずつ上がってきてるわけですけれども、こういうときに必要な構造改革をしていくべきだと考えています。

記者)
 岡山県の政務活動費について、1万円以下の領収書の添付が義務づけられていないのは全国で岡山県だけなんですけれども、そのことについて今回の議会、閉会になって議論もなかったんですが、このことについてどのようにお考えなのでしょうか。

知事)
 そうですね。まず最初に申し上げるのは、これはもう議会のことですので、二元代表制のもとで、私は直接選挙で選ばれて、議会の議員の皆様はそれぞれの選挙区から選ばれていますので、そこで起きた議論について私がどうこう言うことではないと思っています。
 確かに47都道府県で岡山県だけということではありますが、1円にする、1万円にするっていうことよりも、いかにきちんと使うか、そのお金を大事に使って勉強してもらうかっていうことなんだろうなとは思うんです。これも議会のほうで適切にご判断されると思います。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見