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回虫症

回虫症

回虫という名前を聞いて、懐かしいと思われる方は多いと思います。
 日本では、昔からよく知られている寄生虫で、昭和40年代までは国民の約4割が感染していた、ある意味「国民病」のような感染症でした。しかし、公衆衛生の向上した現代日本では、感染事例をあまり聞かなくなりました。
 しかし、世界中ではまだ多くの人が感染している寄生虫です。また、日本でも少しずつではありますが、感染事例報告数が増えてきています。
 回虫症は、感染経路が複雑多岐に渡り、また、回虫を持っている動物種も非常に多いのですが、予防できる感染症なので、確かな知識を身につけましょう。

回虫症ってどんな病気ですか?

基本的には、回虫の卵を口に入れることで、人のおなかの中で卵がふ化、成長した寄生虫が色々なところで悪さをする感染症です。
 前述したとおり、感染経路が複雑多岐で、昔は、畑にまいたこやしの中に寄生虫の卵が入っていて、野菜をよく洗わずに食べることで感染したり、川の水を消毒せずに飲んで感染したり、土を触れた手を洗わずにそのまま口に入れて感染したりと、様々な経路から感染することが知られていますが、逆に、寄生虫の卵を口に入れなければ感染しません。
 回虫症のやっかいなところは、いったんおなかの中で成長したら、どこで悪さをするか分からないところです。
 特に、成虫が肝臓や眼で見つかることが多く、肝臓をはじめとする内臓で悪さをするのを内蔵移行型、眼で悪さをするのを眼移行型と言います。
 内蔵移行型では、肝臓や肺、最悪は脳にまで寄生虫が入り込み、肝臓に入れば食欲不振、元気消失、栄養低下、肝機能障害が起こり、肺に入れば咳や異常な呼吸音が認められます。また、脳に入ればてんかん様発作が起こります。
 眼移行型では、網膜脈絡炎、ブドウ膜炎、硝子体混濁、網膜剥離などによる視力低下や、最悪、失明する恐れがあります。
 動物では、基本的には症状が出ないと言われていますが、子供の動物では、元気消失、食欲不振、貧血、被毛粗剛、便秘、下痢、嘔吐が起こる事があります。また、妊娠している動物は、胎盤を通じて子供にも感染します。

回虫症は治療できるの?

一応、対処療法的な駆虫薬や抗炎症薬はありますが、人体組織に入ってしまった虫を駆虫するための根本的な治療法は確立されていません。

回虫症はどんな動物から感染するの?

感染報告のある動物を挙げると、犬、猫、牛、豚、馬、スカンク、イタチ、クマなどがあり、ほとんどのほ乳類からの報告があります。

私たちはどう気をつけたらいいの?

病気の紹介で述べたとおり、寄生虫の卵を口に入れなければ感染はしないので、砂場や泥で遊んだら、必ず手洗いとうがいをしてください。
 また、ペットには必ず動物病院で駆虫薬を飲ませて予防することが大切です。
日頃のちょっとした心がけで、感染を予防することが出来ます。