センタートップ > 鬼ノ城トップ > 調査員便り平成23年11−12月号 

 このコーナーは、現場の調査員(平成23年度はK・S・Mの3人組!)からのホットな情報をお届けします。
 この便りから現場の様子、発掘の状況、作業員さんとのふれあい、季節の移り変わりなどを感じてみてくださいね。

<平成23年11−12月号>

 2011年12月27日(火曜日)

調査終了

最後の記念撮影 平成18年度から開始した「甦る!古代吉備の国〜謎の鬼ノ城」の城内調査は、いよいよ本日で最終日を迎えました。最終日の鬼ノ城は、このところのクリスマス寒波に見舞われ、うっすらと雪化粧。
 本日の主な作業は資材の撤収と、私、調査責任者としては、各調査区の最終確認(忘れ物がないかなど・・・)。これまで、数多くの発見と感動を与えてくれた鬼ノ城に感謝。でも、本音を言えば、ここまで大きな事故もなく、無事に調査を終えられたことが一番。
 最後に、作業員さん、そして鬼ノ城と記念撮影。いろいろとお世話になりました。(K)

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 2011年12月12日(月曜日)

最終日が見えてきました

土手状遺構と雪 12月は師走とも言いますが、現場では「先生」と呼ばれております調査員も、最終日が刻一刻と迫る中必死に走っております。特に今回紹介するD区では、今年度成果の目玉の1つでもあります土手状遺構の実測が最終段階を迎えています。
 昨年度も第5水門の裏で発見された土手状遺構ですが、今回は第3水門の上流で発見されました。両者に共通するのは、城壁と同じ規模で土塁を築いている点、土手の前後に石垣を備える点、そして、土手の背後に湿地帯を抱えている点です。この土手状遺構の役割としては、湿地帯に水を溜め、城内の水量を調節するダムとしての役割が考えられています。
 写真に写っている石垣が土手の前面石垣になります。状況としては、手前の緑色の機械を使って石垣を測っているところです。なにやら宙に白い物体が舞っていますが、調査終了まで残り2週間ですので、気にせず走り続けます。(M)

 2011年12月8日(木曜日)

待望の「雲海」

雲海 「鬼ノ城大公開」も終わり、いよいよ月末の撤収に向け、発掘現場も慌ただしさを増してきましたが、今日はあいにくの雨模様で発掘調査はお休みです。
 調査はお休みでも、われわれ調査員は発掘現場に異常がないか見回りを行うのが日課となっています。
 そのとき出会ったのがこの「雲海」です。過去の調査に携わった調査員や地元の人には、まれに見ることができると教わっていたのですが、半年通ってもなかなか見ることができなかったので、その幻想的な景色に感無量でした。季節や天候によって様々な表情を見せてくれている鬼ノ城ですが、心のアルバムに新たな1ページが加わりました。(S)

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 2011年12月5日(月曜日)

毎年恒例です

 11月28日(月曜日)から1週間にわたって開催しました城内調査大公開。。今年もたくさんの方にご参加いただきました。さて、例年の集合場所となっております第1展望台にはモミジの木がありまして、12月の大公開を合わせて見事に紅葉します。今年度はどうだったのでしょうか?写真で見てみたいと思います。
  左の写真は大公開の初日、11月28日の様子。確かに赤くなってはいますが、まだ少し赤さが物足りません。今年は昨年に比べて寒さがそれほどでもなく、山の上にある鬼ノ城でも暖かい日が多かったように思いますので、そのせいでしょうか。紅葉が遅れているようです。
  そこで少し時間を飛ばしてみたいと思います。右の写真をご覧下さい(12月4日)。見事な紅葉。大公開の間に雨が降ったこともあって燃えるような赤に染め上がりました。1週間前の様子と比べてあまりの様変わりにうらっちもビックリです。(M)大公開開始日のモミジ大公開終了日のモミジ










 


 2011年11月28日(月曜日)

続・火どころ

最後の記念撮影 いよいよ本日から、恒例の「鬼ノ城大公開」が始まりました!この週末に地元新聞で一面記事として取り上げられたこともあり、初日から大勢の見学者で賑わいました。写真はその様子です。
 10月20日の「調査員便り」で紹介しましたが、A1-2区では飛鳥時代の7世紀代のものと考えられる「火どころ」が多く検出されています。
 写真のほぼ中央に見えるのは、その中で最大の「火どころ」で、長辺約6m、短辺約3.7mの広さがあります。斜面を若干整地して形成されていました。最大といっても、試し掘り(トレンチ)を入れて断面を観察すると、実際は6つほどの火どころが複雑に重なって形成されていることがわかりました。この中には大量の炭の塊が焼土とともに含まれていました。
  炭は大きなものでは大きさ5pを超えるものも含まれていることなどから、この「火どころ」の性格は「炭窯」である可能性も考えられます。
 今後、類例の調査やサンプルとして採取した炭や焼土の分析を行い、遺構の性格を特定する努力をしていきたいと思います。(S)

 2011年11月22日(火曜日)

中学生の職場体験

中学生の職場体験 今日は岡山市立高松中学校の2年生3名が職場体験に訪れました。岡山県では【岡山チャレンジワーク14】と題して、中学生職場体験活動を推進していますが、その一環で来跡の運びとなりました。中学生は遺跡の説明と仕事内容の説明を聞いた後、さっそく図面作成や発掘調査体験を行いました。なれない仕事内容にはじめは戸惑っていましたが、順応も早く、コツをつかんで積極的に仕事に取り組んでいました。
 明日と明後日は岡山県古代吉備文化財センターに移動して体験を行う予定です。
 将来この仕事に就くか就かないかにかかわらず、一生に一度の職場体験を通じて、将来を考える機会になればと願います。(S)

 2011年11月21日(月曜日)

謎の「一本柱」

一本柱 A1-2区の調査を進めていると、堅い地山を1m近くも掘りくぼめている直径約60pの穴が見つかりました(上の写真中央あたり)。断面を観察すると(下の写真)、穴の下半分は掘った後にすぐに埋めていることがうかがえ、上半部の中央には直径約15pの柱の痕跡(土の色の違いもわかりますが、周りに比べ柔らかい土なので区別がつきます)が見いだせましたので、今のところ柱穴であると判断しています。
 そこでこの対になる柱穴を探すために、この周辺を半径3m以上発掘してみたのですが、「火どころ」以外は見つかりませんでした。今のところ、状況証拠から「一本柱」と考えられるのですが、柱が独立して立っていたのか?何らかの建物に伴うものなのか?謎は深まるばかりです。
 ちなみにこの穴の底付近にみえるのは、飛鳥時代の須恵器で、杯蓋を硯に転用した「転用硯」でした。1点のみの出土ですが、この遺構の時代を示唆する大切な資料です。(S)