岡山県広報紙 晴れの国おかやま

特集:教育県岡山の復活を目指して!

 

教育現場の現状を把握するために中学校を視察

岡山県は、かつて全国に知られた教育県でした。その岡山の教育が、今、暴力行為などの問題行動の発生率や不登校の出現率が全国で最も高く、学力面でも全国低位という危機的な状況に陥っています。

子どもは地域の宝であり、教育は未来をつくることに他なりません。だからこそ、県民の皆様の「教育を頼む」という声は切実であり、教育の再生は、間違いなく県政の最重点課題です。このため、私は、学校の視察や教員の方々との意見交換を重ね、県教育委員会や市町村と問題意識の共有を図ってまいりました。そして、今年度、県では教育の現状を変えるためのさまざまな取り組みを進めています。

もちろん、教育の再生に特効薬はなく、一つひとつ着実に成功事例を積み重ねなければなりません。そのためには、学校はもとより家庭、地域がそれぞれの責任を果たしながら、一体的に取り組むことが必要です。

県民の皆様には、岡山の未来を見据えた「教育県岡山の復活」を目指す取り組みに、どうかご理解とお力添えをお願いいたします。

岡山県知事 伊原木 隆太

不登校・問題行動への対応

岡山県の現状を踏まえて学校教育のいろいろな問題に取り組んでいるんだね

平成24年度の文部科学省の調査で、岡山県は前年度の小学校の不登校と、小・中・高等学校(合計)の暴力行為の割合が全国ワーストでした。相談体制の充実や関係機関との連携により、未然防止や早期対応を図ります。

スクールソーシャルワーカーによる支援を強化

スクールソーシャルワーカー(以下SSW)は、教育分野に関する知識に加え、社会福祉などの専門的な知識や技術を有し、福祉的なアプローチで課題解決の支援をする専門家です。

児童生徒の問題行動などの背景にある、家庭の課題や障害特性などに早期から対応するため、今年度からSSWを大幅増員するとともに、関係機関との連携を強化しています。また、教育庁内にSSWに対して、助言や支援を行うスーパーバイザーを配置し、より効率的・効果的な支援を行えるようにしています。

SSWと市町村教育委員会(県立学校の場合は県教委)の指導主事が協力しながら、関係機関と連携して学校や課題を抱える児童生徒はもとより保護者も支援していくことで、問題行動や不登校の解消に取り組みます。

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スクールカウンセラーによる「心のケア」を充実

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不登校・問題行動などに対しては教員の指導力の向上と合わせて、早期発見、早期対応が大切です。今年度からスクールカウンセラーの小学校への配置を増やし、支援が必要な子どもたちの「心のケア」をしっかりと行い、小学校における不登校などの未然防止に重点的に取り組んでいます。中学校では、すでに県内全校に配置していますが、課題の状況に応じて傾斜配置を行うことで、より効率的・効果的に不登校や問題行動などに対応します。

おかやま希望学園と連携協定を締結:不登校問題
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不登校問題に関するさまざまな課題に対応するため、関係機関などと連携し、不登校の児童生徒の解消を目指しています。昨年11月には学校法人おかやま希望学園と不登校問題への対応に関する連携協力についての協定を締結。宿泊体験学習や小中学校教員に対する研修を共同で実施しています。今後、さらに多くの機関との連携協力を進め、対応の充実を図ります。

確かな学力の向上

学力向上を目指していろいろな取り組みが始まっています!

平成24年度の全国学力調査では、平均正答率が全国平均を大きく下回るなど、学力面でも深刻な状況に直面している岡山県。基礎基本の確実な定着と補充学習の拡大などにより、学力の向上を目指します。

放課後学習をサポート

小学校における放課後学習を充実させるため、今年度から「放課後学習サポート事業」を実施しています。地域の人材が放課後に児童の補充的な学習を支援することで、児童の基礎学力の定着を図ります。

笠岡市立神内小学校 放課後学習サポート指導員 岡 生子さん

自分で答えを出す喜びを
学力向上と学習習慣につなげる

子育てが一段落したので、その経験を生かしながら何かできないかと考え、学習指導員を引き受けました。3年生の放課後学習で、国語と算数の問題集などを使って復習を中心に指導しています。子どもの目線に立ち、分からないところをよく聞いて自発的に楽しく取り組めるように心掛けることで、子どもたちが勉強を好きになり、学習習慣を身に付けることを目指しています。子どもたちからの「今日は楽しかった」のひと言が本当に励みになります。これからも、お母さん的立場で子どもたちと接していきたいです。

