ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 農林水産総合センター > 森林研究所 > 第149回 森林研究所の散歩道(アヤメ、アカシデ編)

本文

第149回 森林研究所の散歩道(アヤメ、アカシデ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0884307 2024年5月1日更新森林研究所

 

第149回 森林研究所の散歩道(アヤメ、アカシデ編)

 

 第149回の今回は、アヤメとアカシデについて紹介します。

 

 アヤメはアヤメ科アヤメ属の多年草です。北海道から九州の山野に生息します。

 緑色の花茎は葉の間から直立し枝は無く、高さ30~50cmになります。また、根元は赤紫色を帯びています。葉は細長く剣のような形をしています。

 5~7月、花茎の先に紫色の美しい花を数個つけます。花の基部は狭くなっており、黄色と白色の虎斑(とらふ)模様があることが特徴です。雄しべがつく花柱の裂片も淡紫色になるため、花が大きく見えます。

 和名は漢字で文目と書き、先ほどの虎斑模様が綾になった目に見えることから名付けられたそうです。他にもいくつかの別説もあります。

 属名は英語で Iris(イリス)と書き、ギリシャ語で虹を意味します。花が虹のように美しいため、この名がついています。

(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p590.​

    片桐(1983)山野草.西東社.p148.

    長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p402.

 アヤメ アヤメの花

        写真1 アヤメ            写真2 アヤメの花

(写真1、2は2023年5月10日に撮影)

 

 アカシデはカバノキ科クマシデ属の落葉高木です。日本、朝鮮半島、中国の温帯や暖帯に分布しています。国内では北海道から九州の温帯に自生し、山地や丘陵の林内で普通に見ることができます。川岸などの湿った肥沃な場所を好むようです。岡山県に広く分布しています。

 高さ15m、直径30cmまで成長します。花は4~5月の晩春に、新葉よりも早く開きます。写真4のように若い果穂は淡緑色であり、葉のように見えます。

 また、本種は単性花であり、雄花序と雌花序をそれぞれつけます。写真4のように下垂するものは雄花序であり、雌花序は新枝の先につきます。

 和名の由来は春の新芽や紅葉が紅色となるからです。他にも若葉や花も赤みを帯びることが多いです。

 材は器具や家具、シイタケの榾木などに用いられています。

(出典)石井ら(2000)樹に咲く花 離弁花1.山と渓谷社.p196.

    馬場(2009)花実でわかる樹木.信濃毎日新聞社.p127.

    林(2020)樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類.山と渓谷社.p401.

    北村ら(2002)原色日本植物図鑑 木本編(2).保育社.p303.

    牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p11.

 アカシデ アカシデの花

       写真3 アカシデ           写真4 アカシデの花

(写真3、4は2023年5月11日に撮影)

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。

 また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。