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 このコーナーは、現場の調査員(H20年度はM・O・Iの3人組!)からのホットな情報をお届けします。
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成20年9月号>

 2008年9月22日(月曜日)

「地獄」?の埋め戻し始まる!

埋め戻し作業

 今年度、第1回目の「城内調査大公開」も多くの方々に参加していただき盛況のうちに終わりました。それでは、ここで一息・・・といきたいところですがそうもいきません。皆さんに見学していただいた調査区を埋め戻さないと、調査の前半戦が終わりません。
 公開の時にも何人かの人に聞かれました。「せっかく苦労して掘ったものを、なぜ埋め戻すのですか?」今、姿を表している1,300年前の鬼ノ城の建物の跡や造成の痕跡は、いずれも土や石でできています。長く風雨にさらされると、コケが生えたり、崩れてきたりと遺跡がどんどん悪い状態になってしまいます。そこで、元のように土で埋め戻してあげるほうが遺跡の痛みも進まず、良い状態を保つことができるのです。
 ところが、この埋め戻しの作業がかなりきついのです!作業員さん曰く「地獄の埋め戻し」!数え切れないぐらいの大量の土嚢を移動し、一つ一つ口を開けて土を戻す作業は、かなりハードです。まだ残暑も厳しい中なので、汗もダラダラ、腕もガクガクといった感じです。ただ、埋め戻しの作業もそんなに長くは続きません。10月からは、新たな場所の調査に入ります。新天地での発見を夢みながら作業を進めると、「地獄」も多少は「天国」に近づきますかな?(I)

 2008年9月16日(火曜日)

美しいミズアオイ

ミズアオイ

 鬼城山ビジターセンターの外に植えられているミズアオイが、今年も青紫色の美しい花を咲かせました。江戸時代後期に建てられた、備中国分寺五重塔の天井画にも描かれるほど、人々にもなじみ深かったミズアオイ。それが現在の岡山県内では、倉敷川の1か所に残るだけの超貴重種になってしまいました。もちろんレッドデータブックにも載っています。そんな珍しい植物を、栽培とはいえ間近に見られる場所はそう多くありません。また、駐車場の下にある学習見本園にも、ミズアオイをはじめたくさんの植物が保護されていますので、ぜひご覧ください。そして、かつての自然環境を思い浮かべ、それを守るために私たちになにができるか、考えてみませんか。(O)

 2008年9月14日(日曜日)

皆さん、ありがとうございました

谷地部分見学の様子

 大公開の最終日となった今日は、昨日・一昨日とはうってかわって天候に恵まれ、76名の方々を古代山城への旅にご案内しました。これで1週間にわたる大公開も無事終わり、調査員もほっと一息ついています。
 今回の大公開、いかがでしたでしょうか。1300年の眠りから覚めた礎石建物や、出土した土器などをじかに目にして、ありし日の姿を思い浮かべていただき、鬼ノ城への関心をさらに深めていただければ、担当者としてこの上ない喜びです。ご来場いただいた668名もの皆様、ありがとうございました。12月の第2回大公開で再びお会いしましょう! (O)

 2008年9月8日(月曜日)

第1回「城内調査大公開」始まる!

礎石建物見学の様子

 恒例の「城内調査大公開」が今年も始まりました。初日午前の部には81名もの方々が来場され、現場は大にぎわい。さすがは鬼ノ城、謎を秘めた古代山城に注がれる皆さんの熱い視線を実感しました。メインの礎石建物や遺物展示コーナーでは、参加者の方々から難しいご質問やご意見も飛び出し、冷や汗ものでした。鬼ノ城についてはまだまだ分からないことだらけで、皆さんの疑問にお答えするのも容易なことではないんですよね。
 また今日は、テレビ局の取材が5局もあり、代わる代わる現場作業の様子や来場者の方々へのインタビューも行われました。その晩、チャンネルを替えながら夕方6時台のニュースにかじりついたことはいうまでもありません。(O)

 2008年9月5日(金曜日)

はるか白亜紀を望む

露岩と屏風折れの石垣

 いまだ人類の影すらなかった、約8000万年前の中生代白亜紀。現在の中国地方にあたる地域では、地下深くで発生したマグマがゆっくりと冷えて固まり、石英・長石・黒雲母がごま塩状にまざりあった花崗岩が形成されました。この花崗岩こそ、鬼城山を構成する主要な岩石で、石垣や建物の礎石にも多用されています。
 さて、白亜紀というと恐竜たちが地上を闊歩していた時代。それなら恐竜の化石があるかも?と思われるかも知れませんが、残念ながらマグマが固まった岩石なので化石は含まれません。でも、城内のあちこちに露出した巨岩を眺めて、人類の営みとは比較にならない、何千万年というスケールで繰り広げられた大地のドラマを想像してみるのも、なかなか乙なものですよ。(O)

 2008年9月1日(月曜日)

全貌を現した礎石建物

新たに見つかった礎石建物

 今回は、7月の調査員便りでも少し触れた、礎石建物をご紹介します。形はほぼ正方形で面積は約26平方メートル。内部にも礎石がある「総柱建物」で、倉庫と考えられており、鬼ノ城で見つかっている5棟の倉庫の中では最小のものです。いったい、これらの倉庫には何が収められていたのでしょうか。やっぱり食糧?城だから武器?いろいろと想像はふくらみますが、残念ながら、今のところ解明の手がかりはまだ見つかっていません。皆さんはどんな可能性があると思いますか?(O)