休日・長期休業中の学習をサポート

土曜日や夏休みなどの長期休業を活用して地域の人材が補充・発展学習を支援する「ホリデーわくわく学習支援事業」の実施により、児童生徒の学力向上に取り組んでいます。退職教員などが、休日などに学習の指導を行うことで、児童生徒の学習習慣や学習内容の定着を図ります。

また、昨年から事業を実施している市町では、保護者を対象に、子どもの学習意欲を引き出すコミュニケーションの取り方の講座などを開催し、家庭と連携した学力の向上にも取り組んでいます。

学びのチャレンジコンテストを実施

繰り返し意欲的に学習に取り組む仕組みとして、「学びのチャレンジコンテスト」を実施しています。

小学生向けのチャレンジ問題を掲載した「学びの定期便」を毎月学校へ送付し、HP上で取り組みを紹介したり記録を表示したりすることで、児童のチャレンジ精神を喚起し、学習意欲の向上を図ります。

グローバル・サイエンスOKAYAMA:グローバル人材の育成
外国人講師による授業風景(県立岡山一宮高等学校)

高等学校の段階から英語を駆使して理数系科目を学べるよう、理・工・農・医学系の大学を卒業した外国人講師などを県立学校に迎え、数学・理科などの授業や科学研究を英語で発表させる授業、英語によるディベート、理数系科目の論文・レポート作成などを実施。科学技術の分野などで、世界的に活躍できるグローバル人材の育成につなげていきます。

豊かな心の育成

道徳教育の充実を図るとともに、職場体験活動、学校における文化活動などの推進を通じ、豊かな心の育成を図ります。社会性や規範意識の育成により、子どもたちの学ぶ意欲を高めていきます。

目指せ「あいさつ日本一!」プロジェクト

目指せ「あいさつ日本一!」プロジェクト実施の様子(岡山市立岡山中央小学校)

県では、毎月10日を「県下一斉あいさつ運動の日」として、朝の校門あいさつを実施しています。

今年度は「あいさつ日本一 おかやま」を目指して、新たにのぼりやポスターを作成し、配布しました。各学校での取り組みの活性化を図るとともに、特色ある好事例を募集して県民の皆さんに紹介することで、学校を起点としたあいさつ運動の拡充を進めています。

学校・家庭・地域が一体となって運動を展開することで、子どもたちの規範意識の育成につなげます。

岡山チャレンジ・ワークの推進:職場体験
岡山市消防局での職場体験(県立岡山操山中学校)

望ましい職業観や勤労観を育むために、中学校での職場体験活動を推進・支援しています。

「岡山チャレンジ・ワーク14」では、3日間程度の職場体験を実施。生徒が将来の職業や進路について考える機会を作ることで、目的意識を持った積極的な学校生活につながっています。

家庭教育の充実、学校を支える地域づくり

地域住民による学校支援の取り組みや放課後の子どもの居場所づくりなどにより、家庭生活から学校生活まで、子どもたちの生活全体を地域社会が一貫して支援する体制をつくります。

住民の力で学校を支援

地域住民の参加による「学校支援地域本部」「放課後子ども教室」「家庭教育支援」の各活動を効果的に組み合わせた教育活動支援を推進する「おかやま子ども応援事業」を実施。学校・家庭・地域が連携し、地域ぐるみで子どもを健やかに育むとともに、学校力、地域力の向上を図ります。

津山市学校支援地域本部東小学校 地域コーディネーター 長江 真理子さん

地域ボランティアの支援活動で
子どもの育ちを応援

津山市立東小学校では、地域ボランティアによる支援活動が定着しており、九九の暗記などの学習補助や花壇整備、参観日の児童預かり、登下校の見守りなどに登録ボランティアが積極的に関わっています。

私の役割は、学校と地域ボランティアをつなぐことで、学校の依頼に対し、登録者の得意分野などを考慮して調整しています。子どもたちが地域の人と親しくあいさつする姿に、地域の大人の自主的で思いやりの気持ちをもった活動が、子どもの心に届いていることを実感しています。

「宇宙の学校」の実施:JAXAとの連携事業
傘袋ロケットを飛ばす「宇宙の教室」参加者(H24年度)

今年4月、県生涯学習センターに「人と科学の未来館サイピア」がオープンしたことを契機に、県教育委員会と独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の間で宇宙教育活動に関する協定を締結。宇宙や子どもたちが不思議に思う現象について、自然科学をテーマとした実験や工作を行うことで理解を深める「宇宙の学校」などの科学教室を開催し、子どもたちの好奇心や冒険心を育みます。

学校・家庭・地域が連携してみんなで子どもたちを育むことが大切なんだね

お問い合わせ 教育政策課 TEL 086-226-7569
URL http://www.pref.okayama.jp/soshiki/142/

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