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平成29年度岡山県地域産業人材育成講座

印刷ページ表示 ページ番号:0520261 2017年9月7日更新経営支援課

岡山県地域産業人材育成講座

講座のねらい

 人口減少社会を克服し、活力のある地域の創生には、地域を支え雇用を守る中小企業・小規模事業者の持続的な成長・発展が必要です。
 この講座は、地域での経済の好循環を実現、継続するため、地域に対する思いの醸成と経営面の知識の習得により、地域産業の推進役となる人材を育成することを目的としています。

 ■「地域への思い」を醸成する
 ■「説得力」を手に入れる
 ■「同じ志をもつ者のネットワーク」つくる

講座の特徴

 地域産業振興の専門家がコーディネートする地域政策研究講座と、ビジネススクールで学ぶ経営知識の基礎のマネジメント講座を組み合わせて実施します。
(1)地域政策研究講座
  「思いの醸成や施策立案能力の向上」
(2)経営マネジメント講座
  「地域産業振興に必要な知識と経営センスの習得」

取組実績

開催日 テーマ ねらい 取組状況
第1回 5月20日 基調講演 全国の先進事例を学ぶことにより、地域産業おこしの重要性を理解する。

講座風景

 明星大学経済学部教授 関 満博氏による、「地域産業おこしと人材育成」と題した基調講演を実施し、地域産業振興にとって重要なものについて、秋田県大潟村等の事例や地方の学生の就職時の具体的なお話しをお聞きしました。これからの行政は、対策でなく、自分の地域の問題点を分析し、踏み込んで解決するための政策を実施すべきとの言葉をいただきました。

オリエンテーション 事業の趣旨、講座のねらいを理解し、講座への心構えを身につける。

今年度の受講生 

  オリエンテーションでは、講座の企画・運営を行う長崎利幸コーディネーターや株式会社グロービスから受講の心構えや講座の進め方等について説明がありました。

自己紹介

  また、受講者からは、1人3分程度で経歴や講座への期待など自己紹介をしていただきました。3分間は短いようで長く、受講生にとっては難しかったようです。

第2回 6月2日 クリティカルシンキング コミュニケーションや問題解決をするために必要な思考の肝を押さえ、自身のクセを認識する。

講座風景

  経営マネジメント講座では、講師の問いかけに対し、グループ単位又は全員で議論して、経営知識の基礎を学びます。

講座風景

 今回のテーマは、クリティカルシンキングです。

「考えたいこと」「考えやすいこと」ではなく、「考えるべきこと」を考える。

講座風景

受講生が4つのグループに分かれ、課題に対しグループワークを行い、発表を行いました。

クリティカルシンキングの基本であるピラミッドストラクチャーも学び、今後の業務の進め方にも役に立ったとの声もあがりました。 

第3回 7月6日・7日 企業訪問の実践(宿泊研修)玉野市 地域に不可欠な企業等を訪問し、経営戦略、販路開拓の方法及び強み、弱み等を聞き出す行動力と能力を養う。

【1日目】

講座風景

 玉野市商工観光課 石原弘之氏から、玉野市の産業振興の取組事例を分かりやすく御紹介いただきました。

講座風景

 玉野市商工観光課 三宅敦士氏から、「玉野市アイドルグループ「TMN4.8」のキセキ」という題目で、全国の自治体でも珍しい若手職員でアイドルグループを結成した経緯や効果、苦労された事など大変ユニークな取組について御講演をいただきました。

その後、玉野市内の企業様1社を受講生全員で訪問させていただきました。

 

【2日目】

発表資料作成1

発表資料作成2

発表風景

発表風景

受講生が4グループに分かれて、各グループごとに企業へ訪問し、聞き取った内容(企業の概要、経営戦略、強みや弱みなど)をグループごとに発表しました。

 

第4回 8月10日 経営戦略の基本概念 経営戦略の基本的なフレームワークや戦略的思考プロセスを押さえる

講座風景

「経営戦略とは何か?」「経営戦略は何故必要なのか?」について、受講生全員で考えるなど、経営戦略の基礎を学びました。

グループワーク

講座風景

具体的な事例を活用し、マクロ環境分析に必要なPest分析、業界分析に必要な5F分析、市場環境分析に必要な3C分析を使いながら、何故企業がそのような戦略をとったか、グループで考え、発表をしました。企業の経営理念と戦略の整合がとても重要なこと、また会社のビジョンは変化しても、経営理念は不変であることを学びました。

