第8回  2人一緒に−岡東高塚遺跡〈おかひがしたかつかいせき〉−

 皆さんは偕老同穴〈かいろうどうけつ〉という言葉をご存知ですか。同じ墓に入るまで添い遂げる仲の良い夫婦という意味です。ふるさと農道が縦断する間山の一画を発掘している時、この言葉を思い起こさせるような墓が見つかりました。
 それは、砂利を敷き詰めた一辺60cmほどの四角い穴の中に、2つの骨壺と酒?を容れた壺を納めたものです。高さ30cmほどの玉ねぎのような形をした骨壺の口は食器を使って封じられていましたが、その中には焼けて細かく砕けた骨がぎっしりと詰まっていました。骨壺の特徴からすると、今から1,300年前の奈良時代につくられた火葬墓と考えられます。
 当時はまだ、仏教がようやく広まったばかりで、火葬という風習も貴族や僧侶の間で行われていたにすぎません。そうした中で荼毘〈だび〉に付された墓の主は、役人として重きをなしたこの地の有力者であったのかもしれません。
 残念ながら、専門家による鑑定を経ていないため、この2人の年齢や性別、間柄などは分かりません。しかし、相前後してこの世を去り、同じ墓に葬られたこの2人に、仲むつまじい老夫婦の姿を重ね合わせるのはわたしだけでしょうか。
骨壺が並んでいる様子
並べて納められた骨壺

*『広報しょうおう』2011.12月号掲載記事を一部改変して転載


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