その1 (平成30年6月21日更新)

 一般国道53号津山南道路改築工事に伴い、昨年度に引き続いて4月から、桑山南古墳群の発掘調査を行っています。この古墳群は、皿川左岸の嵯峨山〈さがやま〉山塊から東方に延びる丘陵端に築造された4基の円墳からなり、群集墳〈ぐんしゅうふん〉の研究で有名な「佐良山〈さらやま〉古墳群」を構成する小群の1つにあたります。
 このうち、6世紀末〜7世紀初め頃に築かれた1号墳(直径約14m)の横穴式石室からは、陶棺〈とうかん〉が縦に2基並んで見つかりました。陶棺とは、美作地域の古墳時代の埋葬で多く用いられた土製の棺〈ひつぎ〉のことです。これらの2基は、いずれも土師質〈はじしつ〉で亀の甲羅のようなかたちをしており、その底面には多くの円筒形の脚を付けて、棺全体を支えています。石室内は盗掘を受けていましたが、数十個体の須恵器〈すえき〉や土師器〈はじき〉、鉄製の馬具・刀・鏃〈やじり〉や金銅製の耳環〈じかん〉などが出土しました。なかでも、手で振ると“カラカラ”と音が鳴る「鈴付き高杯」は、県内でも出土例が少なく貴重な遺物です。今年度は桑山南古墳群の南側の丘陵に位置する細畝古墳群の調査にも着手しており、新たな発見が期待されます。

桑山南古墳群1号墳の全景 2基の陶棺が納められた1号墳の横穴式石室の様子
桑山南古墳群1号墳の全景 2基の陶棺が納められた
1号墳の横穴式石室の様子
石室内で見つかった金銅製の耳環(耳飾り) 脚部の中に土製の鳴り玉が入っている鈴付き高杯
石室内で見つかった
金銅製の耳環(耳飾り)
脚部の中に土製の鳴り玉
が入っている鈴付き高杯

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