第18回 仏堂をかたどる棺(ひつぎ)−五反逧古墳〈ごたんざここふん〉−

 スリッパを折り曲げたような形をした奇妙な焼き物(写真)を、皆さんは何だと思いますか。
 現在、東京国立博物館に収められているこの焼き物は、今から40年ほど前、勝央中学校の近くにあった古墳から掘り出されました。高さは19pほどあり、表面には波形の文様が描かれています。その後、出土場所の発掘が行われ、陶棺(焼き物の棺〈ひつぎ〉)に取り付けられた飾りと見られるようになりました。
 この焼き物がつくられた7世紀(飛鳥時代)には仏教文化が地方へと広がり、この地域でも寺院が相次いで建立されました。この焼き物は、こうした寺院の屋根の上に火災除けのまじないとしてあげられた鴟尾〈しび〉をまねたもののようで、家形をした棺を仏堂になぞられたのかも知れません。
 同じように、この時期につくられた陶棺の中にはハスの花やつぼみをデザインしたものがあり、仏教という新来の文化にあこがれたこの地の有力者が葬られていたのでしょう。
五反逧古墳の陶棺鴟尾をまねた飾り
五反逧古墳の陶棺(間壁忠彦氏復元) 鴟尾をまねた飾り

*『広報しょうおう』2012.10月号掲載記事を一部改変して転載


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