第1回   狩人たちのすがた−大河内遺跡〈おおこうちいせき〉−

 滝川の岸辺にある黒土の大河内遺跡は、弥生時代から鎌倉時代の集落遺跡です。この遺跡を発掘していると、表面が白く風化した石のかけらがいくつか掘り出されました。それを手にした調査員は驚きます。それは、日本人が土器をつくり始めた縄文時代草創期〈そうそうき〉(約13,000年前)の石器だったのです。
  そこで、地面を慎重に掘り下げていくと、約1,500点もの石器が続々と見つかりました。中でも神子柴型(みこしばがた)と呼ばれる伐採用の石斧は、石を打ち欠いて長さ約17pの棒状に整えたうえ、丸ノミのような刃先を丁寧に磨き上げたもので、東日本に多く見られる石器です。岡山県下で5例目の発見になりました。
  このほか、槍先に使う茎〈なかご〉を付けた精緻なつくりの有茎尖頭器〈ゆうけいせんとうき〉や木の葉形をした木葉形尖頭器〈もくようけいせんとうき〉、矢の先に付ける石鏃〈せきぞく〉といった狩猟の道具も出土しました。
  このように多様な石器がまとまって見つかることは大変珍しく、しかもこうした石器をつくったあとも確認されていることから、木を伐り石を打ち欠いてつくった道具を携え、獲物を求めて山野を駆けめぐった当時の人々の生活ぶりを伝える貴重な資料として大いに注目されます。

石斧と尖頭器
       石斧             槍先(尖頭器)

*『広報しょうおう』2011.6月号掲載記事を一部改変して転載

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