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平成29年度 県政に関する有識者意見交換会

印刷ページ表示 ページ番号:0528774 2017年9月11日更新政策推進課
 岡山県では、県政施策の立案に当たり、各界の有識者から、新たな施策の方向性についてアドバイスを受けるとともに、専門家としての立場から斬新で先進的な施策提言をいただくため、県政に関する有識者意見交換会を開催しました。

平成29年度 県政に関する有識者意見交換会(7月25日)

開催日

平成29年7月25日(火曜日)

テーマ

インバウンドの推進

出席者

岡山県知事 伊原木 隆太
(株)小西美術工藝社 代表取締役社長 デービッド・アトキンソン 氏

会議概要

〇主な提言等の内容
・アジアからの観光客は、引き続き大体5~6%ぐらい増えていく見通しではあるが、おそらくは2年以内もしくは3年以内に、アジア全体の動きというのは5~6%ぐらいの伸び率に頭打ちをされてしまうと思う。
・国民の数=アウトバウンドではない。タイといっても、年収が30万円ぐらいしかないので、実際に日本に来る人を大きく期待できるかというと、そんなには期待できない。欧州はまだ開拓できていないので、そちらのほうが一番重要なのではないか。実際に一番大きいマーケットはドイツ。
・国も地方も、大体、香港・シンガポール・韓国・中国といったところを中心にやってきたので、そこの実績が非常に上がっているが、それ以外の国はあまりやっていない。
・どの地方自治体に行っても、地方の自然を売り物にするということは、今誰も気づいてない。一番アクティビティとして期待できるのは自然を使ったアクティビティ。
・自然がきれいというのは単にネットで見ればいいだけの話。そうではなくて「体験ができますよ」というのが一番大事なこと。
・海外から見た日本の観光というのは「楽しむ」という概念が入っていない。これは簡単なことのようで、ちゃんとできているところは少ない。楽しみ方を提供することによって滞在ができるというのが一番のポイント。
・ホテルの問題、いろんな観光をやろうとするときに、どこに泊まってもらうのかということが一番の問題。
・高級ホテルを和歌山市でつくれば、今年度から、和歌山市・県の補助金がもらえる。一定以上の料金設定だと一部屋に対していくらという補助金制度で、地元のホテルとバッティングしないよう、うまく工夫されている。
・「観光の工場」といえば「ホテル」。アクティビティなどの供給があったとしても、「集客」をどうするのかという点で、どこも悩んでいる。安いものばかりではなくて、高級ホテルとか、そういうものは上から下までちゃんとあるということが大事。
・例えば土地を借りるという前提でやっていけば、高級ホテル一つで30億とか40億とか、そのぐらいでできる。
・この値段でここまでやってくれるという観光戦略は感動することも多いが、ただそれは評価していることとは違う。
・観光戦略を見ると、二条城の600円も、不適切に安い値段で出すことによって評価を促しているような感じになっている。これが問題。本当は、有料にすることによって、実際にどこまで感動しているのか試すことにもなるのに、そこのところまで行っていない。
・アピールと自慢は違う。900年前とか、世界遺産になったというのはただの自慢話で、聖徳太子の功績とかについても、観光に来ているのだから別にどうでもいいと。
・私から見ると、日本の観光地、観光資源に求められていることはものすごく低次元のこと。ホテルという寝る場所を用意していますか、Wi-Fiはありますか、英語表記がちゃんとできていますか、ネーティブチェックをしましたか、写真一つを撮るにしても、客目線になっていますか、といったものすごく簡単なこと。
・伏見稲荷というのは、日本一の観光スポットになった。そのやり方は簡単なことで、宮司が表参道を全部きれいにした。そして、毎日、朝から晩まで屋台を出してくれと関係者に頼んだ。また、社殿も全部きれいにしたことはきっかけの一つだが、そのときに手水や、お参りのところに英語表記をつくった。外国人からすると、他人の宗教だから、お参りをしていいかどうかというのがまず分からない。だから、やるのであれば、こういうふうにお参りすればいいということではなく、まず、「伏見稲荷の神様は国籍、信仰関係なく誰でも受け入れますよ」と表記した。
・観光は割と単純なことをやることによって物事が変わってくる。そういう意味で、岡山の観光資源は、子どもでも分かるような一般常識で整備されているか、されていないかというところではないか。