センタートップ > 鬼ノ城トップ > 調査員便り平成22年8月号 

 このコーナーは、現場の調査員(平成22年度はK・O・Uの3人組!)からのホットな情報をお届けします。
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成22年8月号>

 2010年8月23日(火曜日)

もう限界!

寒冷紗の下での作業

 8月中旬に入ってから記録的な猛暑が続いています。今日は二十四節気のひとつ「処暑」。暑さも一段落するはずの時季なのに、最高気温36℃、何日連続の猛暑日などと告げる天気予報に朝からウンザリ、何だか現場への足取りも重くなります。
 鬼ノ城は下界より多少は気温が低く(そのはず)、日除けの寒冷紗を張っての作業とはいえ、連日の猛暑に作業員さんたちも調査員もバテ気味、いや本当にバテてしまいました。ああ恨めしや、太平洋高気圧。9月も平年より暑い日が続くという予報が出ています。いつになったらこの責め苦から解放されるんでしょうか・・・?(O)

 2010年8月20日(金曜日)

この穴の正体は?

謎の被熱土壙

 暑さの中、いつものように土を掘り下げていたら、周囲とは色が少し違う部分が見つかりました。さらに慎重に土を取り除くと、縁が赤く焼け、内部に炭がたくさん入った穴が現れました。私たちはこれを「被熱土壙」(ひねつどこう)と呼んでいます。目的は不明ですが、地面に浅い穴を掘って、その中で火を焚いていたようです。このような穴は城内でしばしば見つかり、鬼ノ城廃絶後の平安時代のものと考えられています。平安時代といえば鬼ノ城一帯に山岳寺院が展開していた頃で、この「焚き火」はお坊さんの修行や儀式と何か関係があるのかなとも思いますが、関連する遺構や遺物も少なく、いまだによく分からないままです。(O)

 2010年8月18日(水曜日)

鬼ノ城の水門

緑に埋もれる第5水門

 鬼ノ城では水門が6か所見つかっています。ただ、当時の排水の様子が再現されている水門は、第0〜2水門の3か所のみです。現在関連施設の調査を行っている第5水門の排水口(写真)は、今ではまったく機能していません。水は第5水門石垣の下の地面を貫流しています。第3水門では石垣の横に新たな水路ができてしまい、水はそちらから城外へ流れ出ています。また、第4水門は城内で最も水量が豊富な地点に設置されているため、長年の流水により排水口が完全に破壊されてしまいました。自然の流れを人間の思いのままにコントロールし続けることは、かなり難しいようです。(U)

 2010年8月11日(水曜日)

粘りついたら放さない

モウセンゴケの花と葉

 今回は、鬼ノ城の湿地に生える変わり種の植物、モウセンゴケを紹介しましょう。かわいらしい白い花とは裏腹に、葉に密生する赤い毛の先にはねばねばした液体がついていて、うっかり止まった虫を捕まえて「食べて」しまうという恐るべき植物です。いつもは虫が植物を食べるのに、まさか植物に食べられるとは、虫にとってはとんだだまし討ちですね。植物を代表して仕返し、というわけではもちろんなくて、養分が少ない湿地に生えるモウセンゴケにとっては、虫も貴重な栄養源になるのです。こんなユニークな植物が観察できるのも鬼ノ城のおもしろいところ。湿地内は立ち入り禁止ですが、遊歩道のそばにも時々生えているので探してみてください。(O)

 2010年8月5日(木曜日)

石垣と敷石を発見

姿を現した石垣と敷石

 7月6日の調査員便りで、第5水門裏の「土手の前面には石垣と敷石がほどこされていると思われ」ると書いていますが、調査を開始してから1ヶ月余り、ようやく石垣と敷石が姿を現しました。とは言え、まだ部分的に検出できたに過ぎません。今後、石垣や敷石がどのように巡っていくのか、どのように設置しているのか、使用している石材は何なのかなど、土手の構造解明に向けて調査を進めていく予定です。(U)