第5回 9月1日 マーケティングの基本概念 マーケティングを考える上で踏むべき思考プロセスや各プロセスにおける基本的な視点・定石を押さえる。

講座風景

講座の最初に、マーケティングとは、恋愛みたいなものである。と講師の方からわかりやすい言葉をいただきました。

グループワーク

本日も、具体的な企業を事例にグループワークと発表です。

ニーズとウォントを意識すること、またターゲットに突き刺さるものを作るには、相手の立場に立ち、どのようなものに価値があるか考え抜くことが大切ということを学びました。

講座風景

マーケティングとは、難しく考えがちであるが、企業だけのものではなく、行政を含めてあらゆる部門に関係のあるものということを学びました。

第6回 10月6日 ビジネスモデルとアカウンティング 会計を財務諸表に限定せず経営の全体像に絡めて学び、戦略と財務を一体として考える力を付ける。

講座風景

財務諸表上の数値には、無機質でなく、それぞれが企業活動における意味合いを有しているということを学びました。

グループワーク

発表風景

実際の企業の事例を使い、売上げが何故下がってきたのか。どういった戦略をとれば、業績向上が出来るかなどグループワークを行い、発表しました。

ビジネスモデルの構造とその経済合理性を捉えて、「ビジネスモデルをこうデザインすれば、結果がこうなる」という因果関係を学びました。

第7回 11月10日 基調講演 自治体職員が実践する産業振興策に触れ、産業振興担当である当事者意識と地域活性化への関わり方を学ぶ

講座風景

本講座では、3年連続で東京都の八王子市役所から柏田恆希氏を招き、「産業振興革命 ~地方公務員の使命~」と題しまして、柏田氏の実体験に基づく講話をいただきました。

柏田氏は、人事異動のある自治体では珍しく、14年間産業振興に従事された方です。

八王子市では、他の自治体がうらやむほどの地域資源がありますが、そのことで、産業振興だけに力をいれれる自治体ではないということでした。

講座風景

柏田氏が考案した、産業振興指数(一般会計に占める商工費の割合)では、八王子市は他の自治体と比較しても、高いものではありませんでした。

また、産業振興施策を続けても、リーマンショックのような景気変動が起こると一瞬でチャラになってしまいます。

国は国の立場で、県は県の立場で、基礎自治体は基礎自治体の立場で考えなくてはいけません。

国や県よりも、基礎自治体に優位性があること、それは現場に近いことです。

スケールメリットを活かした産業振興は、国、都道府県で行うべきであり、基礎自治体では、現場に近いことから、経営者を「やる気」にさせることを行い、経営者と信頼関係を築くこと重要であります。

行政マンが持つ最大の武器は、「信用力」と「権限」です。

この「信用力」と「権限」を使い、中小企業の少ない経営資源を補うことも出来ます。

柏田氏からは、自ら携わった「空き店舗撲滅プロジェクト」、「後継者育成塾」の具体的な事例を聴かせていただきました。

また、市民の声に耳を傾け、市政に反映していくことはとても重要なことかもしれないが、裏を返せば逃げである。声を聴いて反映するということは、自分が何も考えなくていいということになり、産業振興はこれでは駄目である。最も重要なことは、道しるべを自分で考え、それを信じ、誰に文句を言われようともそれをわがままに実行すること。そのために、役所の中に留まらず、常に事業者と接し、現場を体感し、地域の動きに敏感になり、国の動き、世界の動きにアンテナを張り、今何が地域に必要なのか、自ら考え、不退転の決意で実行に移すこと。それが産業振興だと思います。と現場の重要性を改めて認識させていただきました。

