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岡山県のシカ事情

岡山県のシカ事情

林業研究室だより



  ジビエブームということもあるのでしょうが、新聞やテレビで猟師や野生鳥獣被害の話題をよく目にするようになりました。
 これらのメディアで取り上げられる被害は、農作物に対することが大部分を占めていますが、農作物に関係のない山野草や山野の四季を特集した番組でも、シカの食害による衰退の危機を伝える一節を見かけます。
  県内ではシカによる森林被害が広まってきており、被害が多い地域で造林をする際には、防護柵を設置することが当たり前のようになってきています。
 その一方で被害が確認されていない地域では、関心が低いのが現状です。
 平成23年度から実施している市町村を対象としたアンケートで、県内のほぼ全域にシカの生息が確認されています(図1)。被害ありは、概ね東備、真庭、津山、勝英地域で、被害なしは倉敷、井笠東部地域で、その他の地域は年によって回答が変わりました。

西粟倉村で撮影したニホンジカの写真

 市町村アンケート結果

図1 市町村アンケート結果(H26)

  有害鳥獣駆除班を対象としたアンケートによると、これらの地域では、軽微な被害と被害なしの地域が点在していることが分かりました(図2)が、すでに被害が出始めている地域も被害が局所的で、しかも軽微であるため、市町村に報告するまでもないと判断しているケースがあると推測されます。
  一般的に、田畑や造林地で食害が発生した場合を被害と認識し、雑木林や耕作放棄地等での食害は気がつかないか被害と認識していないことが多いようです。
被害が目に付くようになった時には、すでにある程度の個体数が生息していると考え、早めの対策に努めることが必要です。

猟友会アンケート結果

 図2  被害状況(駆除斑アンケートH26)

近年、シカの捕獲数が大幅に増加しており、特に、有害鳥獣駆除等、狩猟以外による捕獲の増加は目を見張るものがあります(図3)。

糞塊密度の比較   

   図4 糞塊密度の比較(H27/H24)

有害捕獲数の推移
  その一方で、被害が確認されている地域は拡大を続けており、被害対策の難しさが窺えます。
  生息状況の把握のために実施している、糞塊調査の平成24年と平成27年の結果を比較したところ、シカによる被害が深刻な県北東部で糞塊密度が減少していました(図4、図5)。

  他地域と比較すると、糞塊数は多く、被害も深刻な地域ですが、同地域及びその周辺では活発に捕獲活動が実施され、このことが影響していると考えられます。このような活動を継続することで、今後被害の軽減に対しても良好な結果につながると思われます。
  現在、効果的な被害対策を目指して研究を進めていますが、そのひとつとして、効率的な捕獲技術についても技術提案できるよう検討中です。

 

 

糞塊密度調査結果

図5 糞塊密度調査結果(H27)