ケータイに潜む問題と危険
具体例

ケータイは、非常に便利な道具です。ですが、使い方を誤ると日常生活に支障が出たり、友人関係のトラブルや犯罪に巻き込まれたりする危険性もあります。
ケータイの問題点は、犯罪に巻き込まれることだけではありません。生活習慣に関わるものには、ケータイがなくて
は何もできなくなるなどの
「依存」や、見境なく時間を使う
「生活習慣」の乱れ、
「集中力」の低下、直接の
「コミュニケーション力」が身につかない、前方不注意等の
「ながら操作」による交通事故があります。
また日常的に起こりうるトラブルでは、ケータイでのメールやネットへの書き込みが原因の
「いじめ」や、気軽な情報発信が元になる
「プライバシーの流出」等があります。
さらに
「有害サイト」や
「架空請求詐欺」等の犯罪に巻き込まれたり
「ネットで知り合った人とトラブル」になったりすることもあります。
これらのトラブルはケータイのインターネット接続サービス(メールやサイトの閲覧)を利用することで起きます。情報の入り口は、トラブルの入り口でもありうることをよく理解することが大切です。
スマートフォン(スマホ)の利用においては、携帯電話に比べ画面の操作に気を取られやすいことから通行中のトラブルが起きたり、不用意にアプリを入れて、知らない間に個人情報が流出したりする等の問題も発生しています。
問題点
ケータイへの依存

片時もケータイを手放すことができない、ケータイが手元にないと不安な気持ちになるといった状態やケータイに束縛され、ケータイに振り回されている状態をいいます。
依存状態には、
- ケータイを置き忘れて手元にないと、何もできなくなる
- 授業中にケータイを取り上げられると暴れる
- 調べ物、時計、スケジュール管理などあらゆる事を携帯の機能に頼り、ケータイがないと何もできない
といった例があげられます。
束縛状態には、
- 「5分ルール(※注1)」のため、風呂やトイレにまでケータイを持って行く、食事中も手放さない
といった例があげられます。
※注1:「
5分ルール」とは、友人同士「お互い心配させないために」と子ども同士で決めたルールですが、返信が遅れて仲間外れにされる事例が発生しています。ケータイを風呂に持って入ったり、家族との食事中も常にメールに返信していたりする子どもが出ています。また、メールの内容ではなく、返信の早さ、やりとりする数に存在意義を感じ、片時もケータイを手放すことができなくなる子どももいます。
生活や学習習慣の乱れ
岡山県内でのケータイの利用実態調査では、小学生から中学生になると半数以上の児童が1日1時間以上ケータイを使用するようになり、
中高生の20%以上が1日3時間以上を費やしていることが分かります。
5時間以上ケータイを利用している子どももおり、これは学校に行っている間と睡眠時間以外はほどんどケータイを操作している状態です。
ケータイを持ってから減った時間についてきいてみると、学習時間や睡眠時間をあげる生徒がたくさんいます。
(図)携帯電話の1日の利用時間
<携帯電話を所持している児童生徒に対する割合>
※図:2011年6月岡山県教育庁生徒指導推進室調べ「平成23年度携帯電話等の利用に関する実態調査」より
コミュニケーション能力の低下
コミュニケーション能力とは、表情や声のトーンなどをフルに活用し自分の言葉で相手に伝え、また相手のそれを読み取る能力です。
ですから、相手の表情や反応がすぐには分からないメールでは、コミュニケーション能力はなかなか育ちません。
短い文面では、人の真意は伝わりませんが、こういったやりとりを普通だと思い、都合の悪いことや言いにくいことはメールで済ませたことにしてしまう風潮も見受けられます。
企業が学生に求める資質において「コミュニケーション能力」はトップ3に入っています。「仕事」は先輩や上司、お客様とのコミュニケーションなしには成立しないためです。
私たちが生きているのはリアル(実世界)な世界です。バーチャル(仮想)な世界ではありません。リアルな世界で通用するコミュニケーション能力を身に付けることが必要なのです。
集中力の低下
ケータイが気になり過ぎて、現実の世界がおろそかになり、人の話が聞けない、歩いていてころぶ等、現実の様々な活動に集中できない子どもがいます。
誹謗(ひぼう)・中傷・いじめ