最後には、東日本大震災での経験が、仕事の価値観を変わったこと、

そして地方公務員であることに誇りを持ち、地域と日本を盛り上げていきましょうという熱い言葉で締めくくりました。

受講生や一般聴講者からは、

・同じ職務を預かるものとして、とても格好良く、目指したい姿に映った。いろんな成功事例やマニュアルを聴くより、現場の先輩の率直な想いを聴く方がずっと響き、心に残った時間でした。

・自分ももっと努力しなければと、やる気が出ました。1回の講演でこれほど刺激を受けたこと、心に響いたことはありません。1つでも自分のものにできるように頑張っていきたいです。

など、とても満足度の高い講演となりました。

講演後は、

受講生による、最終発表に向けての中間発表が行われました。

 

発表風景

1月19日に開催される最終講座では、受講生自身が考える中小企業支援策・地域活性化策が発表されます。

本講座のコーディネーターの長崎氏と柏田氏による指摘・アドバイスを受け、各受講生の発表に磨きがかかったと思います。

 

 

 

第8回 12月1日 経営の全体像 企業の競争力構築のために、各分野の事業活動がどのように機能しているかを理解し、全体が一つのシステムとして機能するための論点を押さえる。

今回が、インプットする講座は最終回。

今まで経営マネジメント講座で学んできた手法を使い、実際の企業のケースをもとに経営分析を行いました。

講座風景

まず始めに、講師から

「朝起きてから、今まで「赤いもの」を何個見たか?」

と問いかけられました。

それに答えれる受講生はいませんでしたが、講師から

「答えられる人はいないと思う。それは「赤いもの」にアンテナを立てていないから。講座を受ける前に、自分自身が何を学びたいかと思って学ぶのと、何も思わずに学ぶのでは、身につき方が違う。今日、何を学んで持って帰りたいかを意識して講座を受講して欲しい」という言葉をいただきました。

グループ内でそれぞれの受講生が「本日学びたいこと」を再確認し、講座が始まりました。

講座風景

この講座が始まったばかりの頃は、グループワークでもなかなか意見が出なかったり、ホワイトボードへの書き出しにとまどったりした受講生もいましたが、回を重ねることに、意見も活発に出るようになりました。

今回の事例は、花き小売り業界を5F分析を行い、何故事例の企業が、成功したのか。どのようにして他社との差別化を図ったのか、自分が経営者ならどのように行動していくかなど、グループ内で議論しました。

発表風景

後半では、アパレル業界について分析を行いました。

1990年代のアパレル業界の5F分析を行い、前半と同じように、何故事例企業が成功したか、競合他社との差別化はどうなっているか等をグループ内で議論し、おのおののグループ代表が発表を行いました。

発表風景

講師からは、

経営を捉えるためには、経営戦略、マーケティング、会計、財務、リーダーシップ等の多面的な視点を持ち合わせて、経営を俯瞰することの重要性を学びました。

企業がつまづくのは、正しい問いに答えを出したからではない。間違った問いに正しい答えを出しているから。

というドラッカーの言葉を引用し、一番最初の講義で学んだ「イシュー」の重要性を再確認させていただきました。

本日で、受講生のインプットは終わりました。次回(1月19日)最終回は、受講生による産業振興策の発表となります。

 

 

 

第9回 1月19日 発表会 全講座を通して学んだ内容を活かし、それぞれの立場から提案する「中小企業支援策」あるいは「地域活性化策」を発表する。

最終回。受講生の発表会でした。

発表内容は、自分の考える「地域活性化策」or「中小企業支援策」です・

今年度、講座で学んできたことを活かし、自分の思いをのせてのプレゼンテーションになりました。

発表風景

自分の業務を通じ、発表をする受講生。

発表風景

全く、業務外で新しい提案をプレゼンする受講生など様々な発表でした。

発表風景

発表風景

全ての受講生の発表は、大変素晴らしく、この日のために資料作成や発表の仕方を工夫したと思います。

各受講生発表タイトル [PDFファイル/171KB]

講評

発表後は、本講座の長崎コーディネーターから全受講生に対しての講評をいただきました。

全体写真

この講座で学んだことや出会った人たちは、各受講生の財産になると思います。おのおの組織も立場も異なりますが、地域をよくしていくために、これからも頑張っていきましょう。1年間お疲れ様でした。