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ヒノキの「良さ」に関する再考

ヒノキの「良さ」に関する再考

木材加工研究室だより

1 ヒノキの固定概念
  我が国ではヒノキという言葉に対し、「高級」、「和風」、「伝統的」といった印象が定着してい ます(図1)。この固定概念は、伝統建築や和室の構成部材としての需要獲得に対する大き な武器の1つであると考えられます。

ヒノキに対する印象は?

2 若年世代における印象の変化

  一方、実際のヒノキ内装モデルを用いた、視覚的印象調査を行ってみると、比較的高齢の世代では、ヒノキ内装モデルにやや「和風な」印象を抱いたのに対し、より若齢の世代になるほど、その印象が薄れ、代わりにやや「現代的」な印象を抱く傾向が見られました(図2中の破線で囲まれた部分)。この結果は、先述のヒノキの固定概念とは反するもので、若齢世代において、従来の固定概念が薄れつつあることを示唆しています。

ヒノキ無垢内装モデルを見たい際の、消費者の世代別印象評価傾向

3 固定概念が薄れると?

  ヒノキの固定概念が薄れるとどうなるでしょうか?まず、伝統建築や和室におけるヒノキの優位性が薄れることが危惧されます。一方で、より多様な住宅様式に適応出来る可能性も拡がるでしょう。しかし、ここで良く考えなければならないのは、いずれの場合も今後ありとあらゆる建材と、先入観なしの同じ土俵で競合していかなければならないという ことです。

4 ヒノキに期待されていること

 様々な競合製品の中から敢えてヒノキが選択されるための「良さ」は何でしょうか?一般県民へのアンケート調査で1つの明快な回答が得られました(図3)。複数選択式で選択された全項目の中、「香り」の選択数は約半数を占めます。回答者の割合で見ると、約9割が「香り」を選択していました
ヒノキの良さはなんですか?

5 ヒノキだけの「良さ」とは?

 ヒノキの香りは、ヒノキチオールやガジノール等、ヒノキ科に特有な成分に由来するもので、他にはない香りです。ほとんどの消費者がこの香りをヒノキの「良さ」として認識しているわけですから、生産者側も競合製品に対する大き
な武器として認識すべきです。
今後は、香りを出来るだけ失わない加工技術の開発や、香りの良さを意識づける普及活動等、香りを軸とした将来戦略が重要になると考えます。