匿名で書き込みができる掲示板に、実名で誹謗(ひぼう)・中傷されたり、頻繁に差別的な発言をされたりする等、悪質ないじめが行われる場合があります。
クラスメイトのメールアドレスになりすました「なりすましメール」によるものや、「チェーンメール」を使ってうわさ話などの嫌がらせを流したりする事例も発生しています。
プライバシー(個人情報)の流出
プロフ(プロフィールサイト:自己紹介サイト)や掲示板などに書き込んだ、名前・年齢・職業・住所・電話番号・学校名・趣味などの個人情報や顔写真の掲載がきっかけで、嫌がらせを受けたり、犯罪に巻き込まれたりすることがあります。
インターネットでの情報発信は、匿名のつもりでも知っている人が読めば誰だか特定できる場合も珍しくありません。
中にはプロフに気軽に写真を載せている小学生もいます。
「ながら操作」による交通事故

歩きながら、自転車に乗りながら、メール等のケータイ操作をすることによる交通事故が多発しています。ケータイ操作中の自転車が歩行者とぶつかり重大な事故に至ったケースも報告されていますし、歩きながらケータイを操作していてマンホールに落下したケースもあります。
岡山県では「岡山県道路交通法施行細則」で自転車に乗りながらのケータイの使用を禁止しています。
有害サイトへのアクセス
インターネット機能を利用し、出会い系サイト・アダルトサイト・自殺サイト・薬物サイトなど、危険なサイトにアクセスしてしまいます。これらは大人が思う以上に巧妙に偽装されている場合があり、一見問題がないサイトに見える場合もあります。
また、近年は、ゲームサイトやSNS等の非出会い系でもトラブルに巻き込まれる事例が発生しています。
警察庁によると、平成20年12月に施行されたいわゆる「出会い系サイト規制法」の改正により出会い系サイトでのトラブルは激減しましたが、非出会い系サイトでのトラブルが増えたため被害の総数はほぼ同じです。
つまり、トラブルが発生する場所が変化し、非出会い系サイトでも注意が必要であるということを表しています。
出会い系サイトと非出会い系サイト(コミュニティサイト)の違い
| |
出会い系サイト |
非出会い系サイト
(コミュニティサイト) |
| 利用に関する制限 |
18歳未満使用禁止 |
利用制限なし |
「出会い系サイト規制法」
による規制 |
規制対象
※フィルタリングで見られなくなる |
規制対象外
SNS、ブログ、プロフ、動画投稿サイト、掲示板、ゲームサイト、ツイッターなど
※フィルタリングで見られなくなるサイトと見られるサイトがある |
| サービス目的 |
大人の出会い斡旋 |
ネット上でのコミュニケーション促進 |
ワンクリック詐欺、架空請求
一方的に送られてきた電子メールに記載されているURLを、興味本位からクリックしたら、会員登録を契約したことにされ、高額な支払いを請求されることがあるのがワンクリック詐欺です。
また、サイトを見ていてボタンを押したつもりがないのに金銭を請求する内容のメッセージが表示されたり、心当たりもないのに、突然、高額な支払いを請求するメールが届いたりするのが架空請求です。
こっそりアダルトサイトを見てしまった場合、恥ずかしくて大人に相談せず高額請求に応じてしまう事例がありますが、18歳未満の人は風俗営業法により支払義務はありません。
ネット上での契約の手続きは商法で決められており、利用者に契約する意思がないのに一方的に契約が成立することはありません。
最近では、ツークリック詐欺など、何度もクリックさせることで契約したかのように錯覚させる手口も出てきているので注意が必要です。
見知らぬ人との出会いによるトラブル
相手の素性を全く知らないまま、チャットやメールを通じたやりとりを行うことで、始めから犯罪を目的とするような人物と出会って危険に巻き込まれるケースもあります。
近年では、ゲームサイトのチャット機能やビジネスで大人も使うようなコミュニティサイトの一種であるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで出会うケースも増えています。
これらのサイトは携帯電話のフィルタリングサービスの対象となっていないので、利用に注意が必要です。
問題の多くは、下記のようなインターネットを利用したサービスや機能を利用した際に起こっています。