特別企画展「羽島焼－小河原虎吉の仕事－（2023年12月8日～2024年12月1日）倉敷民藝館

　羽島焼は、1946(昭和21)年に小河原虎吉（1902～1972）によって、現在の倉敷市羽島に開窯されました。虎吉没後はその三女和子と夫の勝康、さらに四女常美により継承されましたが、2022(令和4)年末に惜しまれながら窯を閉じました。
　小河原虎吉は、15歳の頃から西山と甲山の二つの窯で旺盛な生産を行った酒津焼に従事し、その轆轤技は、酒津焼振興に尽力した、後の人間国宝近藤悠三に「陶器の轆轤師として小河原さんほどの使い手に出会ったことがない」と言わしめたと伝わります。その技を培ったのは、人々が日々の暮らしに用いる甕から湯呑まで大小諸々の器形をこなす長年の修行でした。まさに無名の職人に徹し、普段使いの実用品を作り続けるその姿勢は、民藝の在り方を体現する存在でした。1930（昭和5）年を過ぎる頃から濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、そして柳宗悦と民藝運動を主導した人々が倉敷をしばしば訪れ、その工芸品制作を強く後押しする中で、小河原の存在は注目を集めることとなります。そして新たな地場産品創出の機運の高まりの中で、独立して羽島焼として窯を構えることとなったのです。
　本展では、小河原家所蔵の作品に、倉敷民藝館所蔵作を加えた約80点により、小河原虎吉の活動を主に、羽島焼の足跡を紹介いたします。

■期間　
　令和5年12月8日(金曜日)～令和6年12月1日(日曜日)

　　※休館日：毎週月曜日（祝日は開館）、年末年始（12月29日～1月1日）
　　※展示替、各種警報（暴風・地震・大雨・津波・洪水・土砂災害等）発令時は臨時休館する場合もございます。

■時間　10時から17時（入館は16時30分まで）

■料金
通常入館料（下記）のみでご覧いただけます。
一般：1,200 円(1,000 円)
高校・大学生：500 円(400 円)
小学・中学生 300 円(200 円)
＊（ )内は、20 名以上の団体料金
＊障がい者手帳等をお持ちの方は、大人 500 円、高・大生 250 円、小・中生 200 円
＊日本民藝協会会員・倉敷民芸館ファンクラブ会員の方は無料

【出品作品・展示構成】
小河原虎吉を主にした羽島焼。小河原家所蔵作品と倉敷民藝館所蔵作品による約 80
点を、倉敷民藝館の「いろりの部屋」にて展示。
また作品と共に、倉敷の民藝の歴史と羽島焼、小河原虎吉についてなどを資料や解
説文で補足を行う。
＊画像データをご入り用でしたら、ご一報ください。

１・ギャラリーツアー
講師：小河原常美氏
定員：10 名（18 歳以上優先）
日程：決まり次第、倉敷民藝館公式ホームページにて公開
参加費：入館料のみ

２・羽島焼作品集刊行（予定）