宮城県における震災復興事業に伴う埋蔵文化財発掘調査について(第5回)上                   

文/宮城県教育庁文化財保護課 技術補佐(総括担当) 天野 順陽

   


 宮城県の天野です。今年もよろしくお願いします。
 今年度は、平成28年度派遣職員の御紹介と、復興調査の予定や成果等について、2回に分けてお伝えします(米田さんの報告も御参照下さい)。

1 派遣職員について
(1)平成28年度派遣職員の着任
 平成24年度から被災3県(岩手・宮城・福島県)に全国から埋蔵文化財専門職員を派遣いただいており、今年度は、宮城県に5人、沿岸市町に8人の計13人を派遣いただきました(図1・2)。  
 宮城県には、(北から)長橋さん(山形県)、飯坂さん(新潟県)、須田さん(群馬県)、永惠さん(兵庫県)、米田さん(岡山県)の5名の支援をいただきました。このうち、前3者は平成27年度からの継続派遣です。岡山県からも、平成24年度以降、継続して支援をいただいており、大変助かっております。派遣元の皆様に改めて感謝いたします。
   
(2)派遣職員数の推移
 宮城県への派遣職員数は、復興道路建設や高台移転などの大規模事業に伴う調査が多かった平成24〜26年度がピークで、平成25年度には宮城県に24名が派遣されていますが、その後は、高速道路や高台移転などの大規模事業に伴う調査が終了したことにより、派遣職員数も徐々に減少してきています。
 しかし、昨年度もたびたび報告しました山元町や石巻市などの市町では、今後も相当数の復興事業が見込まれていることから、まだまだ復興調査は続くものと思われます。 宮城県としては、全国の皆様にこれ以上負担をおかけしないよう、調査体制の強化に努めてまいりますが、もうしばらく職員派遣について御理解と御協力をいただきたいと思います。

宮城県への派遣職員 派遣職員

2 復興調査の予定
 宮城県で行われる復興事業は、@復興道路建設・JR常磐線移設事業、A高台移転事業、B県市町道建設、C被災水田の整備(圃場整備)、D被災中小企業・個人住宅の再建事業に大別されます。平成27年度までに、@Aの大規模事業に係る調査はほぼ終了し、今後はB〜Dの比較的小規模な調査が中心になっていきます。@Aの大規模調査が迅速に進められたのは、全国からの支援があってのことと思っています(図3・4)。
 今年度は、@の三陸沿岸道路建設に伴う気仙沼市石川原〈いしかわら〉遺跡・小屋館城跡〈こやだてじょうあと〉、Cの圃場整備に伴う多賀城市山王〈さんのう〉遺跡・内館館跡〈うちだてたてあと〉などの調査が実施・予定されております。このほか、山元町合戦原〈かっせんはら〉遺跡や石巻市中沢〈なかざわ〉遺跡・羽黒下〈はぐろした〉遺跡など昨年度までに調査した遺跡の報告書作成も行われています。

試掘・確認調査対象の遺跡数" 試掘・確認調査後、本調査となった遺跡数




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