センタートップ > 鬼ノ城トップ > 調査員便り平成21年8月号 

 このコーナーは、現場の調査員(H21年度はM・O・Iの3人組!)からのホットな情報をお届けします。
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成21年8月号>

 2009年8月27日(木曜日)

怪奇!セミの幼虫に角が・・・

冬中夏草

 今日もまたまた変なものが「出土」しました。といっても今度は遺物ではありません。死んだセミの幼虫なのですが、一体どうしたことか、頭から細長い角のようなものがヒョロヒョロと伸びています。これはたぶん「ツクツクボウシタケ」という冬虫夏草(とうちゅうかそう)の一種と思われます。冬虫夏草というのは、昆虫に寄生するキノコ類の総称で、運悪く寄生された昆虫は栄養をすっかり吸い取られ、死んでしまうのです。何年も地中生活をしながら地上を夢見ていた(?)のに、キノコの肥やしとなってしまったセミの幼虫さん、お気の毒でした(合掌)。(O)

 2009年8月25日(火曜日)

縄文人ここにあり

石鏃

 今日は、一風変わった遺物が出土しました。土を削っている時に出てきたのは、指先にのるほどの小さな石鏃(石で作った矢じり)です。さすが城跡だけに、矢じりが出土するのも納得・・・ではありません。この石鏃は鬼ノ城よりもずっと古くて、じつに縄文時代のものなのです。城内ではこれまでにも、縄文時代の落とし穴や石器などが散発的に見つかっており、狩猟の場となっていたようです。はるか縄文の昔、ふもとの平地から弓矢を携え、こんな山の上にまで獲物を追った狩人たちの勇ましい姿が想像できますね。(O)

 2009年8月18日(火曜日)

土の中から続々と

鉄滓

 今月初めに鉄滓が出土した場所で、本格的な掘り下げが始まりました。慎重に土を取り除いていくと、予想通りに鉄滓が続々と見つかりました。最初は石との区別に戸惑っていた作業員さんたちもすぐに慣れて、見つけるたびに赤白のピンポールを目印に立ててくれました。その一方で、斜面の下の方では全く見つかりません。どうやら、鉄滓はこの場所に集中しているようです。果たして、この下に何が埋まっているのか。9月の大公開では、皆さんに何を見ていただけるのでしょうか。(O)

 2009年8月5日(水曜日)

絶妙のタイミング!

広報番組の取材

 今日は朝から広報番組の取材がありました。もともとは調査現場の撮影と9月の調査大公開の紹介を予定していたのですが、ここで思わぬハプニングが。掘り下げていた表土の中から、いきなり小さな鉄滓が転がり出てきたのです。鉄滓とは、製鉄や鍛冶などの作業をした時にできる鉄のかすのこと。つまり、この周辺でそういった仕事が行われた動かぬ証拠です。場所柄、可能性としては鉄の道具や武器の製作、修理といったところでしょう。急きょ、広報番組のほかに追加の取材も行うことになって、夕方のニュースを飾ったのでした。今後は、実際に作業を行った炉跡などの発見に期待がかかります。(O)

 2009年8月3日(月曜日)

鬼ノ城名物赤トンボ

ハッチョウトンボ

 鬼ノ城の内部に数か所ある湿地では、日本最小のトンボである「ハッチョウトンボ」を見ることができます。雄は胴体が真っ赤ないわゆる赤トンボ、雌は黄色と黒との地味な模様です。写真ではわかりにくいですが、実際の体長は2cmほどのかわいらしいトンボです。
 ハッチョウトンボは飛翔力が弱く、住み家の湿地をあまり離れません。そのため、開発などで湿地がなくなるとたちまち絶滅の危機にさらされます。鬼ノ城に彼らが生息していることは、それだけ良好な湿地環境が保たれている証拠といえます。(O)