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子どもを取り巻く現状と課題

少子化の現状等

(1)少子化の現状

 第1次ベビーブームの終わった昭和25年(1950年)の岡山県の総人口に占める15歳未満年少人口は33.8%となっており、一方、65歳以上の老年人口はわずか6.6%でした。しかし、平成15年の年少人口は14.5%、老年人口は21.7%と老年人口の方が年少人口を上回り、少子・高齢化が進んでいます。
 平成14年1月に発表された「日本の将来推計人口」によれば、日本の人口は平成18年(20066年)の1億2千7百万人をピークに減少に転じ、2100年には、現在人口の約半分の6千4百万人になると推計されています。
 本県についての推計人口は、平成12年(2000年)10月時点195万人が2030年には、174万人と10.8%の減少が予想されています。
 また、一人の女性が一生の間に生む子どもの数を示す合計特殊出生率は、1970年代の半ばから、現在の人口を将来的に維持できる水準とされる2.08を下回ったまま、ほぼ一貫して下がり続けています。
 平成15年(2003年)の率は、全国で1.29、岡山県では1.38といずれも過去最低を更新しており、極めて憂慮すべき状況となっています。

(2)少子化の要因と背景

 少子化の主たる要因として、晩婚化・未婚化に加え、結婚した夫婦の出生力そのものの低下という新たな傾向が指摘されています。
 日本では、1970年代半ば以降、出生数、出生率とも漸減し、男女とも晩婚化が進行してきています。また、未婚率についても、20歳代や30歳代の未婚率が上昇してきており、出生率の低下は、こうした晩婚化・未婚化という結婚の変化が大きな要因と考えられます。さらに、晩婚化によって晩産化となることからその結果として夫婦の産む子ども数の減少に繋がっていると考えられます。
 また、晩婚化や未婚化の背景の一つには、結婚や家族に対する価値観の変化があげられます。現在のように物質的に豊かで社会福祉制度も充実した時代にあっては、人々の欲求は自己実現や自己表現といった個人的目標を達成することに高い価値観が置かれるようになってきました。
 岡山県が行った独身男女の県民意識調査結果(平成16年1月調査)を見ても、独身にとどまっている理由として、「自由や気楽さを失いたくない」が46.4%、「(結婚の)必要性を感じない」が41.2%と上位を占める結果となっています。
 このように、結婚は、社会の慣習や規範として当然なことではなく、個人の生き方や価値観に基づいて選択される行為となりつつあります。
 さらに、県民意識調査では理想の子ども数を持たない理由として、「子育てに係る経済的負担が大きいから」が68.4%、「子育てに対する心理的・肉体的負担が重いから」が34.4%、「仕事と子育ての両立が難しいから」が31.4%となっており、子育て費用の負担感に加え、子育てをしている親の精神的負担感(ストレス)が増大してきている状況と言えます。

(3)少子化の影響

 少子化の急速な進行は、社会や経済、地域の持続可能性を基盤から揺るがす事態をもたらします。経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力低下など、深刻な問題に直面することとなります。さらに、少子化が進むことによって、子ども同士、特に年齢が違う子ども同士の交流機会の減少、過保護などにより、子どもの自主性や社会性がはぐくまれにくくなるなど、子ども自身の健やかな成長への影響が懸念されます。

(4)子どもを取り巻く環境の変化

 近年特に社会問題化してきているのが、児童虐待、引きこもり、不登校、家庭内暴力の増加です。特に児童虐待については、県内でも相談件数が増加しており、発生予防から早期発見・早期対策への重点的な取り組みが必要となっています。
 また、核家族化、一人っ子家庭、地域内での家庭の孤立化が進んだことから、家庭の教育力、地域社会での教育力の不足が一層顕著になっており、子どもが自立した若者へ成長していくために必要な自然や人と直接ふれあうことによって養われる「豊かな心」や「安定した情緒」がはぐくみにくい環境となっています。
 さらに、次の親世代となるべき若者が社会的に自立することが難しい社会経済状況となっています。若年失業者やいわゆるフリーターの増大とともに、学校を卒業あるいは中退した後、就職も進学もせずその意欲もない状況に陥る多数の若者の存在が懸念されており、親元に同居し基礎的生活コストを親に支援してもらっている未婚者も増加している状況にあります。

県民の意識と課題

 計画の策定にあたっては、県民意識調査や県内説明会を実施するなど、幅広く県民の意見をおうかがいし、その結果をもとに、次世代育成支援の推進にあたり重点的に取り組むべき課題を整理しました。
○子育て支援は親の便利さのためでなく、子どものためのものであり、また、打ち上げ花火的なものでなく、子どもにとって温かいものであってほしい。(青空知事室)
○本当に必要なのは、子どものために何をすべきかの視点で、地域みんなで考え行動することが、大切である。(社会福祉審議会)
○親の育児についての責任感が希薄になってきており、人間として人を育てる大切さを子どもの頃から教えていくことが必要である。(子育て協議会)
○「乳幼児の世話体験がある場合」、「父親が子育てに関わっている場合」が、子育てが楽しいと感じている割合が高い。(それぞれ84.6%、79.8% 県民意識調査)
○地域の子どもを見守ることのできる地域の大人を増やすことが必要である。(社会福祉審議会)
○あいさつや地域での人間関係が大切だ。お年寄りの知恵を子育てに活かすべきだ。(社会福祉審議会)
○「子育てに自信がなくなることがある」という人は、全体では59.1%であり、専業主婦では、62.2%となっている。また、「子育てに追われ社会から孤立していると感じる」人が全体では8.3%であるが、専業主婦では14.9%となっている。(県民意識調査)
○子育ての知識が乏しい父母が増えており、子育て相談体制の充実等が必要である。(県民説明会)
○理想の子ども数を持たない理由は、「経済的負担が大きいから」が68.4%、「子育てに対する心理的・肉体的負担が重いから」が34.4%、「仕事と子育ての両立が難しいから」が31.4%となっている。(県民意識調査)
○子育て支援も虐待防止も、地域の大人が子どもたちを見守るネットワークが必要である。(県民説明会)
○子どもを虐待しているのではないかと思う人が「よくある」、「時々ある」をあわせて、10.8%おり、子育ての不安を解消する必要がある。(県民意識調査)

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