第12回 安らぎの場所−小池谷遺跡〈こいけだにいせき〉−

 小池谷遺跡は、黒土地区を南に見下ろす標高120mの丘の上にあります。美作岡山道路の建設に先立ち、平成23年9月から発掘調査を進めてきましたが、この丘の先端で、1mほどの高さに土を盛り上げた長方形の高まり(塚〈つか〉)が見つかりました。
 この塚を覆っている腐植土を取り除くと、一面に敷き詰められた河原石が現れました。その中には五輪塔の石材も混じっています。こうした様子を写真や図面で記録した後に掘り下げていくと、その下から備前焼の骨壺や火葬骨のつまった穴が次々と見つかったのです。
 そして、盛り上げた土をすべて取り去ると、2mもある大きな墓穴が現れました。これは遺体を直接埋めたあとで、この塚を築く契機となった人物の墓と思われます。
 この丘のふもとでは堀で区切られた敷地に建つ建物跡が見つかっていますが、この塚に葬られた人々もこうした屋敷に暮らしていたのでしょうか。
 この塚がつくられた室町時代(600年前)、美作国では山陰の山名氏と山陽の赤松氏の間で争乱が繰り広げられ、この一帯に開かれた荘園も武力による支配を受けることとなります。この塚は、こうした戦乱の世に生まれ合わせた人々が最後にようやくたどり着いた安らぎの場所であったのかも知れません。
備前焼の骨壺
見つかった備前焼の骨壺

*『広報しょうおう』2012.4月号掲載記事を一部改変して転載


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