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02 どのようにして木は大きくなるの?

印刷ページ表示 ページ番号:0419816 2022年6月27日更新森林研究所
 木が大きくなるのは、空気中の二酸化炭素(CO₂)を葉から吸って、炭素(C)を幹や枝に蓄えていくからです。
 そのメカニズムをお話しましょう。
 まず水。たいていの木は枝を斜め上向きに広げています。降った雨水は枝から幹の表面を伝って、できるだけ自分の根の近くに集まり土にしみ込みます。
 枝には葉っぱがあり、日光を効率よく受けようと広がっています。葉は日光で温まり小さな穴(気孔)から水が蒸発します。蒸発すると木の中の水圧が低くなり、ストローで吸い上げるように根から水を吸い上げます。
 水には養分(窒素N、リンP、カリKなど)が溶けています。これらの養分はもとはといえば、葉っぱが落ちて微生物に分解されて土になったものです。
ある種類の木は、自分で空気中の窒素を吸って根に蓄える働きをもつものもあります。
 さて、では、本題の炭素。
 葉っぱには葉緑素(クロロフィル)という光エネルギーを吸収して化学エネルギーに変換する物質があり、日光と水の作用で空気中の二酸化炭素(CO₂)を吸って炭素(C)を体内に蓄え、酸素(O₂)を吐き出します。
 木は自然のクリーンな化学工場です。これほどの精密な酸素製造工場を作ろうとすれば、莫大なお金と設備が必要でしょう。
 木が大きくなり続けているということは、空気中から葉っぱを通して幹や枝に炭素を蓄え続けているということであり、二酸化炭素を吸い酸素を吐き出し続けている、ということなのです。
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葉緑素(ようりょくそ)は、クロロフィルとも呼ばれ、緑色植物の光合成において光エネルギーを吸収し光化学系に伝達する光受容体の主体となる光合成色素で、葉緑体のチラコイド中に存在する。窒素とマグネシウムを構成元素とする化合物である。
光合成は、植物が光エネルギーを利用して水と二酸化炭素から炭水化物を合成する作用のことであり、光エネルギーを化合物の化学結合エネルギーに変換するエネルギー代謝の一過程である。
(出典:森林・林業百科事典)