センタートップ > 鬼ノ城トップ > 調査員便り平成22年1−3月号 

 このコーナーは、現場の調査員(H21年度はM・O・Iの3人組!)からのホットな情報をお届けします。
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成22年1−3月号>

 2010年3月24日(水曜日)

平成21年度の総まとめ

出土した羽口と鉄滓

 12月まで行った調査で出土した遺物を持ち帰り、1月〜3月に整理作業を行いました。現場では、城内3地点で計12基の鍛冶炉が明らかになり、うち1か所では長大な建物を伴う鍛冶工房跡を発見しました。今年度の調査で出土した鉄滓はおよそ2,000点、総重量50キログラムに及びます。合わせて釘、ヤリガンナ、楔(くさび)などの鉄製品も20点ほど出土しており、築城時に必要な鉄製品を主に製作していたのでしょう。引き続き、詳細な調査、分析を進めたいと思います。
 平成22年度はまた別の地点で発掘調査を行います。その成果にご期待ください。(M)

 2010年3月11日(木曜日)

乗らば大樹の肩?

ヒノキバヤドリギ

 常緑樹のソヨゴやヒサカキから、サボテンのような形をした変な枝が生えています。これは他の木に寄生するヤドリギの仲間で、姿がヒノキの葉に似ることから「ヒノキバヤドリギ」という名前が付いています。こうして宿主の枝にしっかりと根を食い込ませ、栄養分を横取りしているのです。鬼ノ城では城壁沿いの遊歩道でよく見られます。
 こう書くとずいぶんちゃっかり者と思えますが、いいことばかりではありません。地面や葉の上に落ちた種は生長できずに死んでしまいますし、宿主の木が枯れてしまえば有無を言わさず道連れです。居候にも居候なりの苦労あり!?。(O)

 2010年2月16日(火曜日)

緑よ、よみがえれ

植樹作業の様子 当たり前のことですが、発掘調査は土を掘り返さないとできません。土を掘るためには、まず地表に生えている草木を伐採する必要があります。土は埋め戻せても、いったん切ってしまった草木はもう元に戻らず、緑におおわれた城内で、発掘の跡地だけが大きな穴になってしまいます。
 今日は、そんな「はげ山」を緑の山に戻すため、地元の小学生による植樹が行われました。めいめい手にした鍬で小さな穴を掘り、コナラやアラカシの苗木を丁寧に植えていきました。きっと何十年かたてば木も大きく成長し、多くの生き物を育む森林が復活しているに違いありません。今日の作業は、そのためのささやかな第一歩です。(O)

 2010年1月5日(火曜日)

整理作業始まりました

整理作業の様子 今日からセンターで、出土遺物や図面の整理作業が始まりました。今年度の遺物を見てみると、土器などが少ない一方で、鉄滓・鍛造剥片・ふいごの羽口といった、鍛冶工房ならではの遺物が目立っています。どれもこれも、焦げ茶色の塊ばかりであまり見栄えはしませんが、これらの遺物を詳しく観察することで、当時の鍛冶作業の様子がさらにはっきりと見えてくるかもしれません。さあ、どこからどう手をつけたものやら・・・?(O)