その4 (平成30年3月16日更新)

 例年になく強烈な寒波が訪れたこの冬、南山城跡の西側で見つかった南山明地2〜4号墳では埋葬施設をそれぞれで確認し、調査は大詰めを迎えました。
 調査区の西端に位置する2号墳とその東隣に位置する3号墳では、それぞれ墳丘の中央で埋葬施設となる墓坑を1基ずつ確認しました。墓坑の構造や板石の有無などから、2号墳は木棺、3号墳は箱式石棺を納めた可能性が考えられます。
 さらに3号墳の東隣に位置する4号墳では、墳丘中央の南側と東側でそれぞれ墓坑が見つかりました。南側の墓坑は主軸を東西方向、東側の墓坑は主軸を南北方向に向け、整然と配置されています。ともに平面形が長方形を呈する墓坑に木棺を納めた構造と考えられ、棺内の底全体に5p以下の玉砂利を丁寧に敷いている点が共通しています。
 このうち、東側の墓坑では棺内の西端北寄りに鉄製品3点(鉾、鎌、鍬・鋤の刃先)がまとまって副葬されていたほか、これら鉄製品のすぐ南側では十数点の滑石製臼玉が散らばった状態で見つかりました。これらの副葬品の組み合わせから4号墳は古墳時代前期後半から中期前半に築造されたと考えられます。
 今年度は南山城跡の西側を中心に調査した結果、弥生時代中期の集落跡や古墳3基などが見つかり、南山城が築かれる以前の遺跡の様子を明らかにすることができました。

2〜4号墳の調査状況 4号墳の埋葬施設
2〜4号墳の調査状況(東から) 4号墳の埋葬施設(南から)
4号墳の東側の墓坑 鉄器出土状況
4号墳の東側の墓坑(東から) 4号墳(東側の墓坑)の
鉄製品出土状況(南東から)

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 その3 (平成30年1月9日更新)

 夏から秋にかけて、南山城跡の西側尾根上にある古墳群とその南斜面を中心に調査を進めてきました。調査区西端の2号墳に続いて、3号墳と4号墳でも円形の墳丘とその周りを囲う溝(周溝)を確認しました。3号墳は直径約9mと2号墳よりもやや小ぶりな古墳である一方で、 古墳群の最も東に位置する4号墳は直径約14mと今回調査を行った古墳のなかで最大の規模であることが明らかになりました。4号墳の周溝からは土師器の壺の破片がまとまって見つかり、この古墳の時期を知る上で重要な資料と言えます。  
 また、尾根の南斜面では、これまでに見つかっていた弥生時代の竪穴住居や溝に近接して、 長方形の穴(土坑)が計6基見つかりました。穴の大きさは長さ180p、幅100p、深さ60p前後です。このうち1基からは石鏃が出土しており、時期は弥生時代中期と考えられます。これらは穴の形や大きさなどから、墓である可能性があります。

4号墳の調査風景 4号墳周溝の土器出土状況
4号墳の調査風景(東から) 4号墳周溝の土器出土状況(北から)
南斜面の溝と土坑群 墓の可能性がある土坑
南斜面の溝と土坑群(西から) 墓の可能性がある土坑(南西から)

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 その2 (平成29年9月19日更新)

 厳しい暑さが続いた夏は、南山城跡の西側にある古墳群を中心に調査を進めてきました。調査区内の最も西側にある2号墳では古墳の周りを円形に囲む溝(周溝)を確認し、直径10mほどの円墳であることが分かりました。周溝は幅2m前後、深さは最も深いところで60p近くあります。周溝内では土師器〈はじき〉の破片がわずかに出土しました。
 また、古墳群の南側の丘陵南斜面では竪穴住居が見つかっています。この住居は平面形が直径4m程度の円形です。現在、詳しく調査中ですが、住居床面の中央付近では弥生土器がまとまって見つかっており、時期は弥生時代中期ごろと考えられます。
 調査が進むにつれて、この遺跡では城跡と古墳群に加えて、弥生時代の集落跡が広がっていることも分かってきました。

2号墳の調査状況(東から) 弥生時代の竪穴住居(南東から)
2号墳の調査状況(東から) 弥生時代の竪穴住居(南東から)

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 その1 (平成29年5月23日更新)

 小田川合流点付替え事業に伴い、4月から南山城跡の発掘調査が始まりました。
 南山城跡は、倉敷市真備町・船穂町に所在し、北から流れてくる高梁川と、西から流れてくる小田川が合流する地点を見下ろす、見晴らしの良い丘陵の上に造られています(写真左)。この城跡は中世の山城として以前から知られており、曲輪<くるわ>、土塁<どるい>、堀切<ほりきり>、畝状竪堀<うねじょうたてぼり>などの遺構が地表面で確認できます。
 また、南山城跡が位置する丘陵は、古墳が数多く築かれていることでも知られています。墳長約60mの帆立貝形<ほたてがいがた>を呈する天狗山<てんぐやま>古墳をはじめ、全長約30mの前方後円墳である小ぐろ古墳や、直径約10mの円墳が25基まとまっている南山古墳群などが確認されています。今回の調査地においても、南山城跡の西側で小形の円墳を4基確認しており、このうち調査範囲内の3基をただいま調査中です(写真右)。
 調査はまだ始まったばかりですので、今後の成果にご期待ください。

南山城跡遠景(南から) 古墳周辺の調査のようす(南東から)
南山城跡遠景(南上空から)
(左が小田川、右が高梁川)
古墳周辺のようす(南東から)

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