第9回  実習農園の遺跡−小池谷B遺跡〈こいけだにびーいせき〉−

 美作岡山道路建設に伴い、黒土の丘の上にある勝間田高校の実習農園跡地で発掘調査を行ってきましたが、平成23年11月に無事終了しました。
 ここで見つかったのは弥生時代中期後葉から後期前葉(2,000年から1,900年前)にわたる集落跡です。
 5軒見つかった半地下式の住居跡の中には、住まいと思われる大きな円形住居のほかに作業場のような小型の方形住居もあります。また、平地に柱を掘り据えた建物跡が5棟見つかっています。その多くは倉庫と考えられますが、長さが7mを超える大型の建物はこの集落の中心的な役割を担っていたようです。
 この時期、美作地域では数多くの集落が営まれましたが、この遺跡もその1つであったのでしょう。
 ところで、かねてからこの遺跡を熱心に調べていた人がいます。勝央町の文化財保護委員として尽力された故長船忠夫さんです。長船さんは勝間田高校に勤めるかたわら、実習農園から見つかる土器や石器を拾い集めて記録を残しましたが、それはこのたびの調査でも大いに役立ちました。
 長船さんが追い求めた弥生集落の全貌はようやく明らかになりましたが、それも美作岡山道路の完成とともに姿を消す運命にあります。
 今、長船さんは泉下にあってどのような感慨を抱いているのでしょうか。
見つかった竪穴住居
見つかった竪穴住居
(西側半分が現在の道路の下であるが、
復元すると直径約8mの大きさである)

*『広報しょうおう』2012.1月号掲載記事を一部改変して転載


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