このコーナーは、現場の調査員(H19年度はM・O・Iの3人組!)からのホットな情報をお届けします。  
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成19年11月号>

 2007年11月27日(火曜日)

虫たちも冬ごもり

飛び立つヘリコプター

 冬の気配が日増しに濃くなる今日この頃です。木々は次々に葉を落とし、昆虫たちもすっかり姿を消してしまいました。みんな寿命が尽きたり、冬眠に入ってしまったのかな?
 と思っていたら、テントや倉庫にカメムシが多数出没するようになりました。整理箱の中、重ねた画板の間、果ては長靴の中などなど。知らずにつぶしたら迷惑な話ですが、それ以上に大迷惑なのは、せっかく暖かい場所で冬ごもりしていたのに、あえない最後を遂げたカメムシ君のほうですね。でも、あと1か月でテントも小屋も解体なんですけど・・・そのときはカメムシ君たち、何とか次の場所を見つけて、がんばって冬を乗り切ってね。

 2007年11月26日(月曜日)

現場でパソコン?実は・・・

3次元測量の様子

 礎石建物のそばに突如出現したのは、黄色い三脚に載った奇妙な箱。その近くでは何やら座り込んでパソコンを操作しています。一体、何が始まるのでしょうか。
 実は、専門業者さんの協力を得て、礎石建物の3D計測をしているのです。この箱(正体は特殊な測量機械)は、緑色のレーザーを発射して、現場内をくまなくなぞって計測していきます。そのデータをパソコンに取り込むと、画面に現場の様子が立体的に、まるで箱庭のように再現されます。画像に色を付けたり、回転させてさまざまな方向から(地面の下からも!)眺めたりと、見方・使い方も自由自在。しばし自分の仕事を忘れ、画面に見入ってしまいました。  ただし、ひとつ注意。計測中は決して機械の前を横切らないこと。さもないと、人間の形がしっかりと記録されてしまいますよ。(O)

 2007年11月21日(水曜日)

空からパシャッと!

飛び立つヘリコプター

 発掘調査で見つかった建物の跡や、出土した土器などは、こまめに写真撮影して記録に残します。普段は地面に三脚を立てて撮っていますが、今日は空から撮影するため、ラジコンヘリの登場となりました。
 ヘリが土煙を巻き上げて離陸すると、今度はモニター画面とにらめっこしながら撮影カットを決めていきます。上空は風が強くて安定を保つのが難しく、操縦士さんも苦労していました。また、画面の映像は常に動いているので、シャッターチャンスは一瞬です。もちろん燃料にも限りがあり、いつまでも飛ばすわけにはいきません。そばで見ていると楽しそうな作業ですが、実際はなかなか神経を使うんですよ。(O)

 2007年11月13日(火曜日)

勢揃いした礎石たち

見つかった礎石建物

 今年最後の大仕事(埋め戻しを除く)?も作業員さんの豊富な運動量に支えられ、ついに完掘!千数百年以上も土に埋もれていた建物の礎石がついに姿をあらわしました。今回新たに見つかった礎石は8個、以前からわかっていたものを合わせて16個の礎石からなる建物であることが明らかになりました。
 今回見つかった建物は、内側の床も柱で支えて、重量物にも耐えられる構造をもつ総柱建物(そうばしらたてもの)で、倉庫として使用されていたと考えられます。周辺には他にも4棟の総柱の礎石建物が見つかっており、食料や武器などを収めていた倉庫群があったようです。あとは倉庫の中に収められていたものが見つかれば申し分ないのですが、なかなかそうもうまくはいきません・・・。
 調査も残すところあと1か月余り、野球でいうなら8回の攻撃を迎えたあたりでしょうか?いよいよ仕上げにかかりここが勝負所!最後までキッチリ仕事しまっせー(I)

 2007年11月12日(月曜日)

錦おりなすベニドウダン

美しいベニドウダン

紅葉の季節を迎えた鬼ノ城では、ヤマウルシの赤、リョウブやタカノツメの黄色などが、常緑樹の緑と見事なコントラストをなして、訪れる人の目を楽しませています。
 その中で一押しなのが、このベニドウダン(ツツジ科)。春から初夏にかけて、サンゴ玉を連ねたような真紅の花を咲かせることで有名です。そして秋には、紅葉というもう一つの顔を見せてくれるのです。1年に2回も晴れ舞台に立てるとは、何ともうらやましいですね。城内の遊歩道沿いでは、赤やオレンジ色に染まった葉が、秋の日射しを浴びて目にしみるほどの輝きを放っています。晩秋の鬼ノ城に最後の彩りを添えながら、間近に迫ってきた冬の予兆も感じさせる、印象的な光景でした。(O)

 2007年11月6日(火曜日)

松が紅葉!?

枯れた松林

 今年は紅葉の遅れが報じられていますが、鬼ノ城周辺では朱に染まったヤマウルシやカキノキの葉が目を楽しませてくれます。さて、池の向こうの山を眺めるとあちこちが赤茶色になっていて、きれいな紅葉だなあ、と思ったら・・・あれれ?なんでアカマツが紅葉するの?
 相変わらず、マツクイムシの被害がやまないようです。かつて、材木やたきぎの供給源として人々の生活を支えたアカマツ林も、管理されなくなった今ではマツクイムシの恰好の餌食になってしまいました。アカマツ林は自然林ではなく、人間の手が加わった場所に成立した二次林で、いわば人と自然との関わり合いの歴史を物語る証人ともいえます。枯れて元の植生に戻るのなら仕方ないかも知れないけれど、里山の風景として馴染みのあるアカマツ林にはやはり元気でいてほしいと思います。(O) 

 2007年11月5日(月曜日)

礎石を求めて

調査中の礎石

先週、先行して掘削したトレンチの底から、建物の礎石がきれいに3個並んで出てきました。これで建物の位置も見当がついたので、いよいよ全面的に掘り下げ開始です。この下からは、建物の床を支えていた柱の礎石が出てくるはず。またしても、ひたすら土掘りと土嚢運び、そしてピラミッド建設の日々が始まりました。礎石はすぐそこに見えているのに、そこまでの道のりはまだまだ遠い。ピンポールで探りながら、あと50cm、あと30cm・・・。これが今年度最後の大仕事(埋め戻しを除く)、建物をきちんと見つけて世に送り出して、有終の美をめざしましょう。